朦朧会見で世界に醜態をさらした中川財務大臣はリーマンショックで欧米が深刻な経済危機に陥ったとき「日本がバブル崩壊から立ち直った経験を欧米に伝授したい」と発言した。この発言は全く誰からも注目されなかったが実は日本は全くバブル崩壊から立ち直っていないのです。それにもかかわらず「バブル崩壊から立ち直っている」としている点で問題なのです。本来ならこの時点で財務大臣失格として即刻首になるべきですが閣内からも外部からも問題にされることはありませんでした。ここに日本の指導層が正しく現状をわからないまま国を運営しているという問題が浮き彫りにされています。十年前に世界の18%もあった日本経済は世界の10%をきるまでに小さくなっています。年収200万以下の低所得層の数は10年前の5倍になっています。失業率は5%を下らない。世界最大の債権国であらゆる技術を持つ国がなぜかくも国民に苦難を強いなければならないのでしょうか。なぜ国民が貧乏になるように経済を運営するのでしょうか。
バブル崩壊からの回復に失敗したことは歴然としています。
日本が落ち入っている病気はデフレです。物価が下がり、多くのものの売り上げが減少する病気です。これを止めるのは通貨増発が必要です。しかしながら政府は財政再建と称して歳出削減をつづけ、デフレを一層助長する政策をとりました。 数年前にトヨタ自動車が2兆円の利益を出し、戦後最長の好景気などという声もありましたが潤うのは外需関連の企業だけで国民の暮らしの悪化は確実に進んでいました。日本は十分な黒字があるのですから輸出を増やす必要などありません。国民が貧乏になっているのですから内需を大きくしなければならなかったのです。内需を大きくするには財政出動や円高ですが政府は逆に歳出削減をし円安を誘導しました。
日本国は世界一の豊かさを誇ったにもかかわらず2008年には平均で世界23位までつるべ落としに貧乏になっていきました。経済政策の失敗は歴然としているにもかかわらず何処からも日本経済を救うために有効な処方箋はでて来ませんでした。
リーマンショックへの対応として麻生内閣は4次に渡る補正予算を組みましたがこれと同じかこれ以上の財政出動を平時からやっておかなければいけなかったのです。これは麻生内閣の責任ではなく、財政再建を主張した政治家、経済学者、或いは税金の無駄遣いを大々的に批判した野党、マスコミなど全ての責任でしょう。日本は世界最大の債権国で最も財政再建の必要のない国です。いくらでもお金はあるのです。
日本経済をここまで悪化させた自民党が無能だとして政権から追われる情勢にあるのは当然のことですが政権党と協力すべきであった日銀や財務省、経済学者の無能ぶりも同時に明らかになったといえましょう。世界最大の債権国でありながら財政再建を叫んだ財務省や経済学者は頭を丸めなければなりません。自民党の失政の一端は彼らにもあるのですから。
自民党の没落は大した問題ではありません。日本経済を誤らせ、日本国民を塗炭の苦しみに陥れたことに第一義的な責任を感じず高給を食み続けることは許されないというべきです。
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