粒子は細かいが、水っぽい。アスファルトにまだ積もる様子はない。降り出したばかりであるまいに。さすがに春の雪。
切り通しに向かう道に入ると…。そうか、車が頻繁に通る通らないの差か。薄いベールのように積もってる。
やがて、片栗粉をギュッと握った時の音に似たのが足下からし始める。…コ、コッ、ギュッ。コ、コッ、ギュッ。ギョッ、ギョッ。コォ、コッ、ギュッ。コ、コッ、ギュッ。…
思わず、ガッツポーズ。カワセミの川の遊歩道、公園、遊水池と一番乗り! 誰ひとり歩いてない。
酔狂者はどこにでもいる。なんと遊水池から土手に上がると足跡。その上、うっすら新雪がかかってるから、庵主より前に歩いてる。
犬の、もか…。すると、最近よく挨拶交わす小父さんの仕業? どっか、悔しい。
…コ、コッ、ギュッ。コ、コッ、ギュッ。ギョッ、ギョッ。コォ、コッ、ギュッ。コ、コッ、ギュッ。…
ギュッ、ギュッ。階段、登って。ギュッ、ギュッ。ギュッ、ギュッ。
お参りがすんで気が付いた。狛犬さんたち、震えてる。小さい狛犬二匹、頭に積もった雪を素手でサ、サッ。サ、サッ。
…
神社を出るとき、背中の方から小さなクシャミ一つ。あれ、帽子を外してしまった、かね。
今日の一枚:神社の狛犬、朝五時十分頃。これは大きい方、手が届かない。