土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

青蓮寺、菟田野日張山山中に在る尼寺です。

2017年09月05日 | 奈良の古寺巡り






(2017.09.02訪問)


新大和路号は正真正銘大和路を走っています。やがて刈り入れの稲穂が揺れている久々の大和路は長閑です。
R166を南へ途中青蓮寺への道しるべ、左折してしばらく走ると一転山中へと道は向います。中将姫の伝説で著名な日張山青蓮寺は山
の中。標高595メートルの日張山中腹に青蓮寺は在ります。対向車の通行を許さない狭く急坂、急カーブ、まあ凄い山道です。うっ蒼
とした杉木立の間を行くと、やがて目の前にぽっかりと空の見える所、視界がグッと広がりまるで浄土世界がそこに在るように境内が
広がっています。





▼日張山への道半ば、石仏などが祀られ、余裕の道に見えるでしょうネ。
 この道が曲者、だんだんと対向車の通行を許さないくらい道幅が狭くなりそのうえ急坂、まあ凄〜い山道となります。







[ 青蓮寺 ]
●山号 日張山 (ひばりやま)
●院号 成就院 (じょうじゅいん)
●寺号 青蓮寺 (せいれんじ)
●宗派 浄土宗 (じょうどしゅう) 尼寺
●開基 中将姫 (ちゅうじょうひめ)
●開創 天平宝字九年 (765年)
●本尊 阿弥陀如来坐像
▲拝観 境内自由 朱印300円 
▲時間 6:00~17:00  
▲奈良県宇陀市菟田野宇賀志1439 0745-84-2455
▲http://web1.kcn.jp/seirenji/
▲近鉄大阪線「榛原駅」から奈良交通バス「菟田野行き」「東吉野役場行き」で「松井橋」下車徒歩約4km





▼何者かよく判らないお二人。







青蓮寺縁起 (青蓮寺HPより抄出)
奈良朝右大臣藤原豊成の息女、中将姫が継母のざん言によって十四歳でこの山に配流、武士松井嘉籐太に助けられ、ここに草庵を結
び、閑居練行二年六月ひたすら念仏三昧の生活をおくられた。そのうち父君が遊猟に来られ、不思議に再開を得て奈良の都に帰館さ
れたが、菩提の志止みがたく遂に当麻寺に入りて出家剃髪の身となり法如尼と名のり、有名な当麻曼荼羅を感得、十九歳の夏再びこ
の山に登り、一宇の堂を建立、自らの影像と、嘉籐太夫婦の形像を自ら刻み安置、日張山青蓮寺と名づけ尼主の道場とされた由緒あ
る山寺である。尓来1200年の星霜を経て、幾多の変遷をまぬがれず、現今の堂宇は弘化四年(1847年)に再建建立。数々の遺物と嶺の
松風、渓の清流は昔ながらに中将姫の哀れにもゆかしい物語を今日に伝えている。





▼その横にお地蔵さんが微笑んでます。







▼手水舎。どうもここからが参道のようです。
 先への道のしんどさを象徴するように、日張山用の杖、ご自由にお使い下さいと書かれてたくさんの杖が用意されていました。







▼無常橋がかかっています。この辺りは宇賀志川の源流らしいです。







▼参道の先に山門が見えます。







▼山門。質素な山門の前に、青蓮寺の案内札が立てられています。







▼山門を潜ると石段の綺麗な参道が一直線。庫裡の屋根が見え出します。







▼青空が広がる境内、尼寺の何となく優しい香りが漂います。







▼青蓮寺の本堂開山堂。中将姫をお祀りしています。
 冬場の雪が相当深いらしく銅板葺きの屋根の傾斜はかなりのものです。
 桁裄三間、梁間四間、寄棟造、銅板及び桟瓦葺、一間向拝付。弘化四年 (1847年) 再建。
 縁の欄干のみ朱色、少しばかリ異形の感あり。







▼頂いた古い絵はがきの本堂、トップ屋根は茅葺ですネ。
 前庭もかなり違い、キャプションも右横書き、字体も古字が含まれ、住所表示も古い、何時頃の写真でしょうネ?







▼寺号が書かれた扁額。







▼内陣の設え。中央須弥壇奥のお厨子に中将姫が祀られています。







            ▼この方が中将姫。姫自らが手彫りしたお像と伝わるそうです。







            ▼當麻曼荼羅。中将姫が当麻寺に入り出家、この曼荼羅を織り感得、
             再び日張山に戻り青蓮寺を建立したという由緒があります。



             (曼荼羅写真はネットから)





▼中将姫が彫ったという松井嘉籐太夫妻の像。法如尼(中将姫)の弟子になった嘉籐太の妻静野(如春尼)へこの寺を与えられた。







▼松井嘉籐太と妻静野の墓。







▼本堂開山堂。







▼鐘楼。







▼梵鐘「無常の鐘」







▼阿弥陀堂。本尊阿弥陀如来坐像。桁裄三間、梁間四間、入母屋造、銅板葺、唐破風の一間向拝付。







▼頂いた古い絵はがきの阿弥陀堂、屋根はやはり茅葺ですネ。







▼阿弥陀堂扁額。阿弥陀仏殿と書かれています。







▼須弥壇上の本尊。







            ▼本尊阿弥陀如来坐像。
             像高1mくらい、全体のバランスも整い、躰部の金泥は非常に綺麗。
             ご住職曰く江戸初期くらいの作だそうです。







▼半眼の玉眼は細工が見事です。
 お顔の金箔剥がれは「私の仕業」とご住職、ついつい擦りすぎたそうです。勿体ない!







▼阿弥陀堂。







▼この石塔は墓標ではないそうで、何か記念石塔らしいです。







            ▼十三重石塔。黒御影石製、すこぶる高価そうですね。







            ▼何方か解りません、石像です。







▼庫裡前の小さな池。







▼庫裡です。こちらでご住職から御朱印を頂きました。
 このご住職 (勿論尼僧です) 話し好き、各お堂を案内説明し、お経まであげて頂きました。感謝合掌!







▼御朱印です。







創建1200年以上のお寺と伝わる青蓮寺は山寺と云う古寂びた感じはなく、尼寺と云う言葉の響きからでしょうか、どこか柔らかな優
しい雰囲気が漂っていました。ただ周辺環境はかなり厳しく、生活環境、日々の暮らしは大変な所、ご住職も「ここへは住めません、
私は毎日下からお弁当持って通っています」とのこと。それも立派な修行の一つ、しかしたった一人で尼僧としての修行はどんな感じ
なのか思い浮かぶことはボクには出来ませんでした。

青蓮寺これにて オ シ マ イ





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