むじな@金沢よろず批評ブログ

台湾、国際情勢、アニメなどについて批評

呂秀蓮前副総統が「今の中国共産党は6・4のころとは違う」、確かに違う、より悪くなった

2009-06-04 23:21:47 | 中国
呂秀蓮前副総統の言動が最近おかしい。民進党の中国との交流の是非と方法が議論されている最近、「今の中国共産党は6・4のころとは違うから交流すべきだ」などと発言した。
今の中国共産党は6・4弾圧をしたころよりはマシになっているといいたいようだが、とんだ事実誤認である。
「6・4のころとは違う」というのは、私も同意する。
しかしそれは呂氏が言いたい後段とは意味は逆で、むしろ中共党も中国人も、質が悪化したから違うという意味だ。

というのも、1989年時点の中国人はいまだ純朴な部分があって、今のように金のために手段を選ばないという風ではなかった。
しかも、天安門における学生の抗議デモのきっかけとなった死んだ胡耀邦に代表されるように、中共党内にも民主化や多元化を議論する雰囲気があったし、学生も民主化のために立ち上がるという意識はあった。もちろん、学生らの「民主主義」も西側の基準から見るとずいぶんと曲がったものだったが、それでも今のように「金」だけではなく、理念を求めるという純粋さや美しさがあった。
正しいかどうかは別にして、理念を大事にする点では、今よりもずっとまともだ。

今の中国社会と共産党ときたらどうだ。あるのは金儲け主義だけだ。金のためには手段を選ばず、弱いものを踏み台にして騙して食い物にする、そんな腐った人、人面獣心という言葉がぴったりな社会に堕落してしまっている。

そういう意味では、6・4を弾圧したころの中国共産党のほうがまだマシであった。今は戦車で弾圧するんじゃなくて、金の力で弱者を毎日何万人も死に追いやっているんだから。
2千人が虐殺された6・4よりも、今のほうがはるかに殺され踏みにじられている人数は多い。
そうした新自由主義の悲惨さや恐ろしさを無視して、「今のほうが増しだ」などといっているのは、実態をまったく見ていないというしかない。単なる新自由主義の走狗というべきであろう。


最新の画像もっと見る