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絵本の古本屋 【えほんやるすばんばんするかいしゃ】

営業時間:14時~20時
定休日:火曜、水曜
電話/FAX:03-5378-2204

「なにぬね のばなし」を扱って下さるお店への発送が完了しました + これからのこと

2025-08-17 | ●思うこと




《 当店発行の本関連② 》

まずは、ご報告から。
出口かずみさんの新作「なにぬね のばなし」の卸販売(扱って下さるお店向け)
の発送が全て完了しました。 ※夏季休業のお店以外
長いことお待ち頂いたお店の方々には、本当に感謝しかありません。
扱って下さり本当にありがとうございます。
これからいろんなお店で見かけることになると思いますので
見かけたらぜひ手に取って頂けたらうれしいです。
できれば、扱って下さるお店の一覧もお知らせしたいところですが
すぐには出来そうにないので、また改めます。
 
発送業務は、これでいったん落ち着いたので、今後は通常のペースに戻れると思います。
「なにぬね のばなし」など、扱って下さるお店がありましたら大歓迎です。
下記↓のサイトからご注文頂けます。どうぞよろしくお願いいたします。


◉卸販売(当店発行の本の卸)
 
※個人の方向けの通販は、もう少し落ち着いてから始めたいと思います。
 
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ここからは、今後の話を交えつつ少し余計な話。
これから「なにぬね のばなし」を一般流通させるための準備に取り掛かります。
そこに至るまでにはいろんな手続きがあるので
その辺の話を絡めつつ感じていることを書いてみたいと思います。
 
その前に、「一般流通」とはなにか、ざっくり書いておきます。
うちの店の発行物は、基本的にお店と直接取引して本を扱って頂いてますが
一般流通というのは、そうではなく中間業者(取次など)が入り間接的にお店に届ける方法です。
この仕組みのおかげで、直接のやり取りが難しい全国の大型書店や中規模書店でも
扱うことが可能になります。
 
正確な説明ではないですが、だいたいこんな感じです。
で、この手続きや手順を踏むことが個人的にはいつまで経っても慣れないし苦手です。
しかし、ただそれだけの話で、それをコンプレックスに感じたり、嘆いたりしたいわけではありません。
この一連を悲観的に捉えているわけではなく、これらの苦手分野とそれが引き起こす現象に
ものすごく興味があるので今これを書いているのだと思います。
 
例えば、今日発売の本があるとして、奥付に印刷されている発行日も
今日の日付に近い(ぴったりじゃなくても)って、ごくごく当たり前のことだと思います。
でも、自分にとってこれは、当たり前だと思えず、ほんとにすごいことだと感じてしまう。
謙遜でも自虐でもなく、自分にはこんなことできる気がしない。
これがいかにすごいことか、とやればやるほど痛感します。
 
というわけで、うちの場合はどうなのか。
「なにぬね のばなし」に話を戻してみましょう。
その前にまずは事実だけを並べて整理してみます。
 
・奥付に印刷されている発行日:2025年8月26日
・当店の販売開始日/本が完成した日:2025年5月29日
・他店(直取引)の販売開始日:2025年8月上旬
・一般流通の販売開始日:2025年9月下旬 ※目標
 
 
この本の奥付には、2025年8月26日と印刷されています。
で、現時点での一般流通開始の目標は、9月下旬。
奥付の日付を8月26日にしているのは、自分なりに可能な日程を考えて考えて
この日くらいだったらさすがに大丈夫だろうと思ったからです。
つまり、この日付あたりに一般流通を始められるように設定しているわけです。

ですが、実際はどうでしょう。
5月29日に本は完成していて
(そもそも本の完成目標は展示初日の5月4日だったので、この時点ですでに遅れている)
自分の仕事の遅さを見越して見越して逆算して、3か月後に設定しているわけです。
結果、どうだったか。
それだけ考慮しても間に合わないわけで、しかも奥付の日付よりさらに一か月も超過する見込み。
さらに言えば、現時点ではまだ見通しが立ってないので
9月下旬に一般流通できるか実際にはわからない。
(現時点でやることが山ほどあるので、人に頼りながらなんとかやろうと思ってます)
もう本当に全然できてなくて、ある意味すごいかもしれません。
 
今回の場合、本自体は5月末に完成し、自店では販売もしていたのに全然間に合わなかった。
完成直前までサイズや販売価格や仕様なんて確定していない。
もちろん、それぞれぼんやりはあるが、書誌情報を登録する(ISBNと紐付けする作業)
ということはある程度確定させることでもあるわけで
全てが決まってからじゃないと確定なんてできない。
本体にバーコードや価格を印字するなんて、自分にとっては至難の業。できる気がしない。
 
ここまで書いたことは、一般的にはひとまずできて当たり前で「大前提」というやつだと思います。
これができなければ、話にならないわけです。一般流通は使えない。本屋に本は並ばない。
まずこの大前提に立つことが難しい。
世の中にこれだけたくさんの本が並んでる事実は、
それら全てがその大前提の上にある、ということ。
いや、すごい。ほんとに、すごい。すごすぎる。
仮にこれができたとして、ようやくスタート地点。
スタートしたかと思えば、この効力は2か月、長くても3か月で消える。
所謂、「新刊」と呼ばれる時期。この時期を過ぎると急に注文がなくなる。
なので、この期間のうちに、宣伝だの営業だの、売るために活動しないといけない。
それ以外にもとにかくやることがたくさんあるので、止まってる暇などない。
この短い期間に「売れる本」だと思ってもらえなければ、一般流通の世界では過去のものになる。
そして自分は一般流通の世界において、これらほとんどをできた試しがない。
3か月なんて、何もできないまま、あっという間に過ぎる。
 
ひとまず、一般流通について書きましたが、本とは関係のない世界や
普段の生活の中でも似たようなことはたくさんあり、
世の中にありふれている「当たり前」は、基本的にハードルが高い。
そして、それらは自分にとって大きな大きな壁です。
この壁こそが、今の自分にとって興味の中心です。
 
ちなみに、売れる売れないで考えたら、これまでの自店のデータを見るかぎり
うちの場合、一般流通(+直取引のセット)を使う方が売れなくなる。
一般流通を使わず、直取引のみで販売している本の方が売れているし、
継続的に扱って下さるお店もこちらの方が多い。
普通に考えたら不思議な話だろう。
一般流通(+直取引のセット)の方が、販路は広いのにこっちの方が(データ上)売れてないのだ。
でも、わかる気がする。理屈というより感覚的に。
理屈もあると思うが、半分くらいは後付けの理屈にすぎないのでここに書くまでもない。
ひとまず、ここで注意すべきは、あくまでも売れるか売れないかで考えた場合だということ。
 
ではなぜ、手間もお金もかかっていいことなんてほとんどなさそうな、一般流通を使うのか。
いや、本当にそう。おっしゃる通りでしかない。
なので、ここからが本題といってもいいでしょう。
今はなによりも、この「大きな大きな壁」に興味があるわけです。
雑な言い方をすると、(単純な意味で)この壁をクリアしたり克服することに、さほど興味はないわけです。
これらの壁には秩序やルールみたいなものがあって、そのルールに美しさを感じることさえあるので
好き嫌いの話でもないし、それらを肯定したり否定する話でもありません。
「できるようになる(克服)」ではないルートで、避けるわけでも、蓋をするわけでもなく
この壁との付き合い方を模索することで、なにか発見があると思っています。
実際、このルートの活動の中でいくつかの発見もあって、これがなかなかおもしろい。
ただ、苦手なことをやっている自覚はあるので、異常に疲れます。
実は、2023年にも似たようなことを思って、この壁に挑みましたが、
結局疲れ果ててしまい、一時的に離脱し、2024年に長めの休憩。
そして、今年。別のアプローチで、もう少し冷静になって再チャレンジしているところです。

もしかしたら、そんなことやんなきゃいいのに、なことかもしれません。
例えば、自身の活動のなかで生まれたことが、自分以外の人の中ではよいものだったとしても
改善点や気付きが発生する時点で、同じものはもうやれないわけで
同じものをやれるとしたら、その暴力性や課題に蓋をして
きれいごとだと自覚したうえでやるしかないわけです。
今はまだそんな覚悟もなく、途上の中で活動をしていくことが健全であると思っていて
きっと到達点なんてなくて、その道中には美しさやよさを感じない場面もあると思うけど
それでもそこにしか活路を見いだせないなら、そこに何があるのか
しっかり見ておきたい気分なんだと思います。
 
お店もそうですが、長い間、自分のやり方みたいなものでやってきたところがあって
ちゃんとしたやり方はしらないけど、自分のやり方でやっていくんだという
ある種の開き直りでやってきたのだと思います。
この先もこれでやれなくはないと思ったりすることもありますが(いや、やれないかも)
自身の愚かさや、過ちをたくさん経験してきて、
納得がいくことが怖くなったというか、納得することに納得しなくなってきたというか。
居心地のよい世界を作って納得ばっかりして、どうするんだ?みたいな心持ちなのかも。
 
本の話に戻すと、現在製作中の白水さんの本も、一般流通を使う予定です。
本ができるのも、一般流通に乗せるのも、すごくすごく楽しみです。
何年も前に「白水さんと本を作るなら~」と想像したことがあって
そのとき想像していたものとは、全然違うものになりそうだけど
こんなにわくわくするとは思ってもみなかった。
もっと言えば、現在開催中の展示にも、そんな心持ちがあります。
想像しなかった道の楽しみ方が、ちょっとだけ見つかってきたかもしれない。
「楽しみ」という言葉が持つ色味は若いころに比べて、
少し濁ってるくらいがちょうどいい気がしています。
もうすぐ完成するはずの本も、今やっている展示も観てもらえたら嬉しいです。
 
 
そうそう、最後に書くことでもないけど、
「なにぬね のばなし」の奥付の日付は、2025年8月26日。
上記の意味とは別に出口さんにちなんだ、ちょっとした語呂合わせでもあります。
この本のことも、何卒よろしくお願いいたします。
 
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これを書いていて気になったので、この文章における「すごい」という言葉に対しての注釈を。
ここでいう、「すごい」というのは、良いも悪いも優劣もない「すごい」であって
褒めてもないし、皮肉でもないし、自虐でもないし、相対的でもなものではありません。
ただ単純に絶対的に「すごい」だけであってなにかを評価するものではありません。
ちょうどよい言葉を知っていれば、言い換えたいくらい。
 
自分だってできていることがあるはずなので、できないことを嘆いてるわけではありません。
この言葉を使うとき、上下や優劣が付きまとうことがいつも悩ましい。
何度も書きますが、なにかを褒めてるわけでも、否定的なわけでもありません。
一人間としての性質なのか、生活・仕事環境を含めた体質なのかわからないけど
偏りの話として、非常に興味があります。

8/26(火)まで、仙台の本屋・曲線さんにて市村柚芽さんの展覧会「花」を開催中

2025-08-14 | ●当店発行本のこと / お取扱店のこと / 卸販売のこと



《 当店発行の本関連① 》

現在、仙台の本屋・曲線さんでは、市村柚芽さんの展覧会「花」を開催中です。
そして、曲線さんでは当店発行の本「花」も扱って頂いてます。

この本には、2020年~2023年までの花の絵が時系列で掲載されてますが
その後も花の絵は描き続けており、展覧会ではそれらを観ることができます。
この本を軸にしたとき、「その後」という捉え方もできるし
「今」という捉え方もできそうです。気になる方は、ぜひぜひ。

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【 市村柚芽 個展「花」 】
〇会場|曲線
〇期間|2025年7月31日 (木)‐8月26日 (火)
〇定休|水曜日
〇時間|12:00-19:00
※最終日の展示は17:00まで

*********************

初版発行日が2023年8月10日だったので、丸2年が経ちました。
展覧会のおかげで初めて知って下さる方もいるようで
本ならではのタイムラグがだいぶうれしいです。
展覧会も本もよろしくお願いいたします。

仙台まで行けないという方は、曲線さんのHPでオンライン販売もあるので
作品の一部を画像で観ることができます。
もしよかったらこちらもチェックしてみて下さい。

◎曲線さんのHP
https://kyoku-sen.com/

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|書籍「花」の卸販売のこと|
扱って下さるお店も大歓迎です。お気軽によろしくお願いいたします。

◎卸販売(直取引)の場合
https://ehonyarusuban.cart.fc2.com/

◎トランスビュー経由の場合(BookCellarのサイト)
https://www.bookcellar.jp/publishertop/list/734







2025年8月の営業日程

2025-08-02 | ● お知らせ



|8月の営業日程|
8月も引き続き、白水麻耶子さんの展覧会を開催中です。


|業務連絡|
6月から引き続き、いろいろな業務が追い付いてません。
特にお店の方へ(卸販売)連絡と発送が滞っております。
6月中にご注文頂いた分は、8月4日(月)発送を目指しております。
お待たせしてしまい申し訳ありません。

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時間|14:00-20:00
定休|火・水
最寄|JR高円寺駅6分 / メトロ新高円寺駅12分

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◉オンラインショップ
https://rusuban.ocnk.net/


◉卸販売(当店発行の本の卸)
https://ehonyarusuban.cart.fc2.com/


お詫び|卸販売の商品発送の遅れについて

2025-07-31 | ●当店発行本のこと / お取扱店のこと / 卸販売のこと



|お詫び・発送の遅れについて|
出口かずみさんの「なにぬね のばなし」を扱って下さるお店の方へ
(卸販売でご注文・ご予約頂いているお店の方へ)、お詫びです。

7月下旬の発送予定でしたが、今日の時点でまだ発送とご連絡ができておりません。
「なにぬね のばなし」の製本の仕上げ作業の方は終わりが見えてきたのですが
(「なにぬね~」以外の製本・製作が未完了)、梱包・請求書作成・ご連絡に
まだ時間がかかりそうで、申し訳ありません。
今週末に梱包をすべて完了させて、8/4(月)の発送を目指しております。
ひとまず、ご注文頂いた順に発送いたしますので、7月に入ってからご注文頂いた分は
8/4よりももう少し遅くなるかもしれません。
ずいぶんお待たせしてしまい、本当に申し訳ありません。

できれば、今日あたりから一人ひとりにご連絡もしようと思ってますが
あまり自信がないので、取り急ぎここでお知らせさせて頂きます。

お客様にもお伝えして頂いているお店もあると思います。
こちらの読みが甘く、ご心配・ご迷惑をおかけしてしまい本当に申し訳ありません。

またご報告いたします。


展示のこと

2025-07-25 | ●思うこと



白水麻耶子さんの展覧会、5日目です。

昨日から、壁画のような大きな作品が追加されました。
一度来られた方にも、ぜひ観てほしいです。

こんな感じでちょっとずつ変化していく展覧会になりそうです。

と言ってもこの暑さ。くれぐれも無理のない範囲でお願いします。
お店は、14時-20時で営業しています。 ※火・水 定休

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少し余計なことを書いてみますので、読まなくて大丈夫です。
今回、うちの店で開催する白水さんの展覧会としては、2022年、2023年に続き、これで3回目。
1回目、2回目と、ぼんやりですがそれぞれ違う裏テーマを設けてきました。
ただ、通底するテーマみたいなものもあって、段階としては3段階目にあたります。
今回も、ぼんやりと裏テーマがあります。が、それは書きません。
その裏テーマの影響で、感じた(る)ことを書いてみます。

設営というのは毎回不思議なもので、作家が仕上げてきたもの(所謂、作品)に対して
この絵はここがよいとか、この額がよいとか、額に入れない方がよいとか
感覚的によいと思う方へ向かってしまうことがあります。
ここに疑問というか、興味がずーっとあります。もちろん今回も細かい部分ではそうなのですが
大きな部分に一つのルールを設けていて(ゆるゆるではあるけど)、
「感覚的によい」「こっちの方がよい」ということをいくつか諦めてみました。
それは、何に心が動いているか、どんな動きが心地いいか、ストレスがないか、
それから、白水さん自身、白水さんの作品、お店、自分、お客さんなどなど
構成している要素を知るため、と言ってもいいかもしれません。いや、どうだろう。自信ないけど。
これまで自分たちが自分たちなりに、無意識・意識的に向かっていった方向を
物理的に断ち切ってみて、感覚的にはやらないこと、避けてたことを意識的に
やってみようと思いました。それでどうなるかは想像もしていません。

ひとまず、まだ5日目ですが、初日と比べるとすでに大きく変化していて、
(会期が長いので)このまま徐々に変化していく展示になるんじゃないかと思い始めました。

計画通りにはいかないことも含め、今回の展示は個人的に非常に興味深くおもしろいです。

展示なのかなんなのかわからないけど、なにかが生きている。動いている。
断ち切ろうとしても、滲み出てくる要素・性質がどこからかどんどん溢れ出てきて
その正体や原因はまだぜんぜんわからない。一進一退の攻防が続いている感じ。
何と何がぶつかっているのか、せめぎあっているのかもわからない。

そんなごくごく当たり前の展示になっているといいなと思ってます。

会期が長いので、できれば何度も観て頂けたら嬉しいです。