ノーブル・ノーズの花の穴

麗しき本音のつぶや記
~月に1度ブログ~

柴犬Kに花束を

2018-11-21 11:06:36 | Weblog

近所の犬が死んだ。

見た目は地味で、おとなしかったが、
その一生は、生まれてから死ぬまで、裕福だった。

日中は外にいて、夜は家の中。
お散歩は、1日に4~5回。
リタイアしたお父さんが、
朝と無く夜と無く、連れ出していた。

雨の日は、ノロノロ運転でドライブ。
助手席でKは、目を輝かせていた。

だから、しょっちゅう見かける。(笑)
こちらも、長年見ているから、親しみもわく。

若い頃は、タッタカ歩いていたが、
晩年は、電柱にオシッコもせず、寄りかかっていた。

ヒョコタン歩くKと、お父さんは、
最期まで変わらず、散歩していた。

ある日偶然、身内が、Kの「お別れの時」に出くわした。

家の前に、焼却装置がついているワゴン車が停まり、
毛布にくるまれたKが、乗せられたのだと言う。

いつのまにか、見かけなくなったら、
死んだのだろうと思うだけだった。
しかし、それを見た身内が、意外な事を言い出した。

Kの犬小屋に、花をたむけては?

しかし、犬小屋など元々無い。
家の前に、勝手に花を置いたりしたら、
交通事故現場みたいになってしまう。
Kに花を捧げるなら、写真を添えて訪問しよう。

私は、ちょっとこじゃれた花屋に行き、
事情とイメージを伝え、
白を基調に、青を少し加えた花束を作ってもらった。
先方に、よけいな気遣いをさせないよう、
あくまで犬用と、小ぶりなものにした。

親しくもないお宅を訪ね、
恐る恐る出てきたお母さんに、事情を話すと、
上品に老いたその人は、涙を見せて、
「Kの骨を見せてあげて。」と、お父さんに促した。

ペットの訪問火葬に、依頼したそうだが、
自宅前の電線が気になり、
近くの公園で、やってもらったらしい。

綺麗な水色の布に包まれた骨壷は、
やや小さめだが、人間のものと変わりない。

思わず、「可愛い。」と言ってしまった。

Kは、11月1日に生まれ、
ブリーダーのもとから、この家に来て、
今年で15才だったという。
出自も良く、大変可愛がられたブルジョア犬だったのだ。

その横で、チョコンと正座するお父さんは、
いつものように無表情だったが、
しょんぼりなのが、伝わってきた。

数日後、早朝に、お父さんとすれ違った。
今まで、だんまりだった人が、自分から挨拶してきた。

「お一人で、お散歩ですか?」
淋しくもあるが、私は、少し嬉しくなった。
Kの死を共有して、初めて見る事ができた笑顔だった。

今年は、私の周りでも、色々な「終わり」や「変化」が多い。
天皇が代わるからだろうか。
時代が変わる時、運命が動く気がする。

始まれば、終わりは来る。
しかし、「死」とは、次の「始まり」でもある。

 

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tapより出ずる人生

2018-11-21 09:44:30 | おでかけ

最近の私は、ドラマの影響を受けやすい。
ガッキーが、カウンターで、
「tap5!」とか言ってるのを見ると、やってみたくなる。

身内と、うさ晴らしをする事になり、
これ幸いと、tapバーに行く事にした。

オープン前に着いてみたら、ネットで見るより、
こぢんまりした、古くてアメリカンな店だった。

隣のハンコ屋の白い犬が、
おじさんに向かって、はねていて可愛い。

店内をのぞくと、20近くのサーバーと、
クールな感じの女性スタッフが、目に入った。

「ドラマを見て来た。」なんて言ったら、バカにされるだろうか。
そんな事さえ、気にしない私ではあったが、
意外にも、ノボリを出しに来た彼女は、「どうぞ!」と明るく、
「ガッキーのドラマを見て来たって言うお客さんは、初めてです!」と、ノリも良い。

ビールの事も、詳しく教えてくれたし、
女性スタッフは、みんな可愛い子ばかり。
他に客がいないので、気にせずに、写真も撮れた。

初めてなので、大きなグラスはやめて、
小さいグラスに3種選べる、お試しセットにした。

2人で、なるべく違うのを選んで、飲み比べだ。
味が、全然違う!!

スタッフおすすめの、柑橘系の、
ライジングサン・ペールエールは、とても美味しかった。

ドラマに出てきた、
高アルコールの、バーレイワインもあったので、選んでみた。
確かに、ワインのように、深くて濃い味だ。

2階のテーブル席へ移って食事したいと言っても、
嫌がられる事もない。
それから、1時間くらいは、貸し切り状態だった。

聞けば、常連は、21時以降に来るらしく、外国人客も多いそう。
米軍の寄港だとか、ハロウィンの時期は混むらしい。

まずは、シーザーサラダと、ビーフのBBQをフライドポテト添えで。
BBQソースをつけて食べるから、BBQなのか?
ビーフは、煮込んだようにやわらかくて、不思議な味だった。

最初は、「あんまり飲めないよ。」と、
興味無さそうにしていた身内も、
ビールを、もう1セットと、ラム肉のタコスを、
自ら追加するぐらい、楽しんだ様子。

古民家カフェの、こだわりのコーヒーも興味深いが、
ビールも又、それに似て、奥が深い。

ガッキーのドラマは、賛否あるようだが、
私は、「逃げ恥」より、面白いと思う。

キャラが濃くて、コメディーのようだが、実はシリアス。

最初、ハァハァ言って気持ち悪かった、
マッチョな岡持三郎のバカさ加減も、今では笑えるし、
ブスな黒木華も、この役だと可愛く見える。
タクラマカン斎藤の、ビールの説明も楽しい。

世の中、色んな人がいるし、色んな考えがあるし、
一見、全て整っているように見えて、
中身は、グチャグチャだったりする。

それでも、目の前にあるtapから出てくるものを、
順番に飲み干していくのが、人生なのかもしれない。

それだけじゃなくてさー。
「ツバキ文具店」に出てきた、
うなぎ屋にも、行こうと思ってんだよね~。

問い合せして、男爵みたいに、
「1時間待つ間、他の店に行っててもいいんですか?」と聞くと、
「あれは、ドラマだから…。」って。
「予約すれば、早く食べられますか?」と聞くと、
「顔見てからじゃないと、焼かない。」って。(笑)

焼く→蒸す→焼く で、

蒸すのに時間がかかるんだって。

写真見たら、美味しそうだし、
鎌倉彫の重箱もステキ。

昔は、ビールも、うなぎも、
美味しいなんて思わなかったのに、
今では私も、
「苦いも、小骨も、噛み分ける」
ババアになってしまったんだねぇ。(笑)

 

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