今日もかも 明日香の川の 夕さらず
かはづ鳴く瀬の さやけくあるらむ
=巻3-356 上古麻呂=
今日もまた、夕方になるとカジカの鳴く飛鳥川。その川の瀬は清らかだろうなあ。という意味。
「夕さらず」=夕去らず、とは(夕を離れない意から)夕べごとに。夕方はいつも。
「明日」を「明日香」にかけて「今日」と対比させているところも面白い。
奈良遷都の後に、明日香の故郷を偲んで詠んだ歌だ。
作者の上古麻呂(かみのこまろ)については伝未詳である。
この万葉歌碑は甘樫橋東に建っている。
甘樫丘の麓を飛鳥川に沿って東に進むと甘樫橋にぶつかる。