↑いつもの散歩道です。
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↑こっちゃ行く?
↑あっちゃ行く?
↑やっぱこっちゃにする?
たっぷり眠れて、体力充実。
さあ歩きましょう歩きましょう。
今日という日はわりと暖かい。
空気も清々しく、夕景も穏やかで、とても気分がよろしいじゃございません?
少年たちが溌剌と、自転車で滑走してきます。
あら、こっちのほうにも道があるじゃないのよ。
ポメ姐さん、ちょいと新しい道行ってみる?
来た道戻りゃいいものを、ちょいとばかし欲をかいたのが運の尽き。
と。
この時点では、まったくもって気づかずに。
夕景が、薄いピンクから茜に染まり、陽が山の端に沈んだら、息つく間もなくあからさまに昏くなっていく。
ゲーテッド内の街灯も、祭りぼんぼりのようにポンポンと灯ってく。
自宅の裏手の今まで知らなかった道ですよ。
さあポメ姐さん。
あそこの角っこ右に折れたら、おうちはすぐそこ、歩きましょう♪
右に曲がった。
そのまま粛々と歩いた。
見えた。
そこはなぜだかドン詰まり。
「…?!」
筆者、絶望に打ちのめされる瞬間です。
羽生結弦くんがゴールド獲得した「パリの散歩道」の曲が脳内で鳴り始める。
違う違う。
パリじゃない。
ラスベガスだからラスベガス。
しようがない。
聞くか?
聞いてしまおうか?
すれ違う、顔見知りの犬の散歩中のご近所さまに。
なんと聞く?
「How Can I go home?」
とでも言い放ったら、のちのち近所付き合いに支障が生じるのは自明の理。
あそこのジャパニーズの奥さん、気の毒にアレだわね?
ってことにならないか?
ああ、今来た道を引き返すのは遠すぎて。
躊躇ううちに、さっきまでの麗かで爽やかだった散歩道が、容赦無く濃い夜の気配に満ちてくる。
唐突に、吹きつけてくる無慈悲な寒風になぶられて耳痛む。
地面から冷えが昇り伝ってきて、つま先感覚なくなってくる。
ついでに、なんとなくお腹も痛くなってきたような。
目の前を、高く遮る無情な黒いフェンス。
いやイケるかもしれない。
ポメ姐さん、小脇に抱えて乗っ越えられなくもないんじゃないか?
黒いフェンスの向こう側。
かなりの急斜面に、大粒で粗い砂利が敷き詰められている。
無理か?
無理なのか?
そりゃやっぱ無理だろう?
筆者には、岡田准一氏ほどの技量も体力もありゃしない。
ジャッキーチェン氏なら?
いや、到底無理だ、ああジャッキー。
人生で、いまだかつて逆上がりひとつできたことはない。
跳び箱だって、ぶち当たってドンガラひっくり返すとともに、保健室送りになったあの日も忘れまい。
縄跳びの、二重跳びだって、挑戦するたび素足を打つので、いつだって痛々しい鞭打たれたかのようなミミズ腫れ。
いや待てよ。
ゲーテッド内で不審な行動を通報されたらどうなるよ?
「フリーズ!」とかって銃構えられたらどうなるよ?
たとい、黒フェンス乗っ越えたとして、擦り傷ずりずり普通にアバラの2〜3箇所はおっ欠くな。
それよりも、もしポメ姐さんに何かあったら?
なんとかなるか?
毛吹きモッフモフで、バスケットボールみたいにバウンスバウンスぼんよよよ〜ん!てなことにならないか?
ふと見た。
街灯と、ドッグリーシュに括り付けてある、お散歩安全ライトのオレンジ色に照らされた、愛犬の顔を見た。
飼い主見上げるその目が。
鉄仮面より無表情。
「Mommy,Ask for help」
その目は、そう訴えているではないか。
「…ちっ!」
電話した。
舌打ちしながら電話した。
出た。
旦那さまが出た。
自宅で、フロアにスチームモップかけてるはずの旦那さまが電話口に出た。
「あい にーど れすきゅー」
そう言った。
電話の向こうで、息を呑むのがありありと判る。
「ゲーテッド内から出て、山の方には一人で行くなと、あれほど言ったのに出たのか?
挫いたのか骨折か?
刺されたのか、撃たれたのか、毒蛇に噛まれたのか、コヨーテに襲われたのか、それともマウンテンライオンに✖️●▲@✳︎9…!!!???(英)」
「いやあの、ゲーテッド内で迷った。
コルデサックの壁を隔てた、家の裏手の道と思われる。
通りの名前はなんたらマウンテン通りと、こうたらフラット通りの角っこな(英)」
「そこを一歩も動くな!(英)」
じっとしてると底冷えするので、その場で足踏みしたけど、もうこれは体力の限界だ。
そこらへんに腰掛けて、もふもふ姐さん抱きしめて、夜空仰いで星の数でも数えよう。
ああ長いような短いような人生だったなあ。
若衆方、立派に育った。
母さん、もう思い残すことは何もない…
と言えば嘘になるかなあ?
あれから。
僕たちは。
何かを信じてこれたかなあ?
どうせさ。
父ちゃん来るのしばらくかかるだろうからさ。
ここに座って、美味しいもの食べる幻影でも観ていよう。
行き交う犬の散歩に出て行くご近所さま。
ハーイ。
ハロー。
いい夜ね?
はば ないす うぉーきんぐ。
ワタシノ ウチハ ドコデスカ?
旧宅のご近所さま、ブラックラブラドール率高し。
現在の、我がゲーテッド内、スタンダードプードル率高し。
ふいに、冬の夜風が涙に滲む。
絶望か?
感傷か?
いやただ単に、年齢からのドライアイ。
そして車のヘッドライトに照らされた。
ちくちょう、眩しいじゃないか。
旦那さまが来た。
3分もしないで来た。
いや2分もしていない。
ポメ姐さん喜んで、筆者より先に車に飛び乗って行く。
愉しい冬の散歩道。
自宅のすぐ裏。
迷おうったって、なかなか普通は迷えない散歩道。
防犯目的で、コルデサックや安全フェンスで遮られ、安易に通り抜けできなくなっている仕様の散歩道。
「お姐さん、ここをどうやったら迷える?
打ち上げるタイプの発煙筒買ってやるから持って歩けこれからは!(英)」
旦那さまは、ものすごく嬉しそうに爆笑していた。
次回からは、パンちぎって落としながら歩こう。
でも、小鳥さんたちが食べちゃったら命取りだけれども。
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たっぷり眠れて、体力充実。
さあ歩きましょう歩きましょう。
今日という日はわりと暖かい。
空気も清々しく、夕景も穏やかで、とても気分がよろしいじゃございません?
少年たちが溌剌と、自転車で滑走してきます。
あら、こっちのほうにも道があるじゃないのよ。
ポメ姐さん、ちょいと新しい道行ってみる?
来た道戻りゃいいものを、ちょいとばかし欲をかいたのが運の尽き。
と。
この時点では、まったくもって気づかずに。
夕景が、薄いピンクから茜に染まり、陽が山の端に沈んだら、息つく間もなくあからさまに昏くなっていく。
ゲーテッド内の街灯も、祭りぼんぼりのようにポンポンと灯ってく。
自宅の裏手の今まで知らなかった道ですよ。
さあポメ姐さん。
あそこの角っこ右に折れたら、おうちはすぐそこ、歩きましょう♪
右に曲がった。
そのまま粛々と歩いた。
見えた。
そこはなぜだかドン詰まり。
「…?!」
筆者、絶望に打ちのめされる瞬間です。
羽生結弦くんがゴールド獲得した「パリの散歩道」の曲が脳内で鳴り始める。
違う違う。
パリじゃない。
ラスベガスだからラスベガス。
しようがない。
聞くか?
聞いてしまおうか?
すれ違う、顔見知りの犬の散歩中のご近所さまに。
なんと聞く?
「How Can I go home?」
とでも言い放ったら、のちのち近所付き合いに支障が生じるのは自明の理。
あそこのジャパニーズの奥さん、気の毒にアレだわね?
ってことにならないか?
ああ、今来た道を引き返すのは遠すぎて。
躊躇ううちに、さっきまでの麗かで爽やかだった散歩道が、容赦無く濃い夜の気配に満ちてくる。
唐突に、吹きつけてくる無慈悲な寒風になぶられて耳痛む。
地面から冷えが昇り伝ってきて、つま先感覚なくなってくる。
ついでに、なんとなくお腹も痛くなってきたような。
目の前を、高く遮る無情な黒いフェンス。
いやイケるかもしれない。
ポメ姐さん、小脇に抱えて乗っ越えられなくもないんじゃないか?
黒いフェンスの向こう側。
かなりの急斜面に、大粒で粗い砂利が敷き詰められている。
無理か?
無理なのか?
そりゃやっぱ無理だろう?
筆者には、岡田准一氏ほどの技量も体力もありゃしない。
ジャッキーチェン氏なら?
いや、到底無理だ、ああジャッキー。
人生で、いまだかつて逆上がりひとつできたことはない。
跳び箱だって、ぶち当たってドンガラひっくり返すとともに、保健室送りになったあの日も忘れまい。
縄跳びの、二重跳びだって、挑戦するたび素足を打つので、いつだって痛々しい鞭打たれたかのようなミミズ腫れ。
いや待てよ。
ゲーテッド内で不審な行動を通報されたらどうなるよ?
「フリーズ!」とかって銃構えられたらどうなるよ?
たとい、黒フェンス乗っ越えたとして、擦り傷ずりずり普通にアバラの2〜3箇所はおっ欠くな。
それよりも、もしポメ姐さんに何かあったら?
なんとかなるか?
毛吹きモッフモフで、バスケットボールみたいにバウンスバウンスぼんよよよ〜ん!てなことにならないか?
ふと見た。
街灯と、ドッグリーシュに括り付けてある、お散歩安全ライトのオレンジ色に照らされた、愛犬の顔を見た。
飼い主見上げるその目が。
鉄仮面より無表情。
「Mommy,Ask for help」
その目は、そう訴えているではないか。
「…ちっ!」
電話した。
舌打ちしながら電話した。
出た。
旦那さまが出た。
自宅で、フロアにスチームモップかけてるはずの旦那さまが電話口に出た。
「あい にーど れすきゅー」
そう言った。
電話の向こうで、息を呑むのがありありと判る。
「ゲーテッド内から出て、山の方には一人で行くなと、あれほど言ったのに出たのか?
挫いたのか骨折か?
刺されたのか、撃たれたのか、毒蛇に噛まれたのか、コヨーテに襲われたのか、それともマウンテンライオンに✖️●▲@✳︎9…!!!???(英)」
「いやあの、ゲーテッド内で迷った。
コルデサックの壁を隔てた、家の裏手の道と思われる。
通りの名前はなんたらマウンテン通りと、こうたらフラット通りの角っこな(英)」
「そこを一歩も動くな!(英)」
じっとしてると底冷えするので、その場で足踏みしたけど、もうこれは体力の限界だ。
そこらへんに腰掛けて、もふもふ姐さん抱きしめて、夜空仰いで星の数でも数えよう。
ああ長いような短いような人生だったなあ。
若衆方、立派に育った。
母さん、もう思い残すことは何もない…
と言えば嘘になるかなあ?
あれから。
僕たちは。
何かを信じてこれたかなあ?
どうせさ。
父ちゃん来るのしばらくかかるだろうからさ。
ここに座って、美味しいもの食べる幻影でも観ていよう。
行き交う犬の散歩に出て行くご近所さま。
ハーイ。
ハロー。
いい夜ね?
はば ないす うぉーきんぐ。
ワタシノ ウチハ ドコデスカ?
旧宅のご近所さま、ブラックラブラドール率高し。
現在の、我がゲーテッド内、スタンダードプードル率高し。
ふいに、冬の夜風が涙に滲む。
絶望か?
感傷か?
いやただ単に、年齢からのドライアイ。
そして車のヘッドライトに照らされた。
ちくちょう、眩しいじゃないか。
旦那さまが来た。
3分もしないで来た。
いや2分もしていない。
ポメ姐さん喜んで、筆者より先に車に飛び乗って行く。
愉しい冬の散歩道。
自宅のすぐ裏。
迷おうったって、なかなか普通は迷えない散歩道。
防犯目的で、コルデサックや安全フェンスで遮られ、安易に通り抜けできなくなっている仕様の散歩道。
「お姐さん、ここをどうやったら迷える?
打ち上げるタイプの発煙筒買ってやるから持って歩けこれからは!(英)」
旦那さまは、ものすごく嬉しそうに爆笑していた。
次回からは、パンちぎって落としながら歩こう。
でも、小鳥さんたちが食べちゃったら命取りだけれども。