「マイケアプラン研究会」活動報告

マイケアプランは高齢者の権利宣言
いつまでも自分らしく生きるために・マイケアプランを応援します

ほっとなマイケアプランニュース150号より

2014-11-15 | ほっとなマイケアプランニュース



">“My Care Plan News” No.150
& 研究会創立15周年記念号に寄せて
>         マイケアプラン研究会 代表世話人 小國 英夫>

  お陰様にて記念すべき時を迎えることができました。しかし、介護保険をはじめとする社会福祉制度政策の現状や将来を考えますと憂慮すべきことが山積みという感じです。
私たちは21世紀を迎えるに当たって、非常に胸膨らむ思いでした。今度こそ戦争のない世界が実現する、「経済成長」よりも「福祉や人権」が優先される時代がやってくると。果たして現状はどうでしょうか。悩ましい限りです。
こうした中で、私たちは国家や法律制度に依存することなく、市民として、生活者として、社会の現状と私たちの暮らしの将来を見直し、子どもや孫の世代にシッカリと伝えるべく「人間としての本当の生き方、あり方を実践」しなければなりません。マイケアプランというのはそうした意味での「人生と暮らしのプラン」だと思います。
研究会では近年「お隣人(おとなり)さんなしで大丈夫?」シリーズの公開企画に取り組んできました。学び合い、助け合って生きていくという生き方の原点を大事にするのがマイケアプランの根本精神だと思います。
  150号発刊に際し、会員・ニュース送付先の皆様にご感想などくださるようお願いいたしましたところ、多くの方からメッセージをいただき掲載させていただいております。ありがとうございました。15周年が新しいスタートであることを願っています。

  

マイケアプラン研究会として勝ち取った要支援1font>             倉本 文子会員

  私とマイケアプラン研究会との出会いは介護保険開始直前の3月末であった。その1か月前に奈良県在宅介護支援センター(現在の包括支援センターの前身)職員研修があった。私は職場代表で出席し、この会の代表世話人である小國さんの講演を聞き、“私自身のこと、人に決めてもらうことはないやろ”と持ち前の疑問に思ったことは必ずその人に尋ね、くいついていく性格で研究会に参加していった。
 この14年間に、両親、父の弟(父の翌年)、母方のいとこ(60歳前半・・母の実家の一人娘)その他、高齢の方の死が次々、そして研究会会員でともにシンポや世話人として話したりしていた人との別れ、介護がジワジワと毎月集まっている会員及び私自身にせまってきた。そのためのマイケアプランで人生の振り返り、これからの生き方を考える時が来たと思う。特に今年3月末の姉(70歳)との最後の緩和病棟に入ってからの1か月の関わりは私に大きな力をくれたように思う。
  その一つに、見舞いに行くたびに、そこに居合わせた知人や、緩和病院のスタッフに、私を紹介するのに“この妹、看護師さんで介護の専門家で賢いんよ”と自分の身体がしんどいのに見舞った私を気遣ってくれた。その時、私は姉の年若くして、この世を去る無念さの中に最後の無言の遺言、すなわち“文子、あなたは自分の身体をチェックして長生きせなあかんよ・・・。子供や孫に良い母、良いおばあちゃんしいや”と言うように感じた。
 姉の死の3日前、私が緩和病棟の個室に行くと少しさびしそうに見え、「文子、家に帰りたいんや・・・」と言った。私は「家に帰ってもすぐ病院に帰ることになるよ。それでもいいの?」と言ったが、だまってしまった姉を見て、何とか数時間でもと思い「義兄さんに相談しいや」と言って見舞いを終えた。翌日姉はリクライニングの椅子使用の介護タクシーで自宅へ。家の前に車が着き、家に入るなり仏壇の前で「御先祖さん、もう少し生かせてよ!」言ったと、この日に見舞った妹から聞いた。この言葉で私は早期検査を受け癌が見つかり、手術。術後、抗癌剤内服と短期間に私の人生観が180度展開する中、これまでの定例会の中身まで(内容、介護保険制度の変化等々)整理改革するときが来ていることに気が付いた。
  10月14日『俚志』(さとびごころ・・季刊誌 奈良の自然と愛しながら人とのつながりを大切に、長く住みたくなる地域社会づくりを目指している)の取材を自宅で3名の会員の方と共に受けた。主に私のマイケアプランの熱い思いを聞いてもらえ、帰りには住いの周辺で軽度介護者の入浴サービスをするならこんな空き家や施設があると話した。私たちマイケアプラン研究会の仲間は制度の学習を実践に行動していく仲間へと前進していることを信じたいと思う。
  上記を8月22日に介護申請し、9月4日訪問調査、2週間後の認定審査会で私の予想通り、自立ではなく「要支援1」が認定され、通知文書に“自己作成できます”の文字。認定主旨にはサービスの指定があった。このことは私が看護師であるがゆえに、いろんなことを知り過ぎ、化学療法の副作用等々の不安が大きくなること、薬アレルギーがあることは認定には直接関係ないが、10月3日サービス担当者開始後の検討項目には入れ、説明した。(参加者:訪問看護ステーション管理者、担当者、家族(弟の嫁)、私を含め4名で実施した。)私の事業所(サービス)選択において、マイケアプランらしいこれまでの私のアセスメントの内容を一番理解してもらえるだろう所を選択できたのは、手術まで現役ケアマネを続け、マイケアプラン研究会にも通い続けたおかげで、物事が客観的に観察でき、いろんな情報の中で、私に必要な人材に巡り合えることができたからだと思っている。私の住いのご近所との会話も増え、本来のお隣さんができつつある。


  150号記念号に寄せて              佐竹紀美子会員
  マイケアプラン研究会、マイケアニュースは知る人ぞ知るの名前ですが、よくも15年、150号も続いてきたなあと創立時期を懐かしく思い出します。政策がほとんどないに等しい老人福祉の行政窓口を経験し、そして義母との同居を始めるに当たり介護退職したとたんに、連れ合いの発病となり(軽快はするが)、3人それぞれの加齢現象が進んで、義母との老いを共に歩もうという明るい気持ちも、時にしんどさに潰されそうになったこともありました。4年後の介護保険の登場を大いに期待したのですが、義母は制度導入の初めての認定調査予約を決めて間もなく旅立ってしまいました。訳が分からんようになったらどこでもやってや、といつもお風呂に入りながら言っていましたが、本音はタタミでということは言わずもがなでわかっていたので、3回目の入院は親族合意でやめて、家でゆっくりと見守りました。もうアカンといいながらも数日を見守り、添い寝をしながら不覚にも寝てしまい、気配で眼覚め、旅立ったことを知りました。研究会創立の年末のことでした。
  15年たち私は後期高齢者に突入し、連れ合いもADLが気になるようになってきました。いつどちらが要介護状態になるかわからないが、自分らしく生きぬきたいと思っています。
ところで世界中が少子高齢化の状態で社会問題、政治問題になっていますが、日本ではベビーブームの団塊の世代が75歳になることを想定して政策決定、介護保険・高齢者問題を計画しており、今回の介護保険の大改定ももちろんそれがねらい目です。
思うに、ベビーブームにまつわる社会問題の根源は戦争です。日本の隣国関係の悪さの課題は、侵略や植民地支配の後始末だと思います。歴史認識や懲りない人間の欲望や国家のエゴから来ているのではないでしょうか。
  今の世の中全体が一昔前の雰囲気になってきているといわれます。昔は庶民には知らされないままに政治が突き進んでいきました。今日ではある程度情報が公開されたり、ネットでの意見交換や、海外への流出など情報量は莫大なものとなっています。
  戦争ほど愚かしいことはありません。ツケを孫子に残さないという言い方がありますが、ベビーブーム、第2次ベビーブームに加えて、お一人様・非婚時代となり人口減少化はもう確実です。(人口減少は、それでよいと思っていますが。)そして唯一の被爆国としての経験と教訓をしっかりと受け止め、その対処の範を世界に示さないまま、加えて被曝国となってしまったことを重くうけとめたいと思います。それこそ孫子に、地球の近未来に禍根を残してしまったのではないですか。
  介護予防が叫ばれており、確かに健康寿命という考え方は大事です。公園体操なども大いに結構だと思いますが、戦中のラジオ体操のことと重なってちょっと不穏な気がしてしまいます。最近盛んな防災訓練も同じようなことを感じてしまいます。気が付かないうちに忍び寄るものをかぎ分ける力が必要だと思います。
マイケアプランの底に流れる考えを、改めてしっかり自分のものにし、これからも意見を交換し、また世に問いながら、共に支え合って、マイケアらしいお隣人さんづくりを実践していきたいと思います。

  
150号によせて                森 洋次会員
  マイケアプランニュース150号、本当におめでとうございます。マイケアプラン研究会の活動ですばらしいと思うのは、マイケアプランニュースを毎月発行していることです。これにより会員全体が一緒に考えることができますし、会員でない方、行政、地域包括支援センター、ヘルパー等々と一緒に運動することができます。ただ、そのためには、例会の充実が何より大切だと思います。世話人の方が大変苦労しておられることはよく承知していますが、介護保険制度、マイケアプラン運動について、論点を明確にして、掘り下げた話し合いが持てるようお願いします。
  私の近況ですが、昨年夏、母が死にまして介護が終わったのです。次に、最後まで面倒を見なければならない親族が一人いますので、今は介護問題を忘れないようにしています。具体的には認知症の人と家族の会の集いに月1回参加し、いろいろな話を聞いています。ただ参加者は30人くらいで、名前と介護している人の状態、今抱えている問題を手短に紹介し、全参加者からアドバイスをもらうのです。私などは、それだけの人の前で家族の事情を上手く話す事ができません。母の介護を振り返って、今も考えあぐねている問題が少しあるのですが、それは私の家庭事情が関係しているからです。もし、3~4人で、介護経験のある人の集まりなら、もう少し話せたし、話したいとも思うのです。そのため、認知症の人と家族の会の地域での小さな集まりにも参加しています。
  そのような集まりは、アドバイスをもらうことが目的で、司会者もいろいろ言われるのです。しかし、一番大切なことは、発言することでその人が自分の問題に気が付くことも多いのではないでしょうか。ともかく、その人が自分の問題を話しやすい雰囲気をつくることが重要ですから、黙って聞くことが大切だと思います。話す人は、手短にしゃべることを心がけるべきです。
次に、マイケアプランの実践をどう考えているかです。私に周りにマイケアプランを実践しそうな人はいるのですが、それは介護支援専門員等の資格を持った人でして、そうでない方は知りません。マイケアプランの実践は、自分である程度介護保険法の制度を理解して書類作成しなければなりません。それを確実にするために、専門家の援助があるとか、出来ればパソコンの操作ができると、容易にマイケアプランができると思います。要は、自分が必要な介護計画を作ることで、書類作成が目的でないことは当然のことです。しかし、すこし壁は高いかなと感じています。
そのよう状態の中で、今考えていることを2つ書きます。
  第一番目は、介護保険制度は複雑になりすぎているのではないでしょうか。それが、マイケアプランを実践するしないにかかわらず利用者の自己選択権を制限していないかということです。
介護保険法が成立してから、何が起こったのでしょうか。当初見込みを超えて急速に利用が拡大し、介護保険法が始まって2~3年目くらいから給付抑制が始まったのです。それ以降、訪問介護や、デイサービスを介護保険制度から除外することが言われ始め、2005年改訂は予防給付に形を変えて大転換することになりました。今回の地域総合支援事業は要介護度を軽度に限定して、訪問介護や、デイサービスを介護保険制度から除外することを完遂したのです。
  その一方で、介護保険法の制度は複雑になる一方です。介護保険法に関する事業所の指定基準、介護保険報酬の単位数表は、膨大なものになっています。保険制度として、いろいろな状態の介護に適正な報酬を設定し、それを適正に給付するよう事業所基準を守らさなければならないとの問題はあるでしょう。しかし、私が見ているところでは、2005年改訂で予防給付が始まったことと、訪問介護で在宅介護を制限して、利用しにくくなったことから、制度がより複雑になったとしか思えません。厚生労働省は、介護保険の報酬単価を変えることで、厚生労働省が正しい、そうあるべきと思う介護保険制度が作れると思っているのでしょう。しかし、現実は、介護を取り巻く環境は複雑化、重症化していますし、十分な介護を要求する利用者の運動がありますから、問題が生じるたびに、事業所の指定基準、介護保険報酬の単位の手直が必要ですから、内容は複雑になる一方です。
  世の中の仕組み、中でも法律のように誰でも関わるものが、専門家の助言がなければ利用できないのでいいのでしょうか。それは、自己決定権を奪うことです。世の中の仕組みはだれでも理解できて、それを直接手続きできて初めて、その人の自己選択権が保証されていると考えるべきではないかと考えます。
現状の介護保険制度は、その制度がかなり複雑なものになってしまったという意味で、要介護度にかかわらず利用者の十分な自己選択権を奪い、介護保険制度の存立基盤を危うくしているとしか思えません。ではどうするか、誰でも分かる仕組みにより手続きができるようにし、その上で必要な援助をすることです。問題を当事者と援助者の問題にせず、地域全体か関わることです。そのようなことが、介護保険でも求められと思うのです。一部の不正受給問題を過大評価して、制度そのもの潰してはなりません。
  第2番目は、介護保険法の将来はどうかです。来年からの改訂は、私達の暮らし、生活を破壊するものだと思うのです。当然、声を上げる必要があります。しかし、もし私たちの暮らし、生活が破壊されたら、困るのは資本家とか事業主のように人を雇っている人です。要するに介護が必要となれば、働き盛りの人でも、会社を辞めて介護します。これは、男女平等な状態になっています。ですから、介護保険法の問題を個人とか、地域にボールを投げ返し責任回避することはできるかもしれません。しかし、それが、地域とか個人の持っている容量を大きく超えると、介護保険制度は続いても社会は成り立たないのです。声なき声を聞かないと、困るのは厚生労働省ではないでしょうか。
ですから将来的に介護保険制度の再修正をしなければならないと私は予見します。だから心配しなくてもよいといって言っているのではないのです。それまでの痛みは私たち自身の問題です。これから、壮年、若年の人たちの介護に関わる意見を多く聞いて、一緒に運動するなら、より幅広く、力強い運動が期待できるのではないでしょうか。
 以上、夢のようなことを書かせていただいて、お祝いの言葉とします。ご批判をお待ちします。




  公開企画の日程・会場などが確定しました。 詳細は来月お知らせいたします
公開企画 “お隣人さんなしで大丈夫?”パート6
       日 時:2015年2月15日(日)13:00~16:40
       会 場:ひと・まち交流館 京都 3F 第4・5会議室
       テーマ:「やりましょ! 自己選択・自己決定
           ~あきまへん! 当事者抜きの介護保険~」(仮題


 たそがれ通信 ○21  
      正確な記録を残したい 
       藍 植男会員
  10月からノートを用意して、1日に1ページをとり、その日の行動・行事等の予定、出来事・情報、訪問・来訪、着発通信、読書摘録、健康記録等なんでも書いて埋めることにしました。①記銘力保持・認知症予防、②メモの散逸・争いの防止、③後日の活用、のためにというつもりです。この原稿を書き始めようとして早速 その日録を見ました。
◆ 1日 この日は、妹の作ってくれたパン・自家製の鶏のスープ・トマトで朝食。昼は握り飯・野菜の味噌汁・久しぶりで採れたイチジク。夜は粥・おでん・野菜炒め・友人からもらった平茸のバター焼き・バナナ。独りでしたが、バランスのとれた食事。息子が家族の病気のことを尋ねてくる。従妹から見舞いとして老舗のカステラが到来。午前の地域史の勉強会は、江戸時代後期の近くの村の水論(水争いの記録)。先日入院した友人とその夫の病状を詳しく聞く。昼過ぎ、みんなでやっている里山保全・活用の作業と取材対応で山へ行く。女性記者が熱心にインタビュー。近日の催しに来る人に配る品を友人の作業場で7人で加工する。そこで友人からニンニク・山芋、別の友人からクリをもらう。山で使う工具のことをやりとりし20万円の払い込み。水利の負担金(昨年より20%上がっている。)払い込み。下旬にある別のボランティアの会の集いの案内を遠方の友人に電話で連絡、出席との返答を得て集約担当に電話。友人の娘のパワハラによる欠勤問題について、夜遅くまでファックスと電話で相談を進める。日頃の何倍か動き疲れる。
 報道:○消費支出5か月連続で減少、前年比は-4.7%。2人以上の世帯家計調査8月28万2124円。○6年1か月ぶり円安、110円/$、中小企業・消費者に大幅しわ寄せ。大企業には利益増。○外食・保険料・航空運賃値上げ。厚生年金保険0.354引き上げ。○政府日米防衛指針から「周辺事態」の文字を削除、自衛隊が全世界で米軍の支援をできるようにする方針。8日に中間報告に有事前の米艦防護を盛り込む。○仲畑流川柳から-戦争で民を守るという矛盾 中林照明   敵よりも味方を守る政治やれ 春の小川 [以上10・1分要約]
 
  今日の記録は平均よりかなり多いのですが、こんな調子で入力しているといつもの  A4判2ページ分に5~6日分しか入りませんので、ひと月の中からずっと後まで影響を及 ぼしそうな事実を拾い上げ、ひとこと書き入れます(この際書き加えた分は教科書体で)。
◆2日 九州電力等が再生エネルギー買いとり中断の方針。温暖化防止に顔を背け、環境保全を実践してきた人の梯子を外す所業。◆3日 三菱重工業が戦闘車体共通化でコスト減・輸出増を図る。7月にミサイル部品の輸出解禁・首相外遊での武器売り込みがあったが、いよいよ死の商人が普通の顔をして世界に出て行くことに。
普通の神経形成のカギ制御役を名古屋市立大藤原ら発見。スゥェーデンで60代女性の子宮移植で出産。これらが今人類に必要か、将来幸福になる人が増えるのか。◆4日 米国の国防長官「イスラム国・シリア領内への空爆で1日700万~1000万$。」
◆5日 全国の1229(71%)の自治体が、隊員募集用に適齢者の情報を防衛省に提供。
  軍国主義の時代には村役場に兵事係がいて適齢者を把握し軍に連絡、それにより軍から来る赤紙を配った。当時の記録は敗戦時に焼却され原史料は殆ど残っていない。
◆6日 イスラム国の兵士を目指して渡航しようとした北大生らを警察が逮捕と報道。当局の発表をもとに各報道機関が同様の内容を伝えているらしい。絵に描いたよう。
先月末に国民安保法制懇が集団的自衛権で会見。元法制局長官「まさにまやかし」。
 
  ここまで転記して大切な原則のことがおろそかになっていることに気づきました。書き込む余地が少なく書き込むべき記事が多いときにはその出所とページなどを書き忘れることが多くなります。正確を目指すなら、原文をきちんと読み、典拠等を明確に。
  それと、他のメディアとの比較検討・内容吟味が大切なことは言うまでもありません。今の記者は時間に追われていてじっくり検討する暇がありません。しっかり考える力も落ちています。組織としての報道機関も信用できなくなっています。(朝日新聞の勇み足、対する読売・サンケイ・週刊月刊各誌のキャンペーンは史上稀有の事件ですね。)
  関連して、今のマスコミは「絵」にならないこと・論理を重ねること・倫理を貫くことにたいへん冷淡だと思います。大震災と原発・除染とガン・機密保護法と総背番号制・税制とTPP・食糧と過疎・沖縄と米軍・教育と民族⋯等々。一部では根気よく特定のテーマを追っていますが、こちらの注意が散漫になっていることも反省しなくてはなりません。 (10月7日は、赤崎・天野・中村氏ノーベル物理学賞受賞で大騒ぎでしたが(三氏ともいい顔と言葉が印象的)、京都地裁で朝鮮人学校への暴力的示威行動について人種差別撤廃条約違反として損害賠償と街頭宣伝禁止の画期的判決が出されて1年の日でした。【今年7月8日大阪高裁が 表現の自由の濫用として在特会の控訴を棄却。】

  ここで振り返ったら15年の歴史がある当会の皆さんの関心が強い福祉・介護・医療のことが出ていないのに気づきましたので、その辺に絞って書き進めることにします。
(1日1ページの枠をとると、余白がかなり残る日もあります。そこには資料の抄録等を入れています。読み飛ばせるものも著編者・資料名・発行所・年月等は控えます。書名だけ挙げます。→『桜葬』『認知症と長寿社会』『共助のちから』『いつまでも老いない脳をつくる』『「生活史」の発見』『がん治療を受ける前に知っておきたい55のこと』)
  読み返してメモしたのは、増子忠道著・宮崎和歌子編集協力・筑摩書房13.10刊の『やりなおし介護保険 制度を生まれ変わらせる20の方法』です。著者は、大病院を経て在宅医療・訪問診療を長年続け、現在は健愛クリニック所長。東京都で初めての訪問看護ステーション・老健施設・医療福祉学院をつくって運営してき、著書には『柳原病院20年の地域医療の挑戦⋯』『最期まで家にいられる在宅ケア』など多数あり、協力者も人間味と能力に惚れ込んだ弟子で永年の同志。聞いたことがあると思ったら、別の人が、著者は2005年6月の参議院厚生労働委員会で証言をした、と記していました。
  また要点だけを紹介して、≪詳しいことは本を見てください≫とお願いすることになりますが、彼はズバリ「困ったときに役立たない」「介護保険の到達点は55点」とし、「制度の仕組みが複雑奇怪」「要介護認定はわかりにくい」「認知症は要介護認定になじまない(⋯寝たきりの認定尺度で決めるのは間違い)」といったことを現場に即した事例を挙げて示しています。卓抜した専門性と豊富な経営手腕をもつ彼自身が基準になっているからか、医師の判断を軸にしたケアを説いているように受け取れるのは難でしょうが、困惑し・苦悩している人たちを注視して、要介護状態になっても、自分らしく生きられる社会に近づけるようにと、多くの具体的提案をしています。一部を紹介しますと、
△「分かりやすい」→要介護認定は3段階にする。△「質を上げる」「働きやすい」→各職種参加のカンファレンス・中抜け勤務・直行直帰廃止。△「どんな疾病・障碍があっても、いつでも利用できる」→24時間対応の急護体制・医療要素は医療保険へ分離。



次 回 定 例 会                                
★ 第166回11月定例会
   11月21日(金)13:00~15:30 
      2F 第1会議室(いつもと違います)
        内  容:・2014年度公開企画について・マイトピックス ・
             ・改訂介護保険を学ぶ
             ・その他         
        読 書 会: 引続き 15:40~16:50
     『「老年症候群」の診察室 超高齢社会を生きる』 
     (P.156)より 第15章高齢者終末期医療
       ――看取りパイロット
    
      ニュース発行:12月 5日(金)10:00~

>次 々 回 定 例 会   
★ 第167回12月定例会
   12月19日(金)13:00~15:30 3F 第3会議室      
        内  容:・2014年度公開企画について
             ・マイトッピックス  ・その他
        読 書 会:引続き 15:40~16:50
          『「老年症候群」の診察



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