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さあ~てと 帯しめましょか。

人生、山あり谷あり
向かうはわが身の置き場所よ。
帯締め、気を染め、往きましょか・・・  ~part 2~   

大江戸番付けづくし≪おしへ草 娘かヾみ≫

2010年10月21日 12時50分00秒 | 本・言葉・古文書/草書 

 大江戸番付けづくし    (著者:石川英輔)

参考に→ 
江戸時代の相撲見立番付(山陰中央新報 2009.12.28)


江戸時代の人々は特に相撲好きだったという。
その番付表をまねた様々なランク表が古文書として残っている。

江戸時代にはたてまえは厳しいが、実際は自主規制、というより
見立て番付ぐらいは放任主義だったようだ。
大部分が勝手に印刷して売っていたようだ。

明治になっても番付見立ては発行され続けたらしく、文字・体裁・
内容とも幕末期の番付のままで、刊行年の表示がなければ区別
することができないものもあるようで、変体仮名による木版摺りは
明治20年ごろまでは発行されていたという。
明治時代になると、次第に近代的官僚制度ができて許認可などが
厳重になり、チラシのような印刷物まで「御届」が必要になったようで、
ガチガチの規制時代が始まっていたのである。

もしかすると江戸番付けと書かれているものの中には、明治初期
のものも多く含まれているかもしれないと思った。





  【その一つの例】

番付けタイトル―― 『おしへ草 娘かヾみ』
左欄外――「御届 明治十七年十一月廿四日 
        編輯出版人 神田通新石町九番地 木村定五郎」
上欄外――「悪 酉の春新撰 善」
         発行時(明治18年は酉年)  
         右(東方)に〇の中に善、左(西方)〇の中に悪の字

  ※教(おしへ)草・・・教材
  ※鑑(かヾみ)・・・・・模範や手本の意味

タイトル下の行司欄(右)――「こうのひとつ 親の為に身を賣る娘」
タイトル下の行司欄(中)――「よかれあしかれ 親の身代を立て直す娘」
タイトル下の行司欄(左)――「ふこうのずい 色情で命を捨てる娘」

タイトル下の2段目(右)――「心だて素直な娘」
タイトル下の2段目(中)――「遊藝(ゆげい)を好む娘」
タイトル下の2段目(左)――「我ままな娘」

タイトル下の3段目(右)――「善 箱入り娘」
タイトル下の3段目(中)――「悪 他人のおへになる娘」
タイトル下の3段目(左)――「其 おてんば娘」

右側(善)・・・「おなごのたしなみ 針仕事の好きな娘」
         「一しやうの得 読書のできる娘」
         「かないぶじ 継母を大切にする娘」
         「みやうにかなふ ミへかざりをせぬ娘」
         「たのもしい 兄弟おもひの娘」
         「やさしいこころざし 年寄りをいたわる娘」
                   ・
                   ・
         うちきな、口慎しみよい、しんぼう強い、等々
           
左側(悪)・・・「とんでもない 親へ悪口する娘」
           「おやへくらうをかける 尻っぱやな娘」
         「おなごのミちがたたぬ 針仕事を忌ふ娘」
         「ろくなことはしでかさず 夜あるきを為(す)る娘」
         「つつしまねばならぬ けんどんな娘」
         「おんぎをしらず 親兄弟を見捨てる娘」   
                   ・
                   ・
         いじの悪い、いけ好かない、大食をする、等々


今じゃあ身売り自体憲法違反だから考えられないだろうけど、
昔は孝行の一つで、身代を立て直すほどの気の強い娘は、
善い娘さんだけど息子の嫁にはちょっと~、って感じかな?

未婚娘の品定め番付らしいが、内容は特に女性に要求すべき
ことに限らず、人間一般が心がけるべき言葉ばかりである。
わりと恋愛が大らかだった江戸時代の道徳よりも封建的で、
男でも当てはまることも多いのに・・・と、今なら女性差別
となる番付ばかりだぁ~って、女性側からの文句が出そう。






≪江戸時代、大流行の心中≫

江戸の心中は近松門左衛門が書いた道頓堀の竹本座の立て直し
のための苦肉の策だったのかもしれない『曽根崎心中』で大流行。
その後の近松の心中物全てが大流行、心中そのもさえ流行った。

その為、享保7年(1722)に、当時編纂中だった幕府の
処罰規定が、「公事方御定書」に盛り込まれ、翌年お触書を出した


≪心中後の厳しい処罰≫

二人とも死んだ場合・・・裸にして晒され、そのまま取り捨て。
                 (寛政五年(1793)、晒されている女性のちょっと
                  えっちな話題で見物人が殺到するという見世物
                  騒ぎがあり、裸はやめたらしい)
二人とも生き残った場合・・・三日間晒したうえ、身分に。
片方が生き残った場合・・・死罪。
生き残ったのが主人の場合・・・主人はへ。
生き残ったのが奉公人の場合・・・死罪。





『大江戸番付づくし』 石川英輔著:参照
週刊江戸38 心中事件の流行』(株)デアゴスティ-ニ・ジャパン:参照





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