二畳庵庵主の戯れ言

一輪の桜に従い野に。ついに2015年、人生の第三ステージの場・高知に立つ。仁淀川に魅せられたオヤジの戯れ言日記。

ヒグラシと山

2016-08-02 06:56:45 | 徒然に想う

暑くて寝付けぬ、扇風機の音もうるさい。何度寝返ったことか。そのドタバタに喉の渇きを覚え、水飲みに階下に。あれ? 涼しい。布団に戻り、扇風機を切る。静かに外から入ってくる空気を待つ。ついでに、川の音に耳を澄ます。いつの間にか寝入った。

《扇風機 止めた手の甲 撫でる夜気》

目覚まし、鳴る。ストレッチをしていると、4時半。先月下旬から、この時間から40分、50分間、ヒグラシの独壇場。中旬は、ニイニイゼミが邪魔してた。もちろん、ニイニイゼミがいけないわけじゃない。ヒグラシを楽しみたいだけ。聞いてると、心静か。カーテン開けば、対岸の山まだ黒く、街灯の点々とし、さらに心が落ち着く。

この町の北部に、黒森山というのがある。その山頂に雲がかかると、雨が降ると地元のオンチャンが教えてくれた。それを見てるだけでは、「降る」と言い切れないが、毎日見るのが癖に。果たして、それだけ? ある夕暮れ気付いた。山頂の形が、台形になってる。富士山を見てる、らしい。隠してた秘密、ホームシック? いえいえ、そうじゃない。血の中にある形、忘れようがない。

もう一つ、秘密。ヒグラシが歌い止むと、あたりはまた静かになる。2時間ほどか、谷に、対岸の山に、集落に朝陽が差し込むまでのこと。行きとし生きるものがその日の暑さを覚悟するかのような時間帯。ちょっと不思議な静けさ、それが今日何をどう片付けようなどと考える時となって。ヒグラシや山に日々助けられてるこの幸せ、感謝。




今日の一枚:昨日の夕暮れ、浅尾の沈下橋。18時20分頃。