ちょい不良ゴーシュの豪酒録

何年やってもビギナーチェリストの日記

信州大学交響楽団第84回定期演奏会

2009年11月21日 21時17分55秒 | 演奏会
11月21日(土)に長野のホクト文化ホール(長野県県民文化会館)で信州大学交響楽団第84回定期演奏会が開催された.

          

          

信州大学のオケを聴くのは初めて.
この大学は長野県下4つのキャンパスに分散したタコ足大学.
そのため,みんなが集まって練習するのは大変だろうと思う.
プログラムには,毎週土日を返上して松本に集まって練習したと書いてあったが,移動にかかる時間や費用や労力はかなりの負担だと思う.

団員の人数も多い.
北陸3県の大学オケの演奏会をたまに聴くが,信州大オケはひとまわり大きい.
ステージにぎっしりプレーヤーが座っている.
これだけの人数をまとめるのは,大変だと思う.

そのような環境で84回目の定期演奏会を続けてきたのだから,とても立派.



オープニングは,ウェーバーの「魔弾の射手」序曲.
学生指揮者が棒を振る.
学生さんが指揮する音楽からは,団員のみんなで自分たちの音楽をつくろうとする意図や意気込みが感じられる.

最初の音が出る前に,全員のブレスが棒に合わせて聴こえてくるようだ.
緊張のなかで,集中してみんなひとつにまとまる.
次の瞬間,弦の低音が,きれいにホールに広がった.
学生指揮者クン,なかなかやるジャン.
弦楽器の数が多いので,とても分厚く迫力のウェーバーでした.

2曲目は,ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番.
ここから指揮者は,客演の高谷光信.
ピアニストはアンドレイ・イエーメツ.

アンドレイは1983年生まれというから26歳.
スラリとした長身で,長い金髪.
まるでベル・バラの「アンドレ~イ」みたい.
キエフピアノコンクールで第一位をとるなどの実績をもっている.

信州大学交響楽団は,学生オケなのにロシア人のピアニストと共演なんて凄いジャン.
どういうルートで,「アンドレ~イ」を呼べたのかと思った.
プログラムを読むと,指揮者の高谷光信はロシアの音大を出て,現在ウクライナ・チェルニーゴフフィルハーモニー交響楽団の第2指揮者を勤めているらしい.
だから,たぶん指揮者の先生の推薦で「アンドレ~イ」はわざわざ日本に来て,アマチュアの学生オケのためにラフ2を弾いたのだと思う.

少女マンガの登場人物のような容姿に反して,ピアノの音は力強くて技巧的.
デビュー当時のブーニンみたい.
粒がそろった明瞭な音がほとばしっている.
ラフ2のピアノは,ふつうは分厚いオーケストラの音に埋もれがちなことが多いのだが,「アンドレ~イ」はオケに負けない.
はやいパッセージでも,崩れない.
それでいて,ロシア風のロマンチックなクネクネもある.
「アンドレ~イ」は,見てもよし,聴いてもよし.
格好よすぎであ~る.

圧巻はアンコールで弾いたショパン.
「革命」だったけれど,アンコールが始まった瞬間,ホールの空気が変わった.
スポットライトに浮かんだ「アンドレ~イ」の世界が炸裂.
久々に,鳥肌がたつ.

今後の「アンドレ~イ」の活躍に注目.

          

3曲目はチャイコフスキーの交響曲第5番.
大人数で重厚で深みのある響きは.チャイコフスキーの音楽の雰囲気にぴったり.
特に1楽章の冒頭は,味わいがあって素晴らしかった.
チェロは結構適当にごまかして弾いていたけれど,それっぽく聴こえていた.
この曲の4楽章は,チェロのパート譜は黒玉がぎっしり並んでいて難しいもんね.

アンコールで,ぶ,ぶ,ぶっ飛びました.
ハチャトリアンのレスギンカが始まったと思ったら,バーンスタインのウエストサイドからマンボウへ.
ファゴットにぼんぼりをつけて,弦楽器奏者は全員立ち上がって「マンボウ!」を叫ぶ.
Tubaのお兄さんも,STAR WARSのチューバッカのようにウォ~と雄たけび.

信州大学なかなかやるジャン.

とても内容が濃い演奏会で,大いに参考になりました.












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