紅(くれない)は うつろふものぞ 橡(つるばみ)の
なれにし衣に なほしかめやも
=巻18-4109 大伴家持=
紅(くれない)で染めた衣はきれいでしょうが、色があせやすいものです。橡(つるばみ)で染めた衣は地味でも慣れ親しんでいるので、やはり良いものですよ。という意味。
大伴家持が妻がいるのに若い女に心変わりした部下をさとして歌った。
橡(つるばみ)は現代名クヌギでブナ科の落葉高木。
山地に自生し、初夏、黄色の花が咲き、成熟してドングリとなる。実は椀に似たかさの中に入っている。かさを煮た汁は、濃い鼠色の染料となる。
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つるばみを詠める歌は万葉集に6首ある。
こちらの万葉歌碑は、奈良県橿原市にある万葉の森に置かれているもの(2011/11/14写す)。