土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

瑞鳳寺瑞鳳殿。

2019年05月23日 | 宮城の古寺巡り





(2019.05.05訪問)


仙台二日目は、予てより是非行って見たかった伊達家三代の御廟訪問。初代政宗の瑞鳳殿、二代忠宗の感仙殿、三代綱宗の善応殿と
豪華絢爛な三代のお墓。たかだかお墓と云うなかれ、400年前の彩色をはじめとする堂形など昭和の再建とは云えその姿には眼を見
張るものがあります。東北の雄伊達政宗、秀吉や家康と渡り合った伊達家62万石の藩祖の往時の勢力が偲べる思いです。





            ▼瑞鳳寺石柱。







            [ 瑞鳳寺瑞鳳殿 ]
            ●山号 正宗山(まさむねざん) 
            ●寺号 瑞鳳寺(ずいほうじ)瑞鳳殿 (ずいほうでん)
            ●宗派 臨済宗妙心寺派 (りんざいしゅうみょうしんじは)
            ●開山 寛永14年 (1637年)
            ●開基 観蓮社良念 (かんれんじゃりょうねん)
            ●本尊 阿弥陀如来画軸 (秘仏)
            ▲宮城県仙台市青葉区霊屋下23-2 TEL.022-262-6250
            ▲拝観料 550円
            ▲拝観時間 9:00~16:30
            ▲https://www.zuihoden.com
            ▲JR仙台駅西口バスプールからバスでるーぷる仙台「瑞鳳殿前」下車、徒歩5分
             JR仙台駅西口バスプールから仙台市営バス「霊屋橋・瑞鳳殿入口」下車、徒歩10分
             地下鉄東西線大町西公園駅から徒歩で15分
             東北自動車道仙台宮城ICから車で15分





▼瑞鳳寺山門は薬医門。3間1戸、切妻造、本瓦葺き。
 瑞鳳寺は瑞鳳殿へつづく坂の途中にあり、初代政宗、二代忠宗、三代綱宗の位牌が安置されているお寺です。寛永14年 (1637年)
 2代藩主忠宗によって瑞鳳殿とともに創建されました。







瑞鳳殿縁起
仙台市青葉区にある瑞鳳殿は、仙台藩祖伊達政宗公の遺命を受け、1637年に造営されました。1931年に国宝に指定されましたが
1945年に焼失、1979年に再建、2001年に大改修工事が行われ、現在は創建当時の姿をみることができます。





▼山号正宗山と揮毫された扁額。正宗は政宗公若年時「正宗」と称した時のものを山号としたもの。







▼山門を潜ると、本堂に通ずる広い参道。参詣者の姿が目に入ってきます。







▼高い基壇上に建つ鐘楼。







▼本堂には初代政宗、二代忠宗、三代綱宗の位牌が安置されています。







▼立派な天蓋が三基吊り下げられた本堂内の荘厳。







▼本堂脇殿の如来坐像。          













▼瑞鳳殿に向う参道石段。







▼瑞鳳殿への入り口、涅槃門。正面扉は閉ざされ、脇門から入ります。この門からして豪華さが窺えます。







▼涅槃門を潜るといよいよ瑞鳳殿です。残念ですが華麗な瑞鳳殿全景はこの通りの人波と門塀で撮ることが出来ません。







▼瑞鳳殿(ずいほうでん)。初代藩主伊達政宗の御廟。70歳で生涯を閉じた政宗の遺命により、翌年ここ経ヶ峯に造営された政宗の御
 霊屋で、桃山文化の遺風を伝える江戸初期の豪華絢爛な御廟。旧瑞鳳殿は昭和20年(1945年)の戦災で焼失。
 現在のこの建物は昭和54年(1979年) 再建されたものです。新しい建物とは云え、これ一つで大阪から来た甲斐があろうと云う
 もの。ものの見事な彩色美に圧倒されます。それにしても人が多すぎ。







▼瑞鳳殿扁額。     













▼感仙殿(かんせんでん)。二代藩主伊達忠宗の御廟。瑞鳳殿同様豪華絢爛な御廟です。旧感仙殿は昭和20年(1945年)の戦災で焼失。
 現在のこの建物は昭和60年(1985年)再建されたものです。







▼感仙殿扁額。







▼善応殿(ぜんのうでん)。三代藩主伊達綱宗の御廟。旧善応殿は昭和20年(1945年)の戦災で焼失。現在の建物は昭和60年(1985年)に
 感仙殿 と共に再建されたものです。







▼善応殿扁額。







         ▼瑞鳳寺と瑞鳳殿三殿の境内マップ。







伊達家三代の御廟は瑞鳳寺からいくらか山手左に瑞鳳殿、右手に善応殿と感仙殿が並んでいます。あくまでも拝観目的で整備された
ものと思われ、ひじょうに美しい三代の御廟です。政宗公が自分の廟を見たらオーと歓声を上げるかも知れませんネ。

これにて仙台紀行はオシマイです。これから大阪へ帰るんですが5時間の新幹線を考えるとユーツですわ。



定義如来西方寺、仙台の名刹です。

2019年05月15日 | 宮城の古寺巡り





(2019.05.04訪問)


今年のGWは仙台に行こうとウチの奥さんが云うので、行ってきました。牛タンを食べるのが目的ではなくて、青葉城跡の伊達政宗
公騎馬像を是非見てみたいとの仰せなので、当然飛行機やなというと、飛行機ダメ新幹線! ななんということでしょう、新幹線で
大阪から江戸経由仙台まで5時間弱、のぞみとやまびこで行ってきました仙台へ。5時間弱の新幹線で身も心もヘロヘロ。
初日は伊達家縁の秋保温泉で結構な温泉につかり、二日目は仙台ロイヤルパーク、いいお宿といい温泉、日頃の垢をザザーッと流し、
後の時間は名刹巡り、ボクにとっては最高の仙台訪問でした。うちの奥さんの感想、聞き漏らしました。
取り敢えず仙台駅からレンタカーで、青葉城跡で政宗公に会い、秋保大滝を回り、定義如来のおわす西方寺へ向います。





▼参詣者でイッパイの参道。

          





[ 定義如来西方寺 ]
●山号 極楽山(ごくらくざん) 
●寺号 西方寺(さいほうじ)
●宗派 浄土宗 (じょうどしゅう)
●開山 宝永3年 (1706年)
●開基 観蓮社良念 (かんれんじゃりょうねん)
●本尊 阿弥陀如来画軸 (秘仏)
▲宮城県仙台市青葉区大倉字上下1 TEL.022-393-2011
▲拝観料 無料
▲拝観時間 8:00~17:00
▲http://www.johgi.or.jp/
▲JR「仙山線愛子駅」よりタクシー40分 
 バス仙台駅発10番のりば定義行き終点定義下車徒歩5分





▼駐車場から境内を見渡すと……。







▼五月晴れ!







定義如来西方寺縁起 (定義如来西方寺HPから抄出)
ここ定義さんは、正式名称浄土宗極楽山西方寺といい平家ゆかりの昔から多くの方たちの心の拠り所となってきた庶民信仰のお寺で
す。
御本尊阿弥陀如来軸(秘仏)は、平家衰退の世も、重臣平貞能公が源氏の追討から守り抜き、最後はこの地に隠れ、公の亡き後そ
の墓上に祀られたことがこの寺の起源とされています。西方寺は貞能公の重臣の末裔早坂源兵衛出家し観蓮社良念(かんれんじゃり
ょうねん)となり宝永3年(1706年)正月に西方寺を開山しました。その後は歴代の住職が阿弥陀如来を護り、その後、第18世慶源
上人が現在の貞能堂境内を発願され第19世博璘上人によって昭和の初期に貞能堂境内が整備されました。





▼重層楼門の仁王門。初層左右に金剛力士。昭和6年に建立。







            ▼定義如来と揮毫された仁王門扁額。







▼こんな彫刻が仁王門各処に。







▼阿形仁王さんは朱色。







▼吽形仁王さんは緑に彩色。







▼堂々の屋根を持つ鐘楼。







▼屋根裏は二重垂木に雲形木鼻が組み物の複雑さを主張しているようです。







▼手水舎も豪華。







▼貞能堂。本尊阿弥陀如来像、平貞能公のお墓の上に建てられているお堂。







▼貞能堂内陣の荘厳。最奥お厨子に本尊阿弥陀如来像が祀られていると思います。







▼どうですこの豪華な天蓋。







▼貞能堂向拝を飾る龍の彫り物、まるで雲上を我が物顔の如し。







            ▼本堂と寺務所等の間の観音石像は、
             昭和58年(1983年)祈願成就の御礼に奉納された子育観音です。







▼では本堂エリアに行ってみましょう。







▼本堂。六角堂様式、堂高18m、延床面積約108坪、ヒバ白木造、宝珠1.4t。平成11年(1999年)11月建立。







▼本堂前煙台。







▼本堂正面。







▼西方寺と揮毫された扁額。







▼本堂内部。外陣天井の超豪華な天蓋。ステンドグラスでできた八角形の大天蓋。幅約6mの天蓋には、25体の菩薩様がぐるりと
 円を囲んでおります。







▼やがて読経が始まりました。大勢の人で堂内はイッパイです。

        





▼本堂を斜めから。







▼本堂屋根の宝珠。







            ▼お不動さんも睨みを効かせています。

      





▼放生池。     













▼五重塔エリアにやってきました。塔は本堂の東側にある広場に建っています。







            ▼五重塔。本尊阿弥陀如来像、塔高29m、屋根はヒバ葺。
             相輪青銅製。昭和61年(1986)年10月落慶。    







            ▼黒を基調とした彩色は、実に堂々とした塔姿を誇っているようです。







            ▼相輪。







            ▼非情に優れた塔姿の五重塔は平貞能の菩提を弔うと共に人類の平和を祈念する
             塔として建立。







▼立派な本坊に送られて定義如来西方寺オシマイです。







フロクは秋保大滝と青葉城跡伊達政宗公騎馬像です。

            ▼秋保大滝。    







            ▼秋保大滝石標。







▼秋保大滝不動堂。







▼秋保大滝不動堂正面。







▼秋保大滝不動堂扁額。







▼青葉城跡伊達政宗公騎馬像。ウチの奥さんの感激もさることながら、ボクも思わず最敬礼!   













▼青葉城跡から広瀬川と仙台市街。



♪広瀬川流れる岸辺 想い出は帰らず 早瀬躍る光に 揺れていた君の瞳 時はめぐり また夏が来てあの日と同じ……♪
思わず口ずさんでいました青葉城恋歌。

西方寺は仙台市内と云ってもかなり北方に位置しています。道すがらの状況は、常に走っている近畿一円の環境と変わるところはほ
とんどありません。およそ奥州の一角に来ている感覚はナシ。明日は皆さんごよくご存知の豪華絢爛瑞鳳殿に真っ先に行くつもりです。