昨日、週刊将棋、買いました。
先日、「週刊将棋」という記事書いた手前、車内できょろきょろ読んでる人を探しました。
(今回は出くわさなかった。)
1面の竜王戦の記事。
笑ったのは、
平泉のホテルに着いたとき、普段着にサングラス、マスクで現れた不審者の話。
集合時間を15分もさば読まれていたのに、それでも遅刻した人。
昼行方不明になり、調べたら爆睡していた。●●行方不明。
いいなあ、これ。いかにも彼っぽいなあ。(読んでない人、当ててください。(笑))
ということで、マジにそうだなあと思った一節。
-------------------------------------
(渡辺にとって)駒得や手番などの形勢判断の基準となる条件が、自分に利のある展開とあって、避ける理由はなかった。
しかし、到達した局面は思わしいものではなかった。
ちょうど第一局の再現シーンのよう。
渡辺が駒得や玉の堅さなど、理屈の上では良しのはずの局面が、
進めてみると羽生が十分になっている。
すべては、羽生の秀でた大局観、常識に捉われずに局面を見る目の確かさ。
---------------------------------------
ほんと、一局目とまるで同じだよ。
絶対にいいはず、これでまずいはずはない、と思って進んでいったら、あれよあれよという間に、
あれーー、なんじゃこれ、よくないじゃんって感じ。
♪たどり着いたらあ~、いつも雨降りぃ~♪(古っ!)
こんなはずないよ。
なんかおかしくない、これ。
大げさに言えば、
今まで信じてきた常識、価値観、将棋観、人生観が突然覆されること。
自分の信じていることはなんだったのか。
自分が苦労して築き上げてきたものは何の意味があったのか。
長い歴史や多くの先人たちが作り上げてきた「棋理」というのは、何だったんだろう。
いや、そうじゃない。
時代と共に、常識はどんどん変わりつつある。
どんどん変遷は激しくなっている。
今までは信じられないような手、指したら馬鹿にされたような手が、最近は平気でまかり通っている。
二手目3二飛車戦法が、升田賞をもらってる。
と、考えれば、自分が信じる形勢判断の基準すらすべて疑ってかかるしかない。
いや、そんなこと当然わかってるはずだし、過去事例や固定観念を根拠に判断しているわけはない。
信じるものは自分しかない。
駒の損得・玉の堅さ・手の広さというある種左脳的な要素よりも、
全体のバランス・すべての駒の連携・伸び伸びしている・盤という宇宙の中での美しさ、のような右脳的なイメージの要素が勝っているような印象を受ける。
それにしても、他の棋士とはたぶんちょっと発想とか常識が違うんですね。
携帯も持ってないし。(笑)
shogitygooさんが書いているこのこと。番組を見たとき、僕もすごく印象的でした。
-------------------------------------------
NHK系列で放送された「100年インタビュー」で、羽生が竜王を初獲得した後に、谷川の挑戦を受け、1-4で奪取されたシリーズのことを取り上げていた。羽生が0―3に追い込まれた第四局は、203手の激闘になり、しかも入玉や持将棋模様でなく、延々と通常の攻防が続き形勢も二転三転した。最終は羽生が名手を見つけて勝ちきった。その将棋についての羽生の発言要旨。
『それまでは、前を見た戦いばかりしてきたが、初めて後ろ向きの対局をした。そういう時の心境や状態が、とても印象に残っている。何とか一局いれたいと思っているが、どうにも駒が前に進まない。形勢が何度も入れ替わり、勝ち負けの揺れがすごくて、奪取されたとも勝ったとも何度も思った。最後に懸命に手を見つけて勝った。勝負のけわしさ、厳しさを知ることが出来た。』
羽生は、負けたシリーズの一局をその後の自分にとって大切な将棋として位置づけているのである。現在の渡辺はまさしくそういう状況にある。勿論、まだ結果が決まってしまったわけでは全然ないが、次の第四局で、勝負以外にも何かをつかむような将棋を期待しようではないか。
-----------------------------------------
一番大切な将棋と聞かれて、この将棋を挙げた羽生。
意外といえば意外。
『将棋って言うのは駒を前に進めるものなんだけど、どうやっても前に進まないんですよ。おかしい言い方だけど、ほんと、前に行かないんですよ。』
と不思議そうに語っていたあの羽生の表情。
今でも解明できないその不思議さに対して、まるで子供のように、
『おかしいんだよなあ。』
と今でも思っている。
魅力的な人ですね、ほんと。
と、ここまで書いてきて、
shogitygooさんが期待しているように、きっとやってくれるよな、と、なんか自信持って思えてきた。
そんな世間的な常識なんかに捉われる器じゃない。
冷静に、大胆に、客観的に、大局的に、自分らしい感性で、
渡辺明の将棋を指してください。
応援しています。
先日、「週刊将棋」という記事書いた手前、車内できょろきょろ読んでる人を探しました。
(今回は出くわさなかった。)
1面の竜王戦の記事。
笑ったのは、
平泉のホテルに着いたとき、普段着にサングラス、マスクで現れた不審者の話。
集合時間を15分もさば読まれていたのに、それでも遅刻した人。
昼行方不明になり、調べたら爆睡していた。●●行方不明。
いいなあ、これ。いかにも彼っぽいなあ。(読んでない人、当ててください。(笑))
ということで、マジにそうだなあと思った一節。
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(渡辺にとって)駒得や手番などの形勢判断の基準となる条件が、自分に利のある展開とあって、避ける理由はなかった。
しかし、到達した局面は思わしいものではなかった。
ちょうど第一局の再現シーンのよう。
渡辺が駒得や玉の堅さなど、理屈の上では良しのはずの局面が、
進めてみると羽生が十分になっている。
すべては、羽生の秀でた大局観、常識に捉われずに局面を見る目の確かさ。
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ほんと、一局目とまるで同じだよ。
絶対にいいはず、これでまずいはずはない、と思って進んでいったら、あれよあれよという間に、
あれーー、なんじゃこれ、よくないじゃんって感じ。
♪たどり着いたらあ~、いつも雨降りぃ~♪(古っ!)
こんなはずないよ。
なんかおかしくない、これ。
大げさに言えば、
今まで信じてきた常識、価値観、将棋観、人生観が突然覆されること。
自分の信じていることはなんだったのか。
自分が苦労して築き上げてきたものは何の意味があったのか。
長い歴史や多くの先人たちが作り上げてきた「棋理」というのは、何だったんだろう。
いや、そうじゃない。
時代と共に、常識はどんどん変わりつつある。
どんどん変遷は激しくなっている。
今までは信じられないような手、指したら馬鹿にされたような手が、最近は平気でまかり通っている。
二手目3二飛車戦法が、升田賞をもらってる。
と、考えれば、自分が信じる形勢判断の基準すらすべて疑ってかかるしかない。
いや、そんなこと当然わかってるはずだし、過去事例や固定観念を根拠に判断しているわけはない。
信じるものは自分しかない。
駒の損得・玉の堅さ・手の広さというある種左脳的な要素よりも、
全体のバランス・すべての駒の連携・伸び伸びしている・盤という宇宙の中での美しさ、のような右脳的なイメージの要素が勝っているような印象を受ける。
それにしても、他の棋士とはたぶんちょっと発想とか常識が違うんですね。
携帯も持ってないし。(笑)
shogitygooさんが書いているこのこと。番組を見たとき、僕もすごく印象的でした。
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NHK系列で放送された「100年インタビュー」で、羽生が竜王を初獲得した後に、谷川の挑戦を受け、1-4で奪取されたシリーズのことを取り上げていた。羽生が0―3に追い込まれた第四局は、203手の激闘になり、しかも入玉や持将棋模様でなく、延々と通常の攻防が続き形勢も二転三転した。最終は羽生が名手を見つけて勝ちきった。その将棋についての羽生の発言要旨。
『それまでは、前を見た戦いばかりしてきたが、初めて後ろ向きの対局をした。そういう時の心境や状態が、とても印象に残っている。何とか一局いれたいと思っているが、どうにも駒が前に進まない。形勢が何度も入れ替わり、勝ち負けの揺れがすごくて、奪取されたとも勝ったとも何度も思った。最後に懸命に手を見つけて勝った。勝負のけわしさ、厳しさを知ることが出来た。』
羽生は、負けたシリーズの一局をその後の自分にとって大切な将棋として位置づけているのである。現在の渡辺はまさしくそういう状況にある。勿論、まだ結果が決まってしまったわけでは全然ないが、次の第四局で、勝負以外にも何かをつかむような将棋を期待しようではないか。
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一番大切な将棋と聞かれて、この将棋を挙げた羽生。
意外といえば意外。
『将棋って言うのは駒を前に進めるものなんだけど、どうやっても前に進まないんですよ。おかしい言い方だけど、ほんと、前に行かないんですよ。』
と不思議そうに語っていたあの羽生の表情。
今でも解明できないその不思議さに対して、まるで子供のように、
『おかしいんだよなあ。』
と今でも思っている。
魅力的な人ですね、ほんと。
と、ここまで書いてきて、
shogitygooさんが期待しているように、きっとやってくれるよな、と、なんか自信持って思えてきた。
そんな世間的な常識なんかに捉われる器じゃない。
冷静に、大胆に、客観的に、大局的に、自分らしい感性で、
渡辺明の将棋を指してください。
応援しています。