リッスン・トゥ・ハー

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昨年夏に発生したラニーニャ現象が、春

2011-01-12 | リッスン・トゥ・ハー
「春子ちゃん」

「なに?つる子さん」

「ラニーニャ現象がドアの外にいる、って」

「って誰に言われたんですか?」

「お天気のおにいさん」

「片平さんですか?」

「そんな名前やったと思う」

「ラニーニャ現象のことを話していたと?」

「駄洒落を絡めてね」

「片平さんは絡めがちですよね」

「ラニーニャ現象きたる、ああ、だりーなぁ、って」

「うわぁ」

「私も、うわぁ、って言うたよ、私も、うわぁ、ていうたからね」

「何でそんな必死なんですか」

「感心なんて絶対してないから」

「してましたか。まあ、きてるんですね?」

「きてるって」

「暑くなるってことですかね」

「ならないようにおもてなしをしましょう」

「居着かれたら困りますよ」

「歓迎されたら気分よくすぐにどこかにいってくれるから」

「性善説!」

「ラニーニャ現象を信じてあげよう」

「はいはい」

「ピザでええ?」

「いいんじゃないですか」

「じゃあ注文します」

「はいはい」

「ピザ久しぶり!」

「そうですね、つる子さん」

「なに?」

「ピザ食べたいなら普通に言ってくださいよ」

「はーい」

蟻族と鼠族

2011-01-12 | リッスン・トゥ・ハー
アリンコ、って言われたんであたしは怒っている。あいつはなんの権利があってあたしのことをアリンコ呼ばわりしたんだろうか。いくらあたしが決して言い返さないからって言っていいことといけないことがある。それは守らないといけない。絶対に守らないといけない。しかも人前で言って、あたしを辱めた。そうやってあいつは気持ちよくなっているんだろうか、あたしを辱めてもてあそんで楽しんでいるのだろうか。それがあいつの唯一の楽しみなのなら、あたしだって、我慢してやらんでもないけど。いいや、たとえ唯一の楽しみでもあたしは我慢できないから。人としての尊厳を、あたしだって持っている。あいつだって持っているはずだ。それを傷つけられたらそれは生きていけないことになるじゃないか。突き詰めて考えればすぐにわかるはずなのに。深く考えていないんだ、絶対にあいつは深く考えずに、ただ、気分で、あたしがアリンコみたいに黒っぽい服装だったから、ちょっとシックに、大人ぶってみただけなのにそれを馬鹿にして、もう許さないから。あいつ大嫌い。大嫌い大嫌い。

とつる子さんに話したら、ンコってつけるところに春子ちゃんは愛されとるような気がするけど、て言われて、違う、絶対それは違う。と思う。いや、気があるからいじめてしまうみたいな複雑な感情なんやろ男子ってもんわ。春子ちゃん、私ぐらいになったら、その駆け引きが手に取るようにわかってくるわけ。

ええ?そうなのお?