二銭銅貨

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天国と地獄/日生劇場(二期会)2019

2020-01-03 | オペラ
天国と地獄/日生劇場(二期会)2019

作曲:オッフェンバック
指揮:大植英次、演出:鵜山仁
美術:乘峯雅寛、衣裳:原まさみ
演奏:東京フィル
出演:
プルート:渡邉公威
ジュピター:三戸大久
オルフェ:山本耕平
ジョン・スティクス:相山潤平
マーキュリー:児玉和弘
バッカス:志村文彦
マルス:的場正剛
ユリディス:高橋維
ダイアナ:廣森彩
世論:塩崎めぐみ
ヴィーナス:中野瑠璃子
キューピッド:熊田アルベルト彩乃
ジュノー:三本久美子
ミネルヴァ:吉田愼知子

美術は時計盤や空や雲のようなデザインの絵が描かれた大きな衝立を使った簡素なもの。1920台頃のデザインであろうか。セットはミニマム、芝居はマキシマムという感じ。全般にハチャメチャな感じの芝居で楽しかったが、このオペラはローマ・ギリシャ神話のエピソードが多数出てくるので、ある程度これらの神話に詳しくないと面白さが分からないかも知れない。

出て来る女性がほとんどソプラノというところが特徴。キューピッドの熊田は声が低かったのでメゾのズボン役かと思ったらソプラノだった。ここまでソプラノをそろえたオペラはめずらしいかも知れない。そう言えば、ホフマン物語でもソプラノが3種類出てくる。

山本は張りのある声で良いテノールだった。主要な役のソプラノは、それぞれ安定した強い声で良かった。全員、芝居が良くて楽しい喜劇。演奏も含め、全員元気が良かった。

19.12.24 日生劇場
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貞節の勝利(ベルカントオペラフェスティバル2019)

2020-01-01 | オペラ
貞節の勝利(ベルカントオペラフェスティバル2019)

作曲:スカルラッティ、指揮:アントニオ・グレーコ
演出:ジャコモ・フェッラウ、リーベロ・ステッルーティ
美術:ステファノ・ズッロ、衣裳:サーラ・マルクッチ
演奏:ベルカントオペラフェスティバル管弦楽団
出演:
リッカルド(主人公):迫田美帆
レオノーラ(リッカルドの元カノ):米谷朋子
ドラリーチェ(リッカルド彼女):伊藤晴
エルミーニオ(ドラリーチェ兄):ラッファエーレ・ペー
フラミーニオ(リッカルドの叔父):小堀勇介
コルネーリア(年配のウエイトレス):山内政幸
ロジーナ(ウエイトレス):但馬由香
ロディマルテ(リッカルド友人):パトリーツィオ・ラ・プラーカ

ナポリの旧市街のスカッパナポリが舞台らしく、布を壁に見立てた区画を左右に作り、洗濯物をぶら下げた3~4本のロープを中央から周辺に垂らしていた。布や洗濯ものは白系統か薄いベージュ。

出だしはリッカルドの墓で、そこからリッカルドの孫と息子が50年前にさかのぼって、当時の事件の顛末を目撃するという趣向。2人の黙役が出ずっぱりでこれを演じた。その他、十人前後の黙役が登場して様々な役に扮して踊ったり芝居したりで大忙しだった。歌手の動きも多く、芝居や踊りが多かった。動きの激しい演出で、退屈させないようにしていた。かなりハチャメチャな演出で楽しい喜劇だった。衣裳もカラフルで楽しかった。衣裳や小道具の色を活かすために背景を白っぽくしていたのかも知れない。

迫田と伊藤は強い声の美しいソプラノ、米谷は低い声がしっかり出る安定したメゾ、ペーは熟練のカウンターテナーで高い声が楽々と出て美しい。小堀は安定して美しいテノール。山内はおばさんに扮して楽しい芝居がうまい。声もよし。但馬も低い声が安定しているメゾだが、芝居は真っ赤な衣裳でキャピキャピだったことが印象的だった。プラーカは安定したバリトン。

メンバーの8人はブッファ組とセリア組に4人ずつに分かれているので、喜劇でありながらセリアっぽいところもあるオペラである。様々な趣向の重唱、他重唱が数多くあり、それぞれが聴きどころ。特に最後の方のそれぞれの組による4重唱が楽しい。

演奏はこの公演のために集められた古楽器演奏のメンバーで、しっかりとしたバロック演奏を披露した。歌手とのアンサンブルも良かったと思う。

ヴァッレ・ディトリア音楽祭のプロダクション

19.12.17 ジーリオ・ショウワ
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