今日は何の日?

昔の今日は何があったのでしょうか?ちょっとのぞいてみましょう。

スマトラ沖地震(2004.12.26)

2004-12-26 00:54:23 | 地学系
2004年12月26日、インドネシア西部スマトラ島北西沖でマグニチュード9.3の地震が発生しました。この地震によりインド洋沿岸に大津波が発生し、震源に近いインドネシアのみならず、インド、スリランカ、タイ、マレーシアなどで多くの被害が生じました。日本でも津波の映像をはじめ、津波災害の様子が多く報道され、大きな衝撃を与えました。

さて、この地震で放出されたエネルギーは阪神淡路大震災(兵庫県南部沖地震)の約1,400倍にもなるといわれています。震源地でプレートが3回に渡って南から順にずれ、そのずれの継続時間が6~7分にもわたったため、大きなエネルギー放出されたとアメリカの地質調査所は結論づけています。また、その地震波は日本でも超長周期振動として観測され、秒速約4km=14400km/hで地球を少なくとも5周したといわれています。地震の成因についてはインド・オーストラリアプレートとユーラシアプレートがぶつかり合うことにより発生したといわれています。また、この地域では、100年?150年の周期で地震が繰り返されてきており、この地震も、その周期にあわせて起きたようです。

この地震の特徴は揺れによる災害ではなく、主に津波による災害です。津波による被害者は30万人とも40万人ともいわれています。注目しなければならないのは巨大な地震ではあったけれども被災地の多くではほとんど揺れを感じていなかったということです。このようなことは度々起こることで、日本をはじめとする太平洋沿岸諸国では1960年のチリ沖地震の津波災害を教訓に太平洋津波警報センターをハワイに設置し、太平洋沿岸で地震が発生した際に沿岸諸国に津波警報を出せるシステムを構築していました。ところが、今回被害にあったインド洋沿岸域ではこのようなシステムはありませんでした。実際に大きな被害が出たインド沿岸やスリランカでは全く揺れを感じず、地震発生の約2時間後に津波にあっています。そこで、翌年の3月には、日本と中心としてインド洋津波早期警戒システムを立ち上げ運用を開始しました。このシステムにより3月28日に同じ震源域で発生したマグニチュード8.7の地震で活用されています。