飛鳥への旅

飛鳥万葉を軸に、
古代から近代へと時空を越えた旅をします。
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万葉アルバム 花、うめ

2011年12月19日 | 更新情報
(画像追加しました)



わが園に 梅の花散る ひさかたの
天(あめ)より雪の 流れ来るかも
   =巻5-822 大伴旅人=


 わが家の庭に梅の花が散る。天空の果てから、雪が流れてくるよ。という意味。
梅花の落ちるさまを「天より雪の流れ来る」と表現したのは、スケールのとても大きな、すぐれた歌だと思う。
梅の散る様子を雪に例えていることから庭には、白い梅が咲いていたことが伺える。

天平2年正月、九州の大宰府にて作者が催した宴で作った歌。
宴で作られた梅花の歌三十二首があり、その中の一首である。

万葉人は梅の花を愛賞し、花の下で宴を開き、散る花を惜しみたびたび歌った。
万葉集には120首ほどの梅の歌がある。
万葉ではないが、菅原道真が詠んだ「東風吹かば にほひおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ」の歌も有名である。

 私の地元松戸にある戸定亭の庭に緑額梅が見事な花をつける。
白い花びらの中央が薄黄色で、この万葉歌にぴったりのような気がする。

この万葉歌碑は名古屋の東山植物園の万葉の散歩道にあるもの(2010/12/24写す)。


こちらの万葉歌碑は、奈良県橿原市にある万葉の森に置かれているもの(2011/11/14写す)。