皆人の命も我れもみ吉野の
滝の常磐の常ならぬかも
=巻6-922 笠金村=
皆人の命も、私の命も吉野の滝の激流に打たれてなお不動の岩のように、久しく変わらずにいてほしいものだなあ。という意味。
聖武天皇即位の翌年、神亀二年(725)五月、吉野行幸に従事した際に詠んだ歌。
万葉文化館は平成13年9月に明日香村に開館した比較的新しい施設。
海石榴市をはじめ東市、西市、軽市などをイメージした古代の市空間を再現した「歌の施設」、子どもたちにも理解しやすい「万葉おもしろ体験」、万葉歌人の歌をもとに、それぞれの歌人の個性や心情、人間関係や時代背景などをとりあげ、人形、映像、アニメーションなどの複合的な手法で紹介する「万葉劇場」、などの施設があり、万葉集を古代のイメージの中で視覚的に理解できるようになっている。
万葉文化館の庭園に万葉歌碑が4基あり、これはそのひとつ。