飛鳥への旅

飛鳥万葉を軸に、
古代から近代へと時空を越えた旅をします。
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万葉アルバム(関東):群馬、渋川市 小野池あじさい公園 あじさい

2011年11月07日 | 万葉アルバム(関東)

あじさいの 八重咲く如く やつ世にを
いませわが夫子(せこ) 見つつしのばん
    =巻20-4448 橘諸兄=


あじさいが八重に重なって咲くように、いつまでも長生きしてくださいね、あじさいの花の咲くようにあなたの繁栄を願っています。という意味。

天平勝宝7年(755)、当時の右大臣丹比国人真人〈たぢひのくにひとのまひと〉の家で左大臣橘諸兄(たちばなのもろえ)が招かれたときに、諸兄が真人を祝って、あじさいの豊かな花のように主人(国人)の長寿を祝った歌3首のうちの1首。

橘諸兄は、当時左大臣。天平九年の疫病によって、当時権勢をふるっていた藤原四兄弟が死去した後、急速に力を発揮し、聖武天皇の補佐をして、左大臣まで昇進した。しかし実権は藤原仲麿に移りつつあり、諸兄の不安な心中はが感じられそう。その翌年の2月、息子である橘奈良麻呂が反乱を起こして失敗し、諸兄は宮中を追放されてしまうのである。

 小野池あじさい公園
この万葉歌碑は、小野池あじさい公園に建っており、縦長の大きな歌碑である。

小野池あじさい公園は榛名山から流れ落ちる平沢川左岸に沿った位置にある。
小野池北側の北面斜面は渋川市の花である「あじさい」の植生に適していることから、あじさいを中心とした公園作りが進められ、今では8000株にも達している。