リッスン・トゥ・ハー

春子の日記はこちら

全然ととのわないです

2011-01-31 | リッスン・トゥ・ハー
「ととのわしてよ」

「しかし、そう簡単に整ったらマネーは動きませんよ」

「そういわずに」

「わかりました、じゃあ、整わせましょうか、えい」

「整った?」

「整いました」

「で」

「真鍋側が動いたようです」

「川島側ではなく?」

「真鍋側です」

「ほうほう」

「真鍋側は急いでいたようです」

「なにを?」

「一生生活をともにする」

「つまり結婚ということね?」

「そうですね」

「焦っていたわけね」

「そう、真鍋側はあせっていた、モウ待てんよ、という声もあった」

「真鍋側に?」

「はい、対して川島側は、まだまだ、私は納得してません、という声があった」

「なにを納得してないんだろうか?」

「真鍋側の寝言でしょうね」

「寝言?」

「真鍋側は、まるさんかくしかく、と寝言を言いました」

「意味はわかりませんけども、そもそも真鍋側の寝言を何で知ってるの?」

「それはあたしがすごく有名な占い師だからですよ」

「春子ちゃん、占い師じゃないやろ?イルカの調教師やろ」

「イルカの調教師でもないです」

「でもイルカ飼っとるやろ?」

「飼ってないです」

「イルカ飼おうよ」

「飼いません」

「じゃあキタキツネ」

「飼いません」

「じゃあシマリス」

「飼いません」

「いじめがいのある男」

「・・・飼いません」

浮き球のパス

2011-01-31 | リッスン・トゥ・ハー
今年はほんま降りますわ、雪。積もりますわ。スキー場は大爆笑やね。タイヤ業界もね。私はスノーボードはしないのだけど、スキーは昔はちょっとはしてて、一通り滑れるんで、行こうと思えば行ったらいいよ。白銀世界はきれいだけど、かなり疲れるんで、あまり行く気もないけれど、さらに日に焼け方が海よりもひどい。反射するからね。雪に太陽光が反射して皮膚の内部にまでねじり込んでくる感じ。ひどい目にあったこと数あり。私はもう懲ったわ。

すごいスピードで滑走するんは、セックスよりも気持ちいいもんで、もしかすると爆笑をとったのに似ているかもしれない。私はそんな経験なくて、想像するしかない。お笑いの人が爆笑奪うと気持ちいいというのを聞いて想像するしかないけれども。たぶんそうなのだろう。一気に降りるからね。何キロ分も一気に。立ち止まることなく一気に。それはそれはすかっとするわ。いろんな色のウェアをびゅんびゅん追い抜かしていく。私は上手じゃないけれど、そのできるかぎりのスピードで滑り降りるから危険です。よけてください。私が通りますのでさあよけてくださいな。

年に一度ぐらいはスキーに行ってもいいかな。スノーボードは今更始める気はないわ。浮き球なら確実にゴール決めるて。

小指の付け根

2011-01-30 | リッスン・トゥ・ハー
「今すぐに確認を!」

「なんでですか?」

「爆弾予告がありました」

「まじですか?」

「まじです」

「どこにあったんですか?」

「うちの電話にありました」

「どこが爆破されるんですか?」

「小指の付け根」

「まさかの」

「小指の付け根」

「確認を!」

「手ですか?足ですか?」

「つべこべいわずに小指の付け根をみなさい」

「わかりましたよ、大丈夫です、爆弾ないです」

「ということは、私か」

「いや、予告がいたづらでしょ」

「いやいや、私だ、私の小指の付け根が爆破されるんや」

「大丈夫ですよ、だいたい仕掛けられたときに気づきますよ」

「眠っとるときに仕掛けたかもしれん」

「気づくでしょうよ」

「私のレム睡眠をなめるんやない」

「熟睡しはるんですね」

「死に一番近い形やね」

「はあ、それはうらやましす」

「そうでもないわ、なにをされても起きんのやからね」

「なにをされても?」

「服脱がされても」

「いや、いいです、聞きたくないです」

「一部始終をビデオ撮影されて」

「だからいいです、暗い過去は知りたくないです」

「こんなこと話せるの春子ちゃんだけだから」

「わかりました、なんでも話してください」

「うん、子どもの頃になりたかったのはもんじゃ焼きです」

「珍しい子だったんですね」

めるデモ

2011-01-30 | リッスン・トゥ・ハー
めるデモからおいしいヨーグルトをいただいたので、冷蔵庫に入れておいたら、つる子さんに食べられた。あたしがあれほど、食べる時はちゃんと断ってから食べてくださいって言ってるのに。黙って食べてしまうつる子さんが信じられません。つる子さんは欲望のままにヨーグルトでもプリンでも食べてしまうから気をつけないといけません。冷蔵庫の奥の奥の秘境部分にそっと忍ばせておいても、必ず見つけ出して食べてしまう。その調査能力をもっと世の中のために使ってほしい。あたしがどれだけ楽しみにしていたか全然わかっていない。

いや、いつものヨーグルトやプリンなら、そこらのスーパーマーケットやコンビニエンスストアで買ってきたそれなら別にもう何も言いませんよ。あきらめの境地です。しかし、今回はめるデモからもらった特製のヨーグルトです。そんなもの別格に決まってるじゃないですか。さぞおいしかったんでしょうおいしかったんでしょう、とつる子さんに聞いても、そういえばおいしかったような、って全然感動がない。そんな人に食べてほしくない。あたしなら隅から隅までしっかりと味わってめるデモにちゃんと感想メールを送るのに。つる子さんは全然そんな気がない。いやいや。

今夜はお鍋です。塩豚の白菜鍋です。豚は塊で購入したものを塩につけて一晩置いてください。それを切り分けて酒と水を半分づつ入れてにんにくをつぶしてひとかけ、鷹の爪を放り込み、ぐつぐつ煮ましょう。それだけで奇跡的なおいしい鍋ができあがりますよ。

真夏の雨/僕の住んでいた街 [初回盤]/くるり

2011-01-30 | 若者的図鑑
真夏の雨にはくれぐれも気をつけましょう。

何しろ暑いから、そのほてった身体を冷ましてくれると思いきや、意外にもつめたくなってしまい、風邪を引いてしまう。2、3日寝込んでしまったら、すっきり良くなると思います。オレンジジュースをたっぷり飲んでください。

穏やかに展開されるメロディやリズムはやさしく身体を打ち付けます。夜明けです。雨も上がるのでしょう。
盛り上がりそうになって、しかしそれほど盛り上がらない絶妙のラインを保ったまま、鋭いカーブを曲がり、8分近くたってたのか、って思います。長さを感じません。単調なのに、印象に残ることなく終わってしまいそう。

イントロが始まるまでの時間で色々考えた。これまでなにをやってきたんだろうか。それは正しいことなのだろうか。間違っていることもたくさんしてきたし言ってきたなあ。

こんな曲があったのか。新たな発見ができる1曲ではありませんか?

赤ずきんちゃんが怒っています。狼に食べられて、人のみで食べられてしまった赤ずきんちゃんは腹の中で怒っています。あと少し待たせてしまったら、狼を内部から食い破いてしまいそう。そんなことになったら、話が変わってくるから気をつけてください。か弱きオトメのはなしじゃなくなってくる。狼だって同情すべき点はありますよ。

赤ずきんちゃんさあ、その怒りを鎮めたまえ。

飼育している中津川市

2011-01-29 | リッスン・トゥ・ハー
「鍵は中津川市にあっり!」

「どうしたの?」

「いいですか、鍵は中津川市にあるんですよ」

「なんの鍵が?」

「このバームクーヘンの中心部についての」

「バームクーヘンの中心部はもともとないよ」

「なにを言ってるんですか?つる子さん」

「だからバームクーヘンは棒に生地を塗りながら焼いていくから中心部はもともとないの」

「いわゆる俗説ですね?」

「バームクーヘンに俗説も通説もないから」

「しかし、独自の調査によってあたしは中津川市にあると知ったのです」

「独自の調査って?」

「それはあかせませんよ」

「インターネットやろ?」

「違います」

「それしかないやろ春子ちゃんの調査って」

「今回は違います」

「じゃなに?」

「渡り鳥に聞きました」

「渡り鳥に?」

「中津川市のほうからやってきた渡り鳥に」

「鳥の言葉知らんやろ?」

「偶然わかりました」

「偶然でわかるもんじゃないで」

「そのときはわかったんです」

「はいはい」

「バームクーヘンの中心部はやはり中津川市のある場所に集められているようです」

「ある場所?」

「そこに集められ、食べられるようです」

「食べられる?」

「好物らしいですね」

「誰が食べるの?」

「いわゆる富豪ですね」

「金持ちが?」

「おいしいところをまんまと食うわけです」

「でも、全国のバームクーヘンが集められるんでしょ?」

「やってきますね」

「すごい量やろ?」

「すごい量です」

「とても食べきれんよね?」

「富豪をなめたらあかんぜ」

「食べるの?」

「なんのための恰幅だと思ってるんですか?」

「中心食うためやったんか!」

「富豪も楽じゃありません」

「ははー」

れる感覚

2011-01-29 | リッスン・トゥ・ハー
みんなが私を責めてくるので逃げ出した。何で私がそんなに責められなければならないわけ?私がなにをしたって言うの?私はなにもしてません、まったく何もしてへんやんか、第三者に聴いてみればええわ、絶対に私が正しい自信があるわ。私を責めてねどうする気なの、いったい?私を弱らしたんか、弱らして惚れさせるんか?そんなんで惚れるかい阿呆。私は叫びますよそりゃ、いい加減にしてほしいものですわ。すわ。たしかに私は並ばない、列をどんどん抜かしていきますよ、だからってそんな顔をすることない。絶対に違う。私は自分の信念を持ってやっとるわけ。思いつきで行動しとるわけではありませんから。その辺はしっかりとおさえておいてくださいね。

銀行のあーてーえんですよ。お金を出す機械。魔法のような機械。急いでいたものです。私はすごく急いでいて、どうしようもないぐらい焦っていて、だから列があったけれど、それはそれとして、たまにはいいじゃない。いつもは並びますよ、ちゃんとならびますよそれはもちろん。私は破壊神でも阿修羅でもないんだから、それは一般的な妙齢の女性なんだから、しっかり並びますよ。しかし、しかし今日は急いでいたわけ。急がないと、怒られるもん。めちゃくちゃ怒られるもん。私は怒られたくない。

誰がなんと言おうとね、怒られたくないわけ。だから抜かしましたよ。仕方なく。泣く泣く。で、それが悪いんですか?だったらもうお手上げや。勝手にせい。もうあげないからね、この餃子あげないから。

パンに衝撃が走った

2011-01-28 | リッスン・トゥ・ハー
「なんなんですか!」

「どうしたの?」

「このパン!」

「パンがどうしたの?」

「ちょっと食べてみてください」

「え、これを?何の変哲もないパンやけど」

「どうですか?」

「うーん、食べても何の変哲もな、!、きよった!衝撃がきよった!」

「そうでしょう」

「なんやこれは、このパンは、まるで薔薇のような風味がきよった!」

「最初はそうなんです」

「最初は?まだなんか潜んどんの?」

「やがてやってきますよ」

「ええ、薔薇の風味で度肝抜かれとるのに、て!きよった!衝撃再び!」

「きましたか」

「薔薇とおもとったら、とたんにもらいゲロや!もらいゲロの酸味や!」

「いや、もらいゲロではないです」

「いいやこれはもらいゲロよ」

「もらいゲロやったら最悪なパンやないですか」

「いいや、この酸味が癖になる、癖になっている」

「違いますよ、正解は、薔薇の次はピザです」

「誰がなんと言おうが、もらいゲロです」

「だからつくった人が言ってるんですから」

「解釈したものに委ねるってのが、ルールでしょ?」

「わかりましたよ、もらいゲロでもいいですよ、でも、まだ終わりじゃないですから」

「え、まだあるん?」

「そろそろくるんじゃないですか」

「変幻自在やな、おお!来た!」

「さあ、次はなんですか?」

「これは、鼠の死骸」

「パンをなんやと思っとるんですか」

「このえぐみ」

「鼠の死骸の味を知ってるんですか」

「私の主食」

「猫か!」

「つる子です」

「ああ、どうも」

ばらつきがあり

2011-01-28 | リッスン・トゥ・ハー
いやいやいやよ、あたしはいやなの、そんな目で見られることが耐えられない。あたしは走り出します。果てに向かって。果てってどこですか、教えてください誰か。あたしに果てについて詳しく教えてください。そしたらかわりにあたしはなんでもしてさしあげますから。雑巾がけだってやります、ミニスカートで長々と雑巾がけをすれば、それはすなわち下着がもろだしになってしまうじゃありませんか。お望みとあれば、それでもいいです。あたしは別に恥ずかしくないです、平然とした表情でそれをこなします。雑巾がけが終わったあと、ふんふん鼻歌まじりにそばを茹でて、葱を刻み、天かすとかまぼこをぶっこんで、かけそばすすります。出汁はできあいのものでいいじゃありませんか。今は結構おいしいものが出てますよ。

自転車が盗まれました。あたしの自転車を盗んだ盗人に告ぎます。今すぐに自転車を返してください。あたしはとても困っています。あなたが思っている以上に困っています。なにせ自転車がないと何もできないのですから。あたしから自転車を奪うなんてよくできたものだと思います。もう滑稽です。あたしの機動力を完全に奪ってしまったわけです。そんな状態にしていったいなにをする気なのでしょうか。自転車を探します。ここにもないここにもない、と町を彷徨い歩きます。そのうちあたしは自転車を見つけることができると確信しています。自転車が呼んでいるのですから。

ミニスカートの下に、見えてもいいように、きれいな下着をつけています。見せてもいいタイプの下着です。だけどドキッとするのは、あたしが20歳を超えているからでしょうか?

0で折り返す

2011-01-27 | リッスン・トゥ・ハー
「折り返し地点にいて」

「あたしが、ですか?」

「そう」

「なんで?」

「勇気が出るやない」

「折り返し地点に?」

「うん」

「まあいいですけど」

「ありがとう、たすかるわあ」

「で、つる子さん」

「はい」

「折り返し地点て、なんのですか?」

「ああ、物語の」

「物語?」

「私の波瀾万丈物語の」

「つる子さんの物語の折り返し地点て、どこにあるんですか?」

「もうすぐ訪れます」

「え、待ってたらいいってことですか?」

「どこにくるかは、わからない」

「じゃあ、どうしようもないわ」

「大丈夫策は考えてある」

「どうするんですか?」

「いつも私といればいい」

「言われなくてもいますよ」

「まあ」

「あたしはあの夜にそう決めたんです」

「あの夜?」

「つる子さんが竹の中で泣いていた夜から」

「それ私ちゃうわ」

「あたしは竹を切り、中の女の子を取り出した」

「その物語、私ちゃうって」

「女の子にかぐや姫と名付けた」

「いやつる子でやらしてもろてます」

「その後改名してつる子となる」

「まあ、それでもええ」

「竹から取り出したんですから、いつも一緒ですよ」

「やれやれ」

くらいの小太り

2011-01-27 | リッスン・トゥ・ハー
暗い、冬はすぐに暗くなるから嫌い。早く春が来ればいいのに、遠慮することないよ、遠慮せずにどんどん来ればええ。私、もっと色々としたいことがあって、何かをするためには明るい必要があるから、冬は嫌い。春よ来い。早めに来い。私は歓迎したげる。温かいミルクに蜂蜜を入れて飲ませてあげる。ゆっくり飲まないと喉をやけどするから気をつけんとあかんよ。クッキーなんて焼かないけど、まあ、ホットケーキを焼いてあげる。バターとメープルシロップの魔法をいただきなさい。

街灯が点々とあって、歩けないほどじゃないけれども、私は怖い。暗闇は怖いの。強がっているけれど、何でもないような顔をしているけれども、私は弱くて、なんにもできない女やから。もっと、みんな励ましてくれたらいいよ。だって、私は褒められて伸びる方の子やから。どんどん褒めて励まして、世の中捨てたもんじゃないなあと思わせてほしい。街灯がにじんでいるのは、泣いているからじゃないし、これは室内と室外の温度差による、水蒸気が、私の瞳にまとわりついただけだから。信じて私は泣いたわけじゃない。

正月を過ぎると毎年太るけれど、今年はそれほど太らんよ。気のせいかもしれんし、ちょっと前から比べたら太っとるんかもしれんけど。私はまだ太っとらんよ。