即席の足跡《CURIO DAYS》

毎日の不思議に思ったことを感じるままに。キーワードは、知的?好奇心、生活者発想。観る将棋ファン。線路内人立ち入り研究。

3連敗から這い上がる

2008年12月13日 14時06分55秒 | 将棋
第四局を逆転した時に、こうなったら面白いって(心のどこかで)思っていたことがついに現実になっちゃいました。

ほんと、来るところまで来ちゃいました。

一時はどうなる事かと思ったけどね。

第3局の後、『3連敗かあ・・・』という記事書きました。

あの時、がっくりした表情も、そしてブログの書き方も何も、本当に痛ましいくらいに思えたけど、どんな気持ちだったんだろうか。
(時効になったら、あの時の苦しい胸の内を明かして欲しい。)

必死だった。もがき苦しむ日々だった。

このままで、いいところなく終わってしまったらどうしよう、という不安、焦燥。

重く圧し掛かる重圧。

負けをひきずらないように、とか、立て直す、とか、切り替える、と言ってもどうしたらいいのか。

あれだけ上には上を行く奥の深い大局観を見せ付けられたのだから。

効果的な手の打ちよう、打開策があるんだろうか。

ここに来て対局と対局の間はやたら短い。

気分を変え、落ち着いた気分で作戦を立てるには日にちがなさすぎる。

さあ・・・・・・????

第五局の解説の谷川九段の言葉が重い。
shogitygooさん記事よりまた拝借。
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午前中のBS中継で、NHKの長野アナが、谷川先生に誰しもが聞きたいことを質問してくれていた。第三期の竜王戦で、羽生竜王に谷川が挑戦し、三連勝した後、羽生が死闘の末に一つ返した将棋のことについてである。当事者の谷川の言葉には、やはり格別な重みがある。

『第四局、確か203手、二人の対局の中では最長手数で、一番の熱戦だったと思うんですね。のちに、羽生さんが、あの時に第四局で返したのが大きかったと書いていましたし、今回の第四局も、渡辺さんにとってはそういうことが言えると思うんですね。
この後、このシリーズがどうなるか分かりませんけれども、渡辺さんのこれからの将棋人生にとって、これからのお二人の戦いにとって、大きな意味を持つ一勝だと思いますね。
角番に追い込まれて、精神的には非常に厳しいのですけれども、すぐ負けてしまうと、角番の期間が十日くらいしかないわけですね。それを、一つまた一つとしのいでいくほど、それが二週間、一ヶ月と伸びていくわけで、その間、色々なことを考える、悩むわけで、それが将来の大きな財産になるのかなという気がします。』
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第四局で際どい勝負をものにし、第五局、第六局と、竜王らしさがどんどん発揮され、渡辺明の将棋をしっかり指せている現在。

第六局の中継plusの中のこの言葉。

『第1局では羽生の大局観に圧倒された渡辺が、
シリーズ中にどれだけ成長してきたかの試金石になるかもしれない。』

あっけなくいいところなく3敗目を喫したのが、11月14日。
そこから角番のプレッシャーに押しつぶされそうな毎日が続く。
そして、第四局をなんとか乗り切り、第五局、第六局と角番を凌ぎ続けた。

そう、このまるまる一ヶ月間の渡辺明はどれほど大きな成長をしてきたのか。どれほどかけがえのない財産を得てきたのか。若さということもあり、計り知れないものがあるに違いない。

その成長を、最終局で堂々と見せられるのかどうか。

多分、2年後、あるいは、5年後ということであれば、彼の将棋、実績はそのことをはっきり証明してくれるものと信じて疑わない。

竜王戦中継plusでの鈴木八段の言葉、「最終局は総力戦」
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本局は△3一玉から渡辺竜王の手のつけられない勢いを感じました。
強気強気の姿勢で堂々と指して、羽生さんをひるませました。危ない変化(34手目△3一玉に▲6五歩)を通してしまいました。
2筋の逆襲を見事に決め、羽生さんの最後の追撃も強気に受けて余しました。
渡辺さんのいいところが存分に出ましたね。羽生さんはペースをつかめませんでした。

最終局は総力戦ですね。死力を尽くした戦いになるでしょう。
羽生さんとしてもダメージを受けているでしょう。4局目の逆転負けを引きずっている気がします。
「いつも通り指していつも通り勝つ」のが羽生流。果たしてそれができるのか。

3連敗して渡辺さんは吹っ切れた感じです。自玉を堅くすることだけに固執していません。
渡辺さんにとって新しい指し方をしていますし、積極的に動いています。
ただ3連敗から3連勝して、逆に気の持ち方が難しいかもしれません。

予想は誰もできないでしょう。私もできません。一ファンとして楽しみたいと思います。
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さすが鈴木八段、とても納得できるうまいまとめです。

ここにもあるけど、3連敗後3連勝した渡辺竜王の気の持ち方が難しいというのは本当にそう感じます。

やっとのことでここまで来た、
いやあ、どうなることかと思ったけど、タイになりほっとした、
という気持ちが少しでもあれば負けでしょう。

ほんと、ここからが勝負。

ここで力を発揮できなければ、苦しいところから3連勝した意味がない。

ここで万全の戦いができるように、新鮮な気持ち、無心の境地になることが必要。

ほんと、技術、体力、気力、執念、情熱、気迫、哲学、人間力、その他いろんな要素が入り混じって、死力を尽くした総力戦。

振り駒から始まって、どんな戦型になるのか、またもやあっと驚く新手が飛び出すのか、
そして、どんな結末になり、どんなにすごい報道になるのか、

今から思いを巡らすと、あまりの興奮に、すでにうわ言をつぶやいている人まで出ています。

こんなすごい勝負を自分が生きているうちに味わえる幸せを感じます。
アーメン。
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