日銀券を増刷して日本国を救う村島定行のBlog

①日本は世界最大の債権国、お金がなければ刷りなさい②英語を多用すると次第に馬鹿になる③靖国参拝は日本人の義務だ。

古事記1300年、 ②母を同じくする兄妹間の恋愛感情も珍しくはなかった。

2012年07月10日 | 日本語
 古事記が出来て1300年である。当時は近親結婚が多かった。母が違えば兄妹間の結婚も認められていた。ただ母が同じであれば許されなかった。その例を二つ挙げよう。
 第19代允恭天皇がなくなられたとき軽太子(かるのみこ)は天皇の位に就くべき皇太子の地位にあったのに、即位前に母の同じ妹軽太郎女と仲良くなってしまった。ここにいたって宮中の役人達や天下の人々の心がが軽太子に背いて穴穂の御子に移ってしまった。軽太子と穴穂御子の間に戦争になりそうになったが説得されて軽太子は捉われ、皇太子を解かれ道後温泉に流罪になった。軽太郎女は太子を追って伊予の国へ下りて共に死んでいる。しかし古事記の書きぶりでは天皇になる前におおっぴらに仲良くなってしまったことが悪いと取られかねない。
 これと似た話であるが第11代天皇垂仁天皇の后である沙本比買に対して同母兄の沙本毘古の王が「夫と兄と何れが愛しき」と聞いて「兄ぞ愛しき」と答えると「吾と汝とで天の下を治らさむ。」として寝ている天皇をこの小刀で殺すようにと小刀を渡した。事件は未遂に終わり沙本毘古王は反逆の罪で殺されることになる。これは当時同じ母の兄妹間の恋愛感情がそれほど強く抑えられることがなかったことを示している。
 
 古事記は近親婚のタブーのゆるい日本の実情が示されている。二つの例とも軽太郎女も沙本比売も愛人と共に死ぬことで愛に準じている点は救いである。軽太子は天皇の地位を逃がし、沙本比売は皇后の地位を追われるという代償を払いながら全く悪びれている様子はない。古事記の作者も特に非難しているようには見えない。
そのもとにはイザナギの命とイサナミの命によって日本列島が生まれ、その他の神が生まれたことになっているがこの両神は兄妹である。日本の神話は兄と妹との結婚により全てが始まっていると言えるのだ。
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