雪の朝ぼくは突然歌いたくなった

2005年1月26日。雪の朝、突然歌いたくなった。「題詠マラソン」に参加。3月6日に完走。六十路の未知の旅が始まった…。

051030 日々歌う

2005-10-30 11:50:09 | 日々歌ふ
十七の庄司紗矢香に魂震ふ正しかりたり吾が耳・心

聴く度にその天才を知りたるの喜び溢る庄司紗矢香は

難曲のプロコフィエフのソナタ聴きわれ陶酔せり庄司紗矢香に

身の硬き少女はいまや全身で音を捕へぬチョン・キョンファのごと

オケ振りしチョン・ミョンフンと目を会はせ笑みつ弾きたり庄司紗矢香は

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051029 日々歌う

2005-10-29 23:58:43 | 日々歌ふ
二列目で庄司紗矢香の天才を仰ぎて聴けり仰ぎて見たり

妖しくも謎めく笑みを時おりに見せつ奏でし庄司紗矢香は

姉君と庄司紗矢香のいずれ取る悩みもあらむチョン・ミョンフンの

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051027 日々歌う

2005-10-27 23:42:49 | 日々歌ふ
仰ぎ見しハナミズキをば飾る実のかくも赤きを吾は知らずも

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051025 日々歌う

2005-10-26 01:13:33 | 日々歌ふ
雪虫の舞ふにはあらず乱舞して北国に雪降り初めにしと

トドノネオオワタムシなる本名に雪虫の謎つひに解けゆく

とど松の根汁を吸ひし虫たちは綿のごとくに宙を舞ひけり

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051024 日々歌う

2005-10-24 23:45:49 | 日々歌ふ
雪降るの先触れならむ白く舞ふ小さきものよ雪虫といふ

雪虫の白く舞ひ飛ぶふるさとの虚空を見上ぐる吾の幼き
(虚空=そら)

泣き虫と癇の虫など飼ひをれる幼きわれの雪虫を追ふ

函館に生れし若者よろこびて雪虫食みしきのふを語る

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051023 題詠マラソンから

2005-10-23 17:58:54 | 題詠マラソン2005から
【29274】 010:線路 どれほどの会話が風になったろう道路と線路まじわるところ(佐藤弓生)

 踏み切りを「道路と線路まじわるところ」と表現したところが、まずとても新鮮です。
 遮断機が降りた踏切にはしだいに人が溜まっていき、会話をしながら電車の通過を待つ人たちもいます。
 そこに電車がやってきて、轟音とともに風を巻き上げながら通っていきます。
 その瞬間、もう誰の会話も聞えません。
 これまでにいったい「どれほどの会話が風になったろう」。
 ほんとうにそうですね。
 
 踏切が悲惨な事故の現場ではなく、せめて人びとの「会話が風に」なるところであり続けますように。

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051023 日々歌う

2005-10-23 12:07:25 | 日々歌ふ
花咲けば実もなるものか吾が無知よ楠の葉群れの橋に迫りて

楠の樹名(な)を妹わからぬに一葉を手折り渡しぬその香嗅げよと

いち早く紅葉(もみじば)揺らす数本の唐楓なるや異国の風に

新緑と見まがふほどのやはらかな黄に染まりゆく公孫樹目に染む

人気なき広場の真中曇天を照らして咲ける黄花コスモス

やうやくにイサム・ノグチに近づけば妹の声挙ぐ券を忘ると

懐かしさ憧れのみの募りしか規模の小さきイサム・ノグチ展

懐かしきロングアイランド憧れの牟礼・モエレ沼イサム・ノグチよ

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051022 日々歌う

2005-10-23 01:42:56 | 日々歌ふ
同僚の若き歌人は寄り来りイサム・ノグチを観しと囁く

アメリカでイサム・ノグチをわれ観しと知りて羨む若き歌人は

歌なれば音・リズムだと子らに説く大松達知歌人として

漱石も英語教師で俳句詠む 大松達知は短歌(うた)詠みにして

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051020 日々歌う

2005-10-20 17:32:22 | 日々歌ふ
成田から昨夜(きぞ)と変はらぬ待ち人の海を渡れる声の届きて

魚沼の新米(あらごめ)使ひ手巻きして旅より帰る妹迎へむか

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051019 日々歌う

2005-10-19 18:15:35 | 日々歌ふ
侵略に美学あるごと丈高く泡立草の黄に咲き乱る

路地裏の秋の深きに青く咲くまがふかたなきアガパンサスの

                *

トロントが隣町かとまがふほど近き声告ぐ明日帰ると

カナダではテレホンカードが安きゆえ電話せりとて声の弾みぬ

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