即席の足跡《CURIO DAYS》

毎日の不思議に思ったことを感じるままに。キーワードは、知的?好奇心、生活者発想。観る将棋ファン。線路内人立ち入り研究。

シリコンバレーと本屋の売り場・その6

2009年05月10日 11時31分16秒 | 将棋
シリコンバレーと本屋の売り場その2その3その4その5と書いてきました。

シリコンバレーから将棋を観る -羽生善治と現代
梅田望夫
中央公論新社

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遅くなりましたが、その3の記事に、お二人からコメントいただいたので、そのレスです。
かみしろさん、kazuさん、コメント、ありがとうございました。

かみしろさんへ。

>テレビの内容の希薄化、芸のある芸能人が少なくなりイメージお化けが増えたこと、そのイメージを作る最大手テレビ業界の堕落、マスメディアの役割をなさないマスメディア、政治家とは名ばかりの政治家、お酒の味がわからない消費者、とにもかくにも安くしなければ生き残ること困難な市場、サブプライムローン。

はい、こういう世の中だと、昔はよかった、あの頃はいい時代だったと言いたくもなります。
しかしそこは梅田さんもおっしゃるように、いろんな新しい事が生まれ、何がどうなるか全くのけものみち時代なわけなので、羽生さんじゃないけど、混沌を楽しむ、楽観的に考える、ということで行きたいと思います。

>なんだか際限なく続きそうで自分でも驚きましたが、上記の問題のどれもが、その実体の価値よりもイメージの方が(市場で勝ち残る為に)大切だ、という現実に追われるあまり、本質を見失った結果と言えるのではないか。
資本主義、グローバリズムについて回る根は一つの諸問題と換言してもいいかもしれません。

イメージの話は、たまたまssayさん書かれてましたけど、なかなか難しいです。

>いみじくも羽生さんが、情報を収集するのではなく、捨てる技術、と言っていた、今回の本でも情報をオープンにすることで何が起きるか、将棋界を社会の先行実験として見るという視点を提示していましたが、上記問題を氾濫する情報から本物を見極めようとせず、安易に流され踊らされた末のもの、と読み替えれば、その先見性の証左となるように思い、改めて驚いています。

「将棋界を社会の先行実験として見る」という視点、ほんと、ここがこの本のたまらない部分だと思います。いや、現代社会ならではの現象が、こう読み解いていくと、とってもわかりやすいです。

>と言うわけで、是非とも一番目立つとこに平積みして欲しいですね。

はい、ついに実現してるようです。ホッ。

kazuさんへ。

>将棋ファンとして、多くの人に読んでもらいたいという気持ちは一緒ですが、同時に本好きとしては、一概に本屋さんを責めるのは酷だと思います。

僕も本好きですけど、今回の記事は、本屋さんを責めることが趣旨ではないです。
そう取られるのは本意でないので、気分悪くされたらご容赦ください。

>将棋本の売り上げは、過去の実績として多くはない以上(羽生さんを除くと?)扱いを手厚くするのは難しいのではないでしょうか。
ここには、今まで将棋本の多くが、技術書に偏っていたことの弊害があると思います。

実は僕はいわゆる技術本はほとんど読んでないのです。(ほんの何冊かは読んでますけど。)
正真正銘の指さ(せ)ない将棋ファン。
でも、名著「運を育てる」@米長邦雄を初めとして、頭脳勝負@渡辺明や集中力・構想力@谷川浩司、そして決断力をはじめとする数々の羽生本、そして、先ちゃんもの、女流棋士関連、河口六段、内藤九段、そして、島、田中寅、などなど、まだまだうちの本棚にはかなりたくさんの技術本でない将棋関連本が並んでいます。
なので、「今まで将棋本の多くが、技術書に偏っていた」というイメージは僕にとっては全くないのです。(それくらい技術本以外の将棋本ってたくさんあるのではと思います。)

いやね、そう考えると、今本屋の将棋コーナーに行くと、なぜか技術本しか並んでないような気が(イメージが)します。
あれだけ技術本でない将棋関連本があるというのに、何故なんでしょうね。
上に挙げたような本は、一過性的で、それに比べると、技術本はロングテールだからいつもしっかり並んでいる、ということなんでしょうか。

実際、技術本とそれ以外の本の出版数の比率、売れ行きの比率、どうなんでしょうか。興味深いです。(どなたか業界の方、調べてもらえないですかね?)

>ただ本好きも店員さんも、良書が必ずしも報われない様を嫌という程見てきているので「著名な作者なのだから目立つ所に置かないのは意識の欠如」という考えには賛同できません。

うーん、そこまでは言ってないですよ。
書店だけでなく、どんな業界でも、プロ意識とか、職人気質とか、好きでたまらない、というものが、最近は欠如しかかってるんじゃないか、と思っているわけです。

>質という点では、他業界と比べて書店員さんは、大型書店から地元の本屋のおっちゃんに至るまで、相当平均値高いと感じています。(実感なので贔屓目は多分にあると思いますが)

そうですか。そうであれば言いすぎたかもしれませんが、以前知り合いの出版社の人から最近の書店のいろんな話、問題点を聞いたこともかなり影響しています。

>たまに本屋寄って、興味のある本の場所が気に食わないからと、関係の無い業界の話と一緒くたにまとめて批判の矛先を向けるのは見当違いだと思います。

すべての書店を馬鹿にしたような発言と取られたとしたら謝ります。
ただ、一消費者から見て、買う側から見て、この梅田さんの本が、将棋の技術本の中に埋もれて並んでいる、ということは、やはりどう見てもおかしいことです。
ということで、この本の売り場、置き場所の問題、できる限り最善の対応をして欲しいと強く願うばかりです。
(でももう心配したりしなくても、結果オーライですよね!!)
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3 コメント

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本屋の売り場の件 (蒼龍)
2009-05-11 00:36:28
梅田さんや岡田さん、全訳プロジェクトのメンバーの皆さんとお話しする機会がありましたが、nanaponさんのエントリーの話も出ていましたよ。
返信する
本屋の売り場の件 (popoo)
2009-05-11 18:25:00
この前うちの近所にある紀伊国屋に行くと、梅田さんの本は当然将棋のコーナーにありましたが・・・(この時点で落胆)
先崎さんの「山手線内回りのゲリラ」が鉄道コーナーに置いてあるんですよ。

内容なんて全く関係ない、タイトル見て置く場所を決めてるんだろうな。
私に言わせれば、そんなもんなんだな、と正直諦めてます。
返信する
コメント、ありがとうございます。 (nanapon)
2009-05-17 19:46:38
☆蒼龍さん、こんばんは。

>梅田さんや岡田さん、全訳プロジェクトのメンバーの皆さんとお話しする機会がありましたが、nanaponさんのエントリーの話も出ていましたよ。

それを聞いて、サイン会にうかがい、思い切って梅田さん、岡田さんとお目にかかることができました。いろいろありがとうございました。

☆popooさん、こんばんは。

>この前うちの近所にある紀伊国屋に行くと、梅田さんの本は当然将棋のコーナーにありましたが・・・(この時点で落胆)

まだそういうところもあるんですね。
大分新刊コーナーにシフトされたんじゃないかと思ってますけど。

>先崎さんの「山手線内回りのゲリラ」が鉄道コーナーに置いてあるんですよ。内容なんて全く関係ない、タイトル見て置く場所を決めてるんだろうな。

いや、それはなかなかやりますね。
まあ、難しい判断の場合もありますから。
例えばだけど、船戸さんがワインの本を出したとしたら、どっちに並べるのか、とかね。
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