二銭銅貨

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ナクソス島のアリアドネ/日生劇場(二期会)2016

2016-12-30 | オペラ

ナクソス島のアリアドネ/日生劇場(二期会)2016

作曲:リヒャルト・シュトラウス 、指揮:シモーネ・ヤング
演出:カロリーネ・グルーバー
装置:ロイ・スパーン、衣裳:ミヒャエラ・バール
演奏:東京交響楽団
出演:
音楽教師:小森輝彦、執事長:多田羅迪夫
アリアドネ:林正子、バッカス:片寄純也
ツェルビネッタ:高橋維、作曲家:白土理香
ハルレキン:加耒徹、スカラムッチョ:安冨泰一郎
トゥルファルデン:倉本晋児、ブリゲッラ:伊藤達人
ナヤーデ:冨平安希子、ドゥリヤーデ:小泉詠子
エコー:上田純子

時代は現代。新国の地下駐車場の楽屋口のような雰囲気の、コンクリ打ちっぱなしのフロアが1幕目。2幕目は披露宴会場のような丸テーブルが沢山ある広間。沢山の登場人物があちこちで何かやっているやや前衛的演出。現代のてんでんバラバラがモチーフなんだろうか?

音楽は所々美しく、演奏は柔らかく滑らかでうっとりするようだけれども、すぐにそれは破られて、忙しい音楽になったりする。2幕目はワーグナーっぽい音楽と忙しいオペレッタの組合せ。1幕目はややオペラブッファぽい。いろいろ混ぜこぜのパロディオペラ。2幕目では男性4重唱と女性3重唱と、ソプラノ2人のアリアが聴きどころ。

小森は渋いサラーマンな感じ。歌もいいけど1幕目しか出ない。林はかなりパワーがある。こちらも渋い。高橋は明るく元気が良い。跳ね回っているし、声も跳ね回っている。歌はどちらのソプラノも難しいそうだったが難なく歌っていた。白土は落ち着いて真面目な感じのズボン役。声量もあった。重唱は男声、女声どちらも、声とアンサンブルが良かった。芝居も良かった。特に伊藤は声と芝居に元気があった。小泉の声も声量があり、落ち着きが感じられた。片寄の声量は圧倒的で、芝居全体がワグナーっぽく引き締まった。すごい。

全体的にカラフルなライプツィヒ歌劇場との提携プロダクション

16.11.23 日生劇場
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後宮からの逃走/日生劇場2016

2016-12-10 | オペラ
後宮からの逃走/日生劇場2016

作曲:モーツァルト、指揮:川瀬賢太郎
演出:田尾下哲、演奏:読売日本交響楽団
美術:幹子・S・マックアダムス、衣裳:前田文子
出演:コンスタンツェ:森谷真理、ベルモンテ:鈴木准
   ブロンデ:鈴木玲奈 、ペドリッロ:大槻孝志
   オスミン:志村文彦、セリム(セリフのみ):宍戸開

後宮、屋敷の中の場面では、横に長い白木のテーブルの足にキャスターを付けて、縦横にこれを動かしまくって場面を作っていた。テーブルもキャストの一部。合唱団や歌手が押したり引いたりして動かしていた。白木の椅子を多数並べて背景とし、背の高い椅子を使って短い階段も作っていた。

森谷は声量がある。鈴木玲奈は声が綺麗で強い。鈴木准も声が美しい。大槻は芝居が明るく楽しい。志村はセリフの声が良く通って芝居がうまい。本物の役者に引けを取らない。本物の役者は宍戸でかっこいい。

このオペラだけでなく、モーツァルトのオペラには寛容が多い。この当時の特徴なのか、西洋文明の特徴なのか、モーツァルト固有のものなのかは分からないけれども、特徴的だなと思う。人はそんなに寛容にはなれないよなと、いつも思う。

日本語セリフによるジングシュピール。

16.11.13 日生劇場
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