リッスン・トゥ・ハー

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シフォン主義/相対性理論

2011-01-11 | 若者的図鑑
わたしは腹を立てています。

どうしてこんなにかんたんにはまってしまったのか。

意識的にね、避けていたんですよね相対性理論やら、ミドリやら神聖かまってちゃんね、知らんけどそこらへんのバンドが山ほどあるでしょ。もうきりないじゃない。どんどん深いところにむかっていくしかないわけじゃない、だから避けていたわけです。底が知れんので、もう触らない、と。

しかし日本が誇る文化発信システムつたやによってわたしも狩りてしまったわけですす。

もう一発で奥に跳びこんできよった。気づいたらもうずいぶんリピートしている。

なんでしょうか、へたうまボーカルでしょうか。シャープ歌唱方法といいましょう。おそらく無意識的なものでしょうが、半音足りてないようにメロディを歌う。正確ではないのでしょうが、それが、なかなかつぼにはまってしもうた。

歌詞の言葉の組み合わせ、一歩間違えたならまったく響かない言葉の数々でしょうが、それをうまい場所に置いています。その場所しかなかったろうに、という場所にピンポイントではまっています。

ペラッペラに見えるんですけど、殴っても殴っても全然倒れません。倒れないどころか笑ってやがる!なんでこんなに殴っているのに笑えるの、と恐怖すら感じるアイツです。

なによりも、その歌、歌詞、メロディにもかかわらず、しっかりとロックンロールに根ざした音作りをしているという点に、魅力があるのでしょう。そうやってわたしを油断させておいて、かみついてきたわけです。知能犯です。こいつはとんだ知能犯だ。どうしてそんな顔をしているの、やくしまるさん。重厚さが支えていますね。細胞壁に守られているやくしまるさんが、自由自在に跳ね回っているような。

それら要素が絶妙なバランスでポールの上に立っている状態です。とても危なっかしいんですが、とんでもなく魅力的で、そのバランスはきわめて現代的で、癖になる。

ああ。

31発入りの半自動拳銃を撃ち尽くして

2011-01-11 | リッスン・トゥ・ハー
「撃ち尽くしたあと、彼女は」

「彼女は?」

「立ち尽くした」

「うん」

「立ち尽くしてみる空の色はなに色だったんでしょうね」

「青やろ」

「それはわかりません」

「灰色かもしれんけども」

「もっと奇抜な色の可能性もありますよね」

「ないよ」

「彼女じゃないとわかりませんよほんとのところは」

「まあね」

「だからあたしは想像します」

「してしてして」

「彼女は空を見なかった」

「ええ!それは引っかけ問題やわ」

「撃ち尽くしたんだから何も見えませんよ」

「そうかもしれん」

「その衝動を改めて整理してるんですよ」

「うん」

「自分の犯してしまった罪を思う」

「そやね」

「あたしならどうするでしょうか」

「春子ちゃんは撃ち尽くさへんから大丈夫」

「なんでですか?」

「そもそも撃てんよ」

「撃ちますよ、あたしだっていざというときは」

「いや最後まで撃てんタイプや」

「つる子さんは撃ち尽くしそう」

「撃ち尽くしてさらに弾を込めるからね」

「誰に恨みが?」

「そらいろいろよ、ゆとり教育とか」

「世相を斬った!」

こぼれ球を拾った吉田が豪快なボレーで

2011-01-11 | リッスン・トゥ・ハー
こぼれ球を拾うのは良くないと思う。だって、こぼれているわけじゃない。それはもう相手チームのものじゃない。それを奪い取ってゴールにねじ込むのは反則や。私は主張する。主張して、ねじ伏せる。それぐらいの覚悟で主張しなければ、たちまち上からの圧力に屈してしまう。強い意志が必要。何人たりとも負けることのないような意志が必要。で、獲得するために、私は山に出かけようとする。なんとなく山ならそういう特殊能力みたいなのが手に入る可能性高いように思うから。本能にしたがって山に入ろうとすると、春子ちゃんが怖い顔で玄関に立っていて、どこに行くんですかと聞く。

まさかこぼれ球を拾う輩の圧力に負けない強い意志を養うために山に入る。と言うわけにもいかんし、なにか誤解されそうだ。たちのよくない方の誤解されそう。一度ついたイメージはなかなか覆らない。春子ちゃんにそんな目でみられたあない。絶対にみられたあないから、うん、うん、とうなづいておく。なにうなづいてるんですか、だからどこに行くか応えてください。うんうん。うんじゃないですよ。しつこい。とってもしつこいので、私は次第にいらいらとしてくる。

春子ちゃん、と私は強めに名前を呼ぶ。なんですか。これは春子ちゃんのためを思って言うんだけどね。はい。春子ちゃんはもっと想像力をたくましくして。どういうことですか?想像してごらん、よ。いや意味が分かりませんが。イマジンやん。レノン?そうそう、想像してご覧。はい。

ああ。どうしたの?見えました見えましたよつる子さん!何が?これはなんという感情でしょうか。知らん。そうですね知りませんよね。知らん。