土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

瑞龍寺、伽藍構成の「美」を堪能。

2018年05月06日 | 富山の古寺巡り





(2018.05.01訪問) 


予てから是非訪ねてみたい古刹の一つが、富山県高岡市の瑞龍寺なんです。
GWの5月1日、行ってきましたヨ瑞龍寺。我が家から約350キロ、第二京阪、京滋バイパス、名神高速、北陸自動車道、能越自動車
道を乗り継ぎ無事高岡IC到着。素晴らしいですネ日本の高速道路網、一般道を走ることなく高速おりたらスグ瑞龍寺、時間にして約
3時間30分。連休特有の渋滞一切なし。

瑞龍寺は創建400年ほどの曹洞の禅刹で、主要伽藍を一直線に配し四周を回廊で結ぶ、左右対称の整然とした美しさと伽藍構成を見
ることの出来る寺院です。回廊は往来自由、各お堂は全てオープン、制約の多い京都や奈良の寺院では考えられない、お寺愛の人に
とっては嬉し~いお寺なのです。





▼総門(重文)。
 薬医門形式、三間一戸、切妻造、檜皮葺、正保年間(1644年~1648年)建立。







[ 瑞龍寺 ]
●山号 高岡山 (たかおかさん)
●寺号 瑞龍寺 (ずいりゅうじ)
●宗派 曹洞宗 (そうとうしゅう)
●開創 慶長十九年 (1614年)
●開基 前田利常 (まえだとしつね)
●開山 広山恕陽 (こうざんじょよう)
●本尊 釈迦如来
▲拝観料 500円 朱印300円
▲時間 9:00~16:30 12月10日~1月31日は9:00~16:00
▲富山県高岡市関本町35 Tel.0766-22-0179
▲あいの風とやま鉄道「高岡駅」から徒歩10分
 JR「新高岡駅」から徒歩15分
 能越自動車道高岡ICから車で10分





▼山門は鋭意屋根瓦葺き替え中。これは全くの計算外!







瑞龍寺縁起(瑞龍寺HPから抄出)
曹洞宗高岡山瑞龍寺は加賀藩二代藩主前田利長公の菩提を弔うため三代藩主利常公によって建立された寺である。利長公は高岡に築
城し、この地で亡くなった。加賀百二十万石を譲られた義弟利常は、深くその恩を感じ、時の名工山上善右衛門嘉広をして七堂伽藍
を完備し、広山恕陽禅師をもって開山とされた。造営は正保年間から、利長公の五十回忌の寛文三年 (1663) までの約二十年の歳月
を要した。当時、寺域は三万六千坪、周囲に壕をめぐらし城郭の姿を想わせるものがあった。





▼葺き替え工事前の山門(国宝)。重層楼門、入母屋造、杮葺き、正保二年(1645年)建立。



(山門写真はネットからもらってきました)





▼阿形仁王像。像高340cm、文政元年(1818年)造立。           
 吽形像とも余りにも色鮮やか、近年、彩色がペンキのような塗料で塗り重ねられ、本来の色味が損なわれているそうです。







       





▼吽形仁王像。                              













伽藍構成は中国の寺院建築を模して建立されたもので、総門、山門、仏殿、法堂を一直線に配列し、左右に禅堂と大庫裏を置き周囲
を回廊で結ぶ整然とした伽藍構成になっています。


▼山門から一直線の参道、その向こうは仏殿。左右は回廊。







▼仏殿(国宝)。本尊釈迦三尊。
 重層に見えますが実は単層、桁裄三間、梁間三間、下屋根は裳階。総欅の入母屋造、鉛瓦葺、万治二年(1659年)建立。







▼仏殿扁額。







▼仏殿内部は二重須弥壇、上段に本尊釈迦三尊が祀られています。簡素な堂内荘厳ですが、なぜか圧倒的な気が迫って来るようです。







▼本尊釈迦三尊。中央に釈迦如来坐像、右文殊菩薩が獅子坐、左普賢菩薩が像に坐しています。
 背面板壁は、西方浄土の空に横雲がたなびく有様を、木目で再現しているそうです。







            ▼中尊釈迦如来坐像。木造、像高72.5cm。
             体躯の漆箔はよく残っており、法衣の襞がなかなかユニークですが、
             お顔は剥落がきつくよく判りません。
             惜しいかな光背はやばい状態になってます。







            ▼仏殿天井の組み物。ここを見るだけでも建築美の粋を感じますネ。







▼回廊に囲まれた仏殿と法堂前の広々とした一角。







▼法堂(国宝)。屋根の反りが実に美しく安定感抜群の建物です。内部は六室よりなっています。
 桁裄十一間、梁間九間、総檜の入母屋造、銅板葺、唐破風向拝付、明暦元年(1655年)建立。







▼法堂前面。







▼寺号が記された法堂扁額。







▼法堂中央の間。内陣奥は加賀藩二代藩主前田利長の位牌を安置。







▼法堂中央の間の天井画。狩野安信四季の百花草。







▼法堂般若の間。大層なお厨子には烏枢沙摩明王が祀られています。本来は火神、厠の神として信仰されているそうで、何故ここに
 祀られているのかは不詳です。

         





▼仏殿横からの法堂です。







▼ここは東回廊(重文)。







▼回廊中程に半跏のお地蔵さんが祀られています。ご機嫌斜めか少しムッとしてはります。







▼大茶室。どう見ても茶室には見えない茶室、相当広いです。

     





▼禅堂(重文)。坐禅修行の建物。
 桁裄七間、梁間五間、切妻造、杮葺、正面唐破風向拝付、平成二年再建。







▼禅堂中央に簡素な須弥壇。壇上に祀られているのは曹洞宗祖道元禅師木像。







▼やはり禅刹、これもぶら下がっています。相当使い込んでいますネ。







▼鐘楼。







▼大庫裏。寺務所兼台所。桁裄十間、梁間六間、切妻造、杮葺、正面唐破風向拝付。          













▼ご朱印です。







一つ残念だったのは楼門形式の山門が瓦葺き替え中で覆屋でスッポリ。この情報には気が付きませんでした。
伽藍四周を回廊で結ぶ、整然とした寺景観を是非見たかったのですが、あるかなしかの次の機会ということにしましょう。
北陸遠征第二弾はここ富山から隣石川のやはり曹洞の古刹、あの名刹を訪ねます。

瑞龍寺 オ シ マ イ





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