気象庁は避難に関する情報を再編する。 災害の種類を「洪水」「大雨」「土砂災害」
「高潮」の4パターンに整理し、それぞれの警戒度を5段階レベルで示す。
現在は多様な情報が乱立し「複雑で分かりにくい」との指摘があった。 危険が伝わ
りやすい形に見直し、適切な避難行動につなげる。
防災気象情報に関する有識者の検討会(座長・矢守京都大教授)は14日、見直し案を大筋
で了承した。 6月をめどに最終案をまとめ、数年後に新たな情報の運用を始める。
現在、避難情報は特別警報や警報、注意報に加えて「土砂災害警戒情報」や河川の
「氾濫危険情報」、「高潮氾濫発生情報」なども存在する。 避難行動と関わらな
い「低温注意報」などで40以上。 住民の避難と関わるものだけで20近くに上
る。 2019年には5段階の警戒レベルも導入。 最も危険なレベル5から1ま
で数字で災害リスクを示し、既存の避難情報を改廃せずに振り分けた。 土砂災害
の場合、レベル5は「大雨特別警報」、レベル4は「土砂災害警戒情報」、レベル
3は「大雨警報」となった。 名称だけではどちらが危険なのか判断しにくく、結
果として理解は深まらなかった。
気象庁が22年1月、20~70代の男女2000人に実施したアンケート調査(複
数回答)でも、55%が「情報の種類が多すぎて分かりにくい」と回答。 「どれが
避難判断の参考となるのか分かりにくい」と答えた人も48%に上った。
検討会では22年1月から防災気象情報の
見直しを議論。災害の種類を洪水、大雨、
土砂災害、高潮の4つに分類した上で、名
称は特別警報、警報、注意報に再編する案
などを検討している。 土砂災害は「レベ
ル5土砂災害特別警報」「レベル3土砂災
害警報」などと改める。警戒レベルと情報
の名称を併記する。
レベル3と4をいずれも「警報」でそろえるか、レベル4のみ新名称の「危険警報」
とするかなど有識者の意見が分かれた点があり、具体的な名称は座長に一任した。
気象庁は「住民や自治体など防災気象情報の受け手の立場から、シンプルで分かり
やすい体系に整理したい」と説明する。 今後は再編した警報や注意報の趣旨を
どう浸透させ、災害から命を守る行動につなげるかが課題だ。
24年2月の住民へのアンケートでは5段階の警戒レベルの意味を「理解している」
と答えた人は42%だった。 検討会委員からは「運用開始から5年ほど経過し
ているのに(認知度が)低い」と厳しい指摘があった。
米国でも同様の問題に直面している。 米国立気象局は細分化していた警報や注意
報の種類を減らすために簡略化を進めてきた。 勧告、注意報、警報の3種類の
アラートを発表していたが、24年以降に注意報との定義の違いが分かりにくい
として勧告の使用はやめる予定だそうだ。
青森中央学院大の“中村准教授(地域防災)”は「気象庁の現状の防災気象情報は複雑
で、今回の見直しは一定の評価ができる」と指摘。 「混乱を避けるためにも
国は様々な方法で情報の周知を徹底する必要がある」と話している。
「高潮」の4パターンに整理し、それぞれの警戒度を5段階レベルで示す。
現在は多様な情報が乱立し「複雑で分かりにくい」との指摘があった。 危険が伝わ
りやすい形に見直し、適切な避難行動につなげる。
防災気象情報に関する有識者の検討会(座長・矢守京都大教授)は14日、見直し案を大筋
で了承した。 6月をめどに最終案をまとめ、数年後に新たな情報の運用を始める。
現在、避難情報は特別警報や警報、注意報に加えて「土砂災害警戒情報」や河川の
「氾濫危険情報」、「高潮氾濫発生情報」なども存在する。 避難行動と関わらな
い「低温注意報」などで40以上。 住民の避難と関わるものだけで20近くに上
る。 2019年には5段階の警戒レベルも導入。 最も危険なレベル5から1ま
で数字で災害リスクを示し、既存の避難情報を改廃せずに振り分けた。 土砂災害
の場合、レベル5は「大雨特別警報」、レベル4は「土砂災害警戒情報」、レベル
3は「大雨警報」となった。 名称だけではどちらが危険なのか判断しにくく、結
果として理解は深まらなかった。
気象庁が22年1月、20~70代の男女2000人に実施したアンケート調査(複
数回答)でも、55%が「情報の種類が多すぎて分かりにくい」と回答。 「どれが
避難判断の参考となるのか分かりにくい」と答えた人も48%に上った。
検討会では22年1月から防災気象情報の
見直しを議論。災害の種類を洪水、大雨、
土砂災害、高潮の4つに分類した上で、名
称は特別警報、警報、注意報に再編する案
などを検討している。 土砂災害は「レベ
ル5土砂災害特別警報」「レベル3土砂災
害警報」などと改める。警戒レベルと情報
の名称を併記する。
レベル3と4をいずれも「警報」でそろえるか、レベル4のみ新名称の「危険警報」
とするかなど有識者の意見が分かれた点があり、具体的な名称は座長に一任した。
気象庁は「住民や自治体など防災気象情報の受け手の立場から、シンプルで分かり
やすい体系に整理したい」と説明する。 今後は再編した警報や注意報の趣旨を
どう浸透させ、災害から命を守る行動につなげるかが課題だ。
24年2月の住民へのアンケートでは5段階の警戒レベルの意味を「理解している」
と答えた人は42%だった。 検討会委員からは「運用開始から5年ほど経過し
ているのに(認知度が)低い」と厳しい指摘があった。
米国でも同様の問題に直面している。 米国立気象局は細分化していた警報や注意
報の種類を減らすために簡略化を進めてきた。 勧告、注意報、警報の3種類の
アラートを発表していたが、24年以降に注意報との定義の違いが分かりにくい
として勧告の使用はやめる予定だそうだ。
青森中央学院大の“中村准教授(地域防災)”は「気象庁の現状の防災気象情報は複雑
で、今回の見直しは一定の評価ができる」と指摘。 「混乱を避けるためにも
国は様々な方法で情報の周知を徹底する必要がある」と話している。