みかん日記

省農薬ミカン園の様子や農薬ゼミの活動内容を伝えます。

7/28 『食と農の社会学』輪読会⑥

2017-08-01 13:41:08 | ゼミ活動
『食と農の社会学』輪読会はいよいよ最終の6週目を迎えました。
今週は11章を私いいつかが、1章をかんのさんが担当しました。

11章「農村における女性」では、不可視の存在であった女性が主体となり活動(農村女性起業)を通して、地域農業を活発にしたり、良い影響を与えたりした事について、くらやしきを例にその成功要因、周りの評価を挙げることで農村女性起業から学ぶことを考える。という内容でした。

次に、1章「地域とともに生きる食と農の世界」についてです。私達の生きる世界で、燃料枯渇、地球温暖化、生物大量絶滅、人口増加に伴う必要な食糧の増加などの問題がある中、食と農についても、巨大アグリビジネスが世界のフードシステムを牛耳ったり、グローバル化思考が広まる事で今まで積み上げられてきた食文化や社会、自然の多様性などの「尊厳性」が失われてきている事が問題視されていました。本章では具体例が無かったのでアミタホールディングス株式会社を紹介して下さいました。この会社は廃棄物から代替資源を製造する「100%リサイクル」事業を行うほか、土地に合った農薬選択基準を提供するという事業も行っているそうです。5章の農薬開発では農薬の危険性が注目される度、新しい農薬が開発され、その農薬も危険性が指摘されるといった悪循環が有りました。そこで感じたのは単純に農薬を無くす、又は減らす事では農業はやっていけないという事です。しかし、選ぶ事からスタートすれば、その土地特有の気候、栽培環境を考え、農薬自体、又は容量を選択する事で、結果的に農薬の削減に繋がるのでは無いかと思いました。

全体を通した意見として、1章で取り上げられたように、巨大アグリビジネスの支配やグローバル化思考がある一方 、11章の農村女性起業の様に地域を大切にする思考があり、二極化しているという意見を持たれた方も居ました。しかし、私はもともと農薬の使用は世界に大量に広まってしまうという点や、新しいものをどんどん開発するといった点で1章寄りだなと思っていたのですが、アミタホールディングスの話を聞いて、農薬の使用は土地に合った農薬を選択し、少しづつ見直していくという様な11章の女性達の地道な活動に似た性質も持ち合わせている様に感じました。

私はこの輪読会で、農薬はただ減らせば良いというだけでなく、減らした農業が成り立って持続可能且つ、多様な食文化を支える農業は尊厳性を大切にしなくてはいけなくて、その為には大きな力ではなく、(今回の例でいくと選ぶことなどの)小さな努力の積み重ねによって、その尊厳性を取り戻す事が可能なのでは無いかと考えるきっかけになりました。

いいつか

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