竜王戦第三局。
自玉はスカスカで不安だらけの中、△7九銀というプロもビックリ!の攻めの一手を繰り出し、渡辺竜王の3連勝。
強いです。
このままスウィープとまではいかないかもしれないけど、
相手になるのは羽生名人しかいないのでは、と思わせるような快進撃。
研究に基づいた渡辺竜王の名局ということになるのでしょう。
ということで、今日はそれとは別のネタ。
ソフトバンクテレコムのウェブマガジン「vivo」のワタシのターニングポイントという連載の最新号。
羽生善治名人の登場です。読み応えあるので見てください。
一部引用させてもらいます。
*****************************************
ターニングポイントは、次につながる負け。
中学3年生でデビューすると、早くも天才少年として注目を集める。世間を驚かせたのが、1989年、棋界最高位のタイトル・竜王位の獲得だ。序列1位の栄誉の称号を、史上最年少のわずか19歳で手にした。
そして翌年の20歳の時、羽生さんはタイトルの初防衛に臨む。7番勝負のうち、第1局からまさかの3連敗を喫し、迎えたのが第4局。
「負けたらタイトルを失う、と追い込まれた局面です。自分が初めて後ろ向きになったということで非常に印象に残っています」。
追い込まれて、後ろ向きになった場面。それが羽生さんのターニングポイントという。第4局は1勝を返すも第5局に敗れ、羽生さんはタイトルを失ってしまったのだが、ここで重要なのは勝敗ではない。
「対局には負けましたが、次につながったと思うんです。勝負には、“次につながらない勝ち”もあれば、“次につながる負け”もある。大切なのは、次につながるかどうか。今は結果が出なくても、この対局は必ず将来に生かされると思いました」。
将来の成果のために、自分の問題点と改善点を見つける。
次につながる―。それは、具体的にはどういうことだろうか。
「きっかけとかテーマを見つけられた時だと思います。自分にとって『何が問題か』『次に何をすればよいか』が分かったら、課題の半分ぐらいは解決されたようなもの。もし分からなければ、方向性を見失ったり迷ったりしますから。初防衛戦では、まだ自分には広がりも奥行きもないということが、はっきりと分かりました。将棋というのは、多くの手を読むことも重要なんですけど、盤上の駒が“よい形”“悪い形”と分かる感覚も磨かなくてはいけません。それまでは、直線的というか寄り道をしない感じの将棋でしたが、一見ムダなこと、余分なことも大切だと思ったのです。それが将来、厚みなり蓄積なりになっていくのではないでしょうか」。
決して、目先だけの勝敗にはこだわらない。今この瞬間だけでなく、将来の成果も見据えられる人こそ、真の勝負師なのだろう。
*****************************************
目先のことだけにとらわれないこと。
今、何でもかんでも目先に目が行ってる。
長期的な視点、戦略があった上で、それに基づいての目先の対応であればいいのだろうけど、どうもそうではない。
ずっと先のことはイメージできてもないのに、目先の応手に四苦八苦してる感がある。
政治も、経済も、仕事も、あるいは自分自身の今後のことも全部そうだけど、
グランドデザインを描くこと。
大局観を持つこと。
できるだけ具体的にイメージすること、シミュレーションしてみること。
そういう先のことをきちんと踏まえた上での次の一手。目先の対応。
「勝負には、“次につながらない勝ち”もあれば、“次につながる負け”もある。
大切なのは、次につながるかどうか。」
民主党政権の各種バラマキ施策もそうなんだけど、とりあえずそれをやるのはいいけれど、それがどう次につながるのか、そして、将来的にどうしたいのか。
肝心なそこの部分がないから、単に選挙の票集め、国民によいしょしてるというようにしか見えない。
*************************************
積み重ねた経験が、一瞬に現れる。それが直感。
最も深く考える人、といわれる羽生さんだが、初めに選択肢を絞り込んだり、最終的に選ぶ拠り所は、意外にも「直感」だ。
「脳科学者の先生に教えてもらったのですが、“直感”と“ひらめき”は異なるといいます。直感は、その人が努力して積み上げてきたことが瞬間的に現れるもの。いってみれば今までの集積なので、決して単なる当てずっぽうではありません。一方、ひらめきは論理や論拠がなく、特に理由のないもの。もちろん、ひらめきが鋭い人もいるわけですが、直感は年齢を重ねた経験や厚みが生かせる能力だと思います」。
羽生さんが小学生以来積み上げてきた経験や知識や技術が、一瞬に凝縮されるのが直感。羽生さんだけでなく私たちビジネスパーソンも持っているし、磨くことも可能だ。もちろん、直感が外れることだってあるだろう。だが徹底的に思考するとともに、内なる声も信じてみると案外スムーズに進むのかもしれない。
*******************************************
今、本当に先が読みにくい社会であることは確か。
ドッグイヤー、マウスイヤーと言われ、加速度的に世の中が大きく変化している。
そんな時には、過去のデータや傾向というものは、単なる応用といったことくらいでは何の役にも立たなくなっている。
先が見えない「けものみち」。
そんな状況での、ナビゲーションシステムの基盤は、努力の積み重ねに裏打ちされた「直感」。
自分を信じること。
と、そんな風に羽生名人の言葉を味わってくると、
去年の竜王戦、対羽生名人に対しての渡辺竜王が喫した3連敗。
これが、しっかり次につながることになった。
大きなものを生み出すことになった。
今回の竜王戦における渡辺竜王の圧倒的な強さを生み出した、ターニングポイントになったのではないだろうか、と思うのです。
自玉はスカスカで不安だらけの中、△7九銀というプロもビックリ!の攻めの一手を繰り出し、渡辺竜王の3連勝。
強いです。
このままスウィープとまではいかないかもしれないけど、
相手になるのは羽生名人しかいないのでは、と思わせるような快進撃。
研究に基づいた渡辺竜王の名局ということになるのでしょう。
ということで、今日はそれとは別のネタ。
ソフトバンクテレコムのウェブマガジン「vivo」のワタシのターニングポイントという連載の最新号。
羽生善治名人の登場です。読み応えあるので見てください。
一部引用させてもらいます。
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ターニングポイントは、次につながる負け。
中学3年生でデビューすると、早くも天才少年として注目を集める。世間を驚かせたのが、1989年、棋界最高位のタイトル・竜王位の獲得だ。序列1位の栄誉の称号を、史上最年少のわずか19歳で手にした。
そして翌年の20歳の時、羽生さんはタイトルの初防衛に臨む。7番勝負のうち、第1局からまさかの3連敗を喫し、迎えたのが第4局。
「負けたらタイトルを失う、と追い込まれた局面です。自分が初めて後ろ向きになったということで非常に印象に残っています」。
追い込まれて、後ろ向きになった場面。それが羽生さんのターニングポイントという。第4局は1勝を返すも第5局に敗れ、羽生さんはタイトルを失ってしまったのだが、ここで重要なのは勝敗ではない。
「対局には負けましたが、次につながったと思うんです。勝負には、“次につながらない勝ち”もあれば、“次につながる負け”もある。大切なのは、次につながるかどうか。今は結果が出なくても、この対局は必ず将来に生かされると思いました」。
将来の成果のために、自分の問題点と改善点を見つける。
次につながる―。それは、具体的にはどういうことだろうか。
「きっかけとかテーマを見つけられた時だと思います。自分にとって『何が問題か』『次に何をすればよいか』が分かったら、課題の半分ぐらいは解決されたようなもの。もし分からなければ、方向性を見失ったり迷ったりしますから。初防衛戦では、まだ自分には広がりも奥行きもないということが、はっきりと分かりました。将棋というのは、多くの手を読むことも重要なんですけど、盤上の駒が“よい形”“悪い形”と分かる感覚も磨かなくてはいけません。それまでは、直線的というか寄り道をしない感じの将棋でしたが、一見ムダなこと、余分なことも大切だと思ったのです。それが将来、厚みなり蓄積なりになっていくのではないでしょうか」。
決して、目先だけの勝敗にはこだわらない。今この瞬間だけでなく、将来の成果も見据えられる人こそ、真の勝負師なのだろう。
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目先のことだけにとらわれないこと。
今、何でもかんでも目先に目が行ってる。
長期的な視点、戦略があった上で、それに基づいての目先の対応であればいいのだろうけど、どうもそうではない。
ずっと先のことはイメージできてもないのに、目先の応手に四苦八苦してる感がある。
政治も、経済も、仕事も、あるいは自分自身の今後のことも全部そうだけど、
グランドデザインを描くこと。
大局観を持つこと。
できるだけ具体的にイメージすること、シミュレーションしてみること。
そういう先のことをきちんと踏まえた上での次の一手。目先の対応。
「勝負には、“次につながらない勝ち”もあれば、“次につながる負け”もある。
大切なのは、次につながるかどうか。」
民主党政権の各種バラマキ施策もそうなんだけど、とりあえずそれをやるのはいいけれど、それがどう次につながるのか、そして、将来的にどうしたいのか。
肝心なそこの部分がないから、単に選挙の票集め、国民によいしょしてるというようにしか見えない。
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積み重ねた経験が、一瞬に現れる。それが直感。
最も深く考える人、といわれる羽生さんだが、初めに選択肢を絞り込んだり、最終的に選ぶ拠り所は、意外にも「直感」だ。
「脳科学者の先生に教えてもらったのですが、“直感”と“ひらめき”は異なるといいます。直感は、その人が努力して積み上げてきたことが瞬間的に現れるもの。いってみれば今までの集積なので、決して単なる当てずっぽうではありません。一方、ひらめきは論理や論拠がなく、特に理由のないもの。もちろん、ひらめきが鋭い人もいるわけですが、直感は年齢を重ねた経験や厚みが生かせる能力だと思います」。
羽生さんが小学生以来積み上げてきた経験や知識や技術が、一瞬に凝縮されるのが直感。羽生さんだけでなく私たちビジネスパーソンも持っているし、磨くことも可能だ。もちろん、直感が外れることだってあるだろう。だが徹底的に思考するとともに、内なる声も信じてみると案外スムーズに進むのかもしれない。
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今、本当に先が読みにくい社会であることは確か。
ドッグイヤー、マウスイヤーと言われ、加速度的に世の中が大きく変化している。
そんな時には、過去のデータや傾向というものは、単なる応用といったことくらいでは何の役にも立たなくなっている。
先が見えない「けものみち」。
そんな状況での、ナビゲーションシステムの基盤は、努力の積み重ねに裏打ちされた「直感」。
自分を信じること。
と、そんな風に羽生名人の言葉を味わってくると、
去年の竜王戦、対羽生名人に対しての渡辺竜王が喫した3連敗。
これが、しっかり次につながることになった。
大きなものを生み出すことになった。
今回の竜王戦における渡辺竜王の圧倒的な強さを生み出した、ターニングポイントになったのではないだろうか、と思うのです。
はじめまして。
>敗戦の後、次に生かせる道が見つけられれば、敗戦が将来の勝利へと結びつくわけですね!
ほんとそうですね。負けるにしても価値のある負けをしないといけないです。大事なことですよね、これ。