W杯、日本の決勝トーナメント進出が決まる。おそらく日本中のオフィスがそうだったように、うちもご多分にもれず会議室でプロジェクタを壁面にあててのテレビ観戦となった。みんながほとんど会議室に入ってしまうと、席に残ってる人はごく僅か。わたしは、急ぎの仕事があったのでデスクで作業、その間、会議室からは間歇泉のように歓声が聞こえてきてどうも落ち着かない。なんか席に残ってると、こりゃ相当なヘソマガリに見えるなあ…昔風に言えばかなりの非国民感(笑)…しかしそう考えるのもまた自意識過剰つうやつだわねえ(笑)と内心苦笑。ある得意先に17時30分の召集をかけられていたので、試合の結果を待たずに席をたって外へ。そういえば、先日、「ぼくたちの好きな戦争」(小林信彦・新潮文庫)を読んだ。小林信彦が週刊文春で連載してるコラムで時折取り上げる、対米戦争下の日本の話はとても興味深い。この本は、彼が対米戦争の時代を扱った小説だというので、ずっと気になっていた本。小説として面白いかどうかはさておき、対米戦争下の日本人の生活意識の描き方、これは見事だと思った。もう一冊、これも戦争関係だが、「笹まくら」(丸谷才一・新潮文庫)。こちらも、対米戦争下の日本人の生活意識がよく描けていると思う。どちらも歴史の知識からは見えてこない、その時代の空気が感触できる。前者はマルクス兄弟に憧れる元芸人の皇軍兵、後者は徴兵忌避者の視線から。いやまあ、別にW杯の熱狂に対して、自意識過剰にヘソ曲げてるわけじゃないが(笑)、世の中が何か一色に盛り上がってる時こそ、こういうの、読みどきじゃないだろうか…と思って勝手に推しておく。そういえば、ナンシー関が11日夜に急死。現代日本で「批評」を成立させることのできた数少ない知性のひとりだった。単なる偶然とはいえ、この時期にねぇ…。 After The Gold Rush / Neil Young 。 いや、それにしても相変わらず大変に忙しい。ヘソ曲げるもなにも、いやほんと、サッカー観てるヒマがないんである。会議室の喧騒を耳にいれないために、そして背筋をちょっと伸ばすために、ヘッドホンで、この人の孤高の…というか我が道を行くんだという毅然とした声の力をかりてみた。
W杯、日本の決勝トーナメント進出が決まる。おそらく日本中のオフィスがそうだったように、うちもご多分にもれず会議室でプロジェクタを壁面にあててのテレビ観戦となった。みんながほとんど会議室に入ってしまうと、席に残ってる人はごく僅か。わたしは、急ぎの仕事があったのでデスクで作業、その間、会議室からは間歇泉のように歓声が聞こえてきてどうも落ち着かない。なんか席に残ってると、こりゃ相当なヘソマガリに見えるなあ…昔風に言えばかなりの非国民感(笑)…しかしそう考えるのもまた自意識過剰つうやつだわねえ(笑)と内心苦笑。ある得意先に17時30分の召集をかけられていたので、試合の結果を待たずに席をたって外へ。そういえば、先日、「ぼくたちの好きな戦争」(小林信彦・新潮文庫)を読んだ。小林信彦が週刊文春で連載してるコラムで時折取り上げる、対米戦争下の日本の話はとても興味深い。この本は、彼が対米戦争の時代を扱った小説だというので、ずっと気になっていた本。小説として面白いかどうかはさておき、対米戦争下の日本人の生活意識の描き方、これは見事だと思った。もう一冊、これも戦争関係だが、「笹まくら」(丸谷才一・新潮文庫)。こちらも、対米戦争下の日本人の生活意識がよく描けていると思う。どちらも歴史の知識からは見えてこない、その時代の空気が感触できる。前者はマルクス兄弟に憧れる元芸人の皇軍兵、後者は徴兵忌避者の視線から。いやまあ、別にW杯の熱狂に対して、自意識過剰にヘソ曲げてるわけじゃないが(笑)、世の中が何か一色に盛り上がってる時こそ、こういうの、読みどきじゃないだろうか…と思って勝手に推しておく。そういえば、ナンシー関が11日夜に急死。現代日本で「批評」を成立させることのできた数少ない知性のひとりだった。単なる偶然とはいえ、この時期にねぇ…。 After The Gold Rush / Neil Young 。 いや、それにしても相変わらず大変に忙しい。ヘソ曲げるもなにも、いやほんと、サッカー観てるヒマがないんである。会議室の喧騒を耳にいれないために、そして背筋をちょっと伸ばすために、ヘッドホンで、この人の孤高の…というか我が道を行くんだという毅然とした声の力をかりてみた。