忙しいほうがいい。でも本当は・・・

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考えてしまいます。
だから忙しいほうがいい。

でも、本当は・・・

狐(きつね)と狸(たぬき)のばかし合い~荼枳尼(ダキニ)天編~

2011-11-06 22:03:33 | みんなの生き物
さて。

今回は気色を変えて、今回はプチ放置していたシリーズ、『狐(きつね)と狸(たぬき)のばかし合い』を更新してみたいと思います。

狐(きつね)と狸(たぬき)のばかし合い~狸編~狐(きつね)と狸(たぬき)のばかし合い~狐編~の続きです。

前回の記事で、元々「稲荷神」として、神様の使い、というイメージを有していた『狐』ですが、なぜその『狐』にずる賢いイメージがついているのか。

狐にネガティブなイメージを残した張本人は、「荼枳尼(ダキニ)天」という仏教の神様だった・・・というお話をいたしましたね。

荼枳尼(ダキニ)天。ではでは、一体、どんな神様なんでしょう。

画像は例によってWikiから拝借しています。

白狐に乗っかってるんだそうです。

実はその存在・・・古代インドにまで時代と場所が遡ります。
のんきのブログも一気にこの時代→のんきの宗教観~総集編までさかのぼります。
このシリーズ、古代文明の中で、「インド」をクローズアップして取り上げたシリーズです。

インド人のルーツは主に2民族。一つは中央アジア(今のアフガニスタン)の辺りから南下してきた「アーリア人」。もう一つは元々インドの地に在住していた
「ドラヴィタ人」。アーリア人は移民族であり、外からやってきて土着のドラヴィタ族を支配した征服民族ですから、純粋な「インド人」は支配された方の民族。
「ドラヴィタ人」と言うことになるでしょうか。

さて。このドラヴィタ人の中に、「カールバース人」という民族がいました。
カールバース人が信仰していた豊穣の神。美しい女性の神様がいました。この神様の名前は「ダキーニー」。そう。『狐』にずる賢いイメージを植え付けた、
あの「荼枳尼(ダキニ)天」の原型です。

ほっほ~~。 この荼枳尼(ダキニ)天の姿を見ると、なんだか日本で豊穣の神として信仰されている「稲荷神」のイメージにも近い気がしますね。

さて。ここで改めて考えていただきたいのは、ダキーニーが元々インドの土着民族であったドラヴィタ人の神様であり、ドラヴィタ人はアーリア人の被支配民族
であった、と言う事。アーリア人はドラヴィタ人を支配する為、アーリア人の宗教、「バラモン教」の聖典である「ヴェーダ」の中に、ドラヴィタ人の宗教に
登場する神様を次々と取り入れた事をこちらの記事でお話しましたね。

ダキーニーもそんな神様の一人。ヴェーダの中に取入れられたダキーニーは、その性質を「豊穣の神」から「愛欲の神」へと姿を変えてしまいます。
さらにダキーニーと共にヴェーダの中に取入れられた「シヴァ神」の一つの姿、「マハーカーラ(大いなる暗黒)」の妻「カーリー」の召使にまで格をおとされ
てしまいます。

さらに、このダキーニー。当然のごとくしてバラモン教が姿を変えたヒンドゥー教から、仏教のうちの密教の世界にも取り込まれます。
仏教の世界に取り込まれたダキーニーは、さらにひどい目に遭います。

ダキーニーは、その「愛欲の神」としての性質から、さらに人の心臓を喰う「女夜叉」にまで格下げされ、ついに「神」としてすら扱ってもらえなくなります。
「神」どころか「悪鬼」。夜叉とか、羅刹の類にまで突き落とされてしまうのです。

後にこのダキーニーは中期密教において、「大日如来」が姿を変えた「大黒天」によって調伏され、死者の心臓のみ喰らう事を許されたのだとか・・・。
大黒天・・・ 実はシヴァ神のことですね。なんだかなぁ・・・って感じです。

で、このダキーニーが死肉を喰らう姿が、夜中に他の猛獣の食べ残しを食い荒らす野生の動物「ジャッカル」と同一視され、やがてダキーニーはジャッカルに
乗った姿で描かれるようになります。

はい。このあたりでなんとなく想像がついている人はいるでしょうか。
ダキーニーの存在は、密教と共に、空海によって日本に持ち込まれます。ダキーニーの乗るジャッカル。

実は、日本にも中国にもこの「ジャッカル」という動物は存在しません。 ジャッカルに良く似た生き物・・・。そうです。ダキーニーの乗る
ジャッカルは、日本では狐に置き換えられるようになったのです。

そう。あたかも日本にはヤマネコが存在しない為、元々「ヤマネコ」を意味していた「狸」という漢字に森羅万象の象徴たる「タヌキ」がその役割を与え
られたようにして・・・。

この事から、空海によって日本に輸入された「ダキーニー」には、「荼枳尼(ダキニ)天」と言う名が与えられ、仏教の荼枳尼(ダキニ)天と、神道の
「稲荷神」はやがて同一視されるようになります。

さて、思い出してみて下さい。 この「荼枳尼(ダキニ)天」。元々、インドの土着の神様であり、「豊穣の神」として、元々のインド土着民族
「ドラヴィタ人」に尊敬し、敬われていた神様でしたね。

そう。荼枳尼(ダキニ)天は、日本にたどりつくことによってようやく本来の自分の姿を取り戻せた、ということでしょうか。
しかし、バラモン、ヒンドゥー、仏教と多くの宗教を渡り歩くうちに植え付けられたネガティブなイメージそのものは完全に拭い去ることが出来ず、彼女
が従えていた「狐」にそのイメージの名残が残ってしまいました。

はい。つまり、『狐』にずる賢こい、ネガティブなイメージがあるのは、この「荼枳尼(ダキニ)天」の逸話のなせるわざだったんですね~

う~ん。やっぱり、神話って面白い


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