雪の朝ぼくは突然歌いたくなった

2005年1月26日。雪の朝、突然歌いたくなった。「題詠マラソン」に参加。3月6日に完走。六十路の未知の旅が始まった…。

題詠blog2011出詠歌①(001~050)

2011-09-11 23:23:16 | 題詠blog2011

(001:初)―<今は亡き敬愛する詩人を偲びて>消えかかる初心を守りその日まで生きてゆかむかばかものとして
(002:幸)威を借るもへつらひ為すも無縁なる幸こそ吾の宝にあらめ
(003:細)いと細き見えぬ流れも絶えざれば大河とならむ人世のことも
(004:まさか)八百長の動かぬ証拠出でにけり土俵揺るがすまさかまさかの
(005:姿)世も末と思はぬでもなし愛猫の空に腹向け眠る姿に
(006:困)この国にふたたび生れし困民のいまだ挙げざる世直しの声
(007:耕)吾が裡に耕す余地のなほあらむ六十路が坂の終はり見えれど
(008:下手)―<彼の柳宗悦なくば>暮らし生む下手の美をこそ究めけれ類稀なる具眼の人は
(009:寒)父逝きし都の冬は寒かりき戦終はりてわづか五年の
(010:駆)電網を民が駆使せる革命の起きうる世をば誰想ひけむ
(011:ゲーム)愚かにもわれら選びぬ滅びをばマネー・ゲームとパワー・ゲームの
(012:堅)独裁の果ての果てにぞ堅牢の極みももろき民の怒りに
(013:故)権力を貪る故の悪相をさらしあがきぬムバラクの徒ら
(014:残)残さるる者にとりてはゴミならむ手放しがたき蔵書の山も
(015:とりあへず)口軽き元の首相の言の葉はなべて方便とりあへずとぞ
(016:絹)人絹も近江絹糸も死語なれど日々に新し貧困の二字
(017:失)成功は失敗の基と言ふべきか金力権力求むるかぎり
(018:準備)万端の準備整へ臨むこと乏しかりけむ吾が人生に
(019:層)深層に何眠りゐて奇怪(きつかい)な夢にうなさるひと老いてなほ
(020:幻)幻想に終らぬことを祈りつつ遥かな民の起つを喜ぶ
(021:洗)鎌倉の弁天様も嘆かれむ汚銭洗浄横行の世を
(022:でたらめ)まつたうとでたらめの差の思ふほど大ならざるを知るぞかなしき
(023:蜂)民起つの連鎖恐るる隣国の首脳浮かべむ蜂起の二字を
(024:謝)幹部らの薄き頭の映りゐる謝罪風景日々にうとまし
(025:ミステリー)拝金の極まる国のなほ名乗る社会主義こそミステリーなれ

(026:震)地の震へ海の狂ひて追ひ討ちにふるさと襲ふ核の魔物の
(027:水)フクシマを水に流せぬ過去にせむ胸底深く刻みきざみて
(028:説)説かれ来し神話の果てにふるさとは荒野と化しぬ核に侵され
(029:公式)直ちにはただちにはとふ公式の説明酷し核の汚染に
(030:遅)遅々として収束見えぬ核事故に姿隠せりエセ学者らの
(031:電)アシヲ超えミナマタ超えてフクシマを奈落に変へぬ電力会社の
(032:町)大熊も双葉・浪江も富岡も町(マチ)にしありて町(チヤウ)にはあらず
(033:奇跡)復興の奇跡ふたたびありえむやわがフクシマにヒロシマのごと
(034:掃)ニンゲンのエゴのエゴたるゲンパツを一掃せよとフクシマ命ず
(035:罪)その罪の万死億死に値せむ山河暮らしを核で奪ふは
(036:暑)酷暑をば原発なしで越せるかとわれらを脅す懲りぬ輩は
(037:ポーズ)場当たりのポーズにあるやさあらずや総理にほはす脱原発の
(038:抱)抱擁もままならぬ日々送りゐむ愛する者ら核に追はれて
(039:庭)何気なき雑草(あらぐさ)繁る庭隅に潜み待ちゐむ見えぬ魔物の
(040:伝)伝へてよ誰かカツヲに今年まづフクシマ沖は避けて泳げと
(041:さっぱり)フクシマの安全説きし教授らの姿消え去れきれいさつぱり
(042:至)事ここに至りてなほも原発の延命図る金の亡者ら
(043:寿)曽祖父の半谷清寿(ハンガイセイジユ)が植え初めし桜咲きけり核の荒野に
(044:護)われら見ぬ安全・保安の名を騙り民のいのちを護らぬ者らを
(045:幼稚)日々核を浴びつ吸ひつつ暮らしゐむ今フクシマに幼稚園児らも
(046:奏)―<近藤浩平作曲「海辺の祈り~震災と原子炉の犠牲者への追悼・作品121」に寄す>バスーンの奏づる深き鎮魂の曲生ましめぬ三一一は
(047:態)次々に<過酷事故>をば後出しでさらりと明かす態度悪みぬ
(048:束)収束の果たしてあるやフクシマに山河暮らしを旧に復する
(049:方法)核ゴミの処理方法も知らずして吾ら愚かにフクシマ迎ふ
(050:酒)酒酌めば話尽きざるふるさとを核に追はれし幼馴染と



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