リッスン・トゥ・ハー

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妄想だけじゃだめですね

2011-01-20 | リッスン・トゥ・ハー
「ダメダメ」

「ダメですか?」

「全然よ」

「でも妄想は偉大ですよ」

「そら妄想の偉大さはわかるけども、それに頼るだけではダメ」

「そうですか」

「もっと具体的なビジョンを見せてもらわないと」

「具体的なビジョン?」

「例えば、そのふかし芋の色を正確に言うと?」

「黄色」

「黄色にもたくさんあります」

「オレンジに近い黄色」

「もっと、もっときて!」

「きて、ってやめてくださいよ」

「具体的に具体的にさあ」

「白っぽいのも点々とありますね」

「そう、いいかんじよ」

「湯気がふうわと上がっています」

「いいじゃない、だいぶ具体的になってきたわ」

「妄想とそうかわらないです」

「いいえ、すごく違う、だって私はお腹がすいてきたんだから」

「つる子さん、食いしん坊ですね」

「違うわ、これは具体的に責めてきたからこそ、私の胃袋が具体的に行動しだしたの」

「そうすか」

「さあこの調子でもう少し具体的に具体へもっていきましょうか」

「わかりました」

「味、カモン!」

「味は甘い」

「もっと、もっときついのが欲しいよ」

「栗のようです」

「ほうほう」

「ほくほくしています」

「それで、喉に?喉に?」

「詰まりそうです?」

「イエス!&スプラッシュ!」

「いや、意味が分かりません」

「はあ、はあ、なかなかいい具体持ってるじゃない」

「変態じゃないですか」

少女は昨年10月、男友達との電話で、

2011-01-20 | リッスン・トゥ・ハー
どうしてそんなことしちゃうのでしょう。いけないよ、あたしは叫びます。だけど、かまうものかと少女は首相と寝ました。いろんなことをしたりされたり、赤面しちゃうようなことも全然平気にしたんだって。むしろノリノリで少女はそういうのが好きなんだって。いつもやってるって。もう信じられないから、あたしは知らないって閉じこもります。蔵に閉じこもって冬を越そうと思っています。蔵の中には着物はたくさんはいっていますし、保存食が結構あるからなんとかなりそう。アルプスで冬を越すより全然余裕です。探さないでください。絶対に探してはいけませんよ。あたしは蔵に閉じこもるんですから。春になったらまたお会いしましょう。

春はまだ遠いようです。風の噂で聞きましたが、全然来てないそうですね。困りましたね。蔵の食料も尽きてきました。あたしはここで餓死するのでしょうか。餓死は一番したくない死に方でした。けれども仕方ありません。あたしは受け入れるつもりですとも。食べるものがないのだから仕方ありません。蔵から出る時は春になる時、春にならない今出るわけにはいきません。蔵に差し入れをしてくれるのは歓迎ですが、はたしてこの中まで入って来れるから。君にこの暗闇の中で手探りであるいてこれるかな。この容赦ない暗闇ときたら、足を踏み入れたとたん、絶叫してきて、恐怖心というのがわき起こってくるのでそれ以上進めなくなるんでしょう。

差し入れは歓迎します。とくにMr.ドーナツがあたしは好きです。とびきり甘いのがいいです。エネルギーを補充しないといけませんのでね。チョコレートコーティングされている脂っこいのをいただきたいと思います。ぜひお越し下さい。