二銭銅貨

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13国立劇場1月/夢市男達競/歌舞伎

2013-01-29 | 歌舞伎・文楽
13国立劇場1月/夢市男達競/歌舞伎

夢市男達競(ゆめのいちおとこだてくらべ)

鶴ヶ岡八幡宮の場   
御輿ケ嶽の場
鎌倉御所門前の場
花水橋広小路の場
雪の下市郎兵衛内の場
旭鞆絵夢浮宝船
大磯京町三浦屋格子先の場
同薄雲部屋の場
同台所の場
鎌倉御所の場

菊五郎、時蔵、松緑、菊之助、團蔵、左團次、亀蔵

菊之助は綺麗な相撲取り。強くて優しい貫禄のある横綱、明石志賀乃助。もう一役は遊郭の太夫のお付きの娘、胡蝶。猫の化身で可愛らしい、美しい。両者ともに女性的でもなく、男性的でもなく、中性的でこの世の塵芥からするりと抜けたすがすがしい姿だった。対する悪役の相撲取りが松緑で、こちらは悪役ながらまじめで憎めない。力自慢の大関仁王仁太郎。その他、数々の役柄で随所に出演して出ずっぱりだった。この芝居のエンジン。ちょっと痩せたみたいで、若干貫禄不足になっていたけれどキビキビ動いて元気良かった。声もややかれ気味で、タフでダイハードな雰囲気だった。

亀蔵のコミカルな悪役、團蔵の渋い気合の入った悪役の2人は芝居が良くて楽しかった。いい役者たちだ。菊五郎、時蔵はいつもどおりの貫禄。若手では萬太郎が冒頭の源頼家を難なくこなして若々しく、梅枝の若侍、右近の新造(若い遊郭の女郎)八重垣も元気よく溌剌としてた。

パーッと明るく元気に、七福神も出て賑やかに。初芝居。

13.1.19 国立劇場
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ノイローゼ患者の一夜/内気な二人/国立音大2013

2013-01-28 | オペラ
ノイローゼ患者の一夜/内気な二人/国立音大2013

作曲:ニーノ・ロータ、演出:中村敬一
指揮:河原忠之、演奏:国立音大学生のオーケストラ
出演:
ノイローゼ患者の一夜
 ノイローゼ患者:小鉄和広
 フロント係:森田学
 退役軍人社長:青柳素晴
 カップル:大間知覚、小林菜美

内気な二人
 靴職人:久保田真澄
 マウリッチァ:松原有奈
 ライモンド:井ノ上了吏
 グイドッティ夫人:岩森美里
 シニズガッリ医師:大間知覚
 マウリッチァの母:与田朝子
 ペンションの客室係ヴィットーリオ:須藤慎吾
 ルチア:田宮実香、マリア:岩水美稚子、リーザ:中川香里

国立音大のオペラ演奏研究部門の研究成果発表公演。前半は去年と同じオペラの再演。キャストは小林菜美以外は去年と同じ。演奏が去年の管楽器主体のものからフルオーケストラに変わった。より演奏が豪華になって迫力がアップした。後半は叙情的な部分が多いニーノロータらしさをたくさん感じる多彩で美しい音楽。後半の台本はスーゾ・チェッキ・ダミーコで「自転車泥棒」や「ベリッシマ」などの脚本家。

小鉄、青柳、久保田をはじめ歌手のみなさんは、みな安定して声量のある歌で迫力があった。大間知と小林による重唱や、前半最後の5重唱、松原と井ノ上の重唱なども迫力のあるアンサンブルで良かった。岩森の独唱は大音量のオーケストラに負けない力いっぱいの熱演で、途中拍手のあるようなオペラではないにもかかわらず大拍手をもらっていた。後半の冒頭ルチア、マリア、リーザによる三重唱もきびきびとした歌ですがすがしかった。

美術は低予算な骨組みだけの簡単なものだったけれども、様々なアイテムを準備して、それなりにそれっぽい感じにはなっていた。演奏はメリハリのある強力な演奏。またニーノロータらしい優美で美しい音楽もたっぷりとあって、嬉しい楽しい。

観客は8割近く入っていたように思う。カーテンコールも結構長く続いて大満足のようだった。

12.01.13 国立音大講堂大ホール
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マリー・アントワネットに別れをつげて

2013-01-27 | 洋画
マリー・アントワネットに別れをつげて ☆☆
Les adieux a la reine
2012 フランス・スペイン、カラー、横長サイズ
監督・脚本:ブノワ・ジャコー
原作:シャンタル・トマ
出演:(朗読係)シドニー:レア・セドゥー
マリー・アントワネット:ダイアン・クルーガー
ポリニャック夫人:ビルジニー・ルドワイヤン
ルイ16世:グザビエ・ボーボワ
カンパン夫人:ノエミ・ルボフスキー

晴天に輝く黒い衣裳、
若い船頭、
イタリヤ風の誘惑。
黄金に輝くベルサイユの装飾、
その金を背景に立つ黒いドレスのシドニー。
夫に別れを告げる王妃のドレス、
白地に薄青色、
フランス国旗の色合いから赤を抜いたアンサンブル、
鈍く光る。
黄色味がかった緑のドレス、
ポリニャック夫人。
王妃と夫人は、
その緑の意味を様々に語り合う、
上流の階級。
薄い紫地に濃い赤紫のストライプ、
庶民的な衣裳のシドニー、
王妃への謁見。
シドニーの心には、
王妃への強い思いがさかんに燃えている。

現代の若い女性がマリー・アントワネットに恋焦がれて、ポリニャック夫人に嫉妬して、何かを夢想して、王妃の寵愛を得たい、王妃に添い寝したい、あわよくば王妃そのものになりたいと思うとすれば、あんな風な事なのかも知れない。彼女は、最後にはその黄色味がかった緑のドレスを着て馬車に乗り、王妃になりきって、王妃に心酔して革命を起こす農民たちに手を振ります。映画自体は、王室の使用人たちの視線から、当時の混乱の様子を淡々と描写した感じの作りの映画だった。

色の美しいアンサンブルが強く印象に残った。最後はあっさりと終わって、やや難解。何故シドニーが農民たちに手を振っていたのかが分からない。この場面をどう理解するかで、この映画の見方が決まるように思える。

13.01.05 ル・シネマ
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