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これどうしようかな・・・どうしようか考えてみます。

ハーバード大学は「音楽」で人を育てる…〈から〉学ぶ 7 ジュリアン・バーンズ

2017-10-21 | _よむ__

「初日―五つの世界初演(First Nights:Five Performance Premieres)」

モンテヴェルディ≪オルフェオ≫(1607、マントヴァ)
ヘンデル≪メサイア≫(1742、ダブリン)
ベートーヴェン交響曲第九番(1824、ウィーン)
ベルリオーズ≪幻想交響曲≫(1830、パリ)
ストラヴィンスキー≪春の祭典≫(1913、パリ)

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自分が読んだことのある作家がノーベル文学賞を受賞するなんて、などと
読み返すとへんてこな意味になりそうな言葉を頭に渦巻きながら
カズオ・イシグロのまだ読んでいない作品を借りてみようと出かけ、
でも1冊も残っていなかった(デスヨネ><)。

では、と 翻訳者とブッカー賞でつながった
「終わりの感覚」 ジュリアン・バーンズ 土屋政雄 訳 2012
THE SENSE OF AN ENDING by Julian Barnes 2011
を借りてみた。(来年映画で見られるのかな。)読了。

「40年前」、「記憶」。
自分なりの納得のもとの記憶。少しは違っているのかもしれない。
それにしても その日記は なぜその人の手元にあったのか。
いろいろと思い出そうとする主人公の記憶は 儚く揺らいでいく。
ゆったりと浮かび上がってきたような印象の記憶はそのうちに変容し始め、
ストーリーは暗いエネルギーを増幅しながら進んでいく。

過去と現在を結ぶ記憶。そこに揺らぎがあることは、受け入れているつもりでいた。
けれどこの主人公のもとの揺らぎには ボートに乗っている時のような絶え間ない重心確認を求められる。
読んでいると 苦しくなっていった。それは面白いということなのだろうか。

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ジュリアン・バーンズ、2冊借りてきていた。2冊め。
「人生の段階」 ジュリアン・バーンズ 土屋政雄 訳 2017
LEVELS OF LIFE by Julian Barnes 2013
読了。
著者の最愛の妻が 診断からわずか37日後に 脳腫瘍で亡くなった。
とつぜん一人になった。2008年のこと。死別の悲しみを 5年たって、やっとこの本にまとめたということのようだ。出版社の紹介文には「胸を打つメモワール」という言葉(分類)になっている。メモワール。
三部構成。LEVELSという言葉に関連してくるだろうか。段階、よりも 度合い、という言葉が浮かんでくる感じの印象を持った。
途中に グルックのオペラ「オルフェオとエウリディーチェ」を見に行ったことが出てくる。
○ その時、オルフェオはなぜ振り向いてしまったのか。
今まさに バーンズは 「もちろん、オルフェオは振り向く。そして嘆願するエウリディーチェを見る。どうして見ずにいられよう。」と そのオペラからの発信(「悲しみに打ちひしがれている人をピンポイントで狙い撃つ」という表現になっていた)を まっすぐに受けて立っていた。
読み終わった最後の行に 作品を書き上げた日付だろうか記されていて、「2012年10月20日、ロンドン」となっていたことに少しく驚いた 2017年10月20日。

 

 


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