道の辺(へ)のいちしの花のいちしろく
人皆知りぬ我(あ)が恋妻(こひづま)は
=巻11-2480 柿本人麻呂歌集=
道ばたにある彼岸花のように、とても目立つ花。そのようにみんなに知られてしまった、私の恋妻は。という意味。
「いちし(壱師)の花」には諸説あるが、彼岸花とするのが有力。
ヒガンバナ、ヒガンバナ科ヒガンバナ属。
群生する多年草。昔、中国から渡来したものが広がったという。
りん茎から30~50㌢の花茎をだし、赤色の花を輪状につける。花のあと、線形の葉を広げる。和名は彼岸のころ花が咲くのでつけられた。
ヒガンバナは非常に目立つ花である。「いちしろく」は顕著に。
私がヒガンバナで一番印象に残る場所は、奈良県明日香村の真神原や稲淵の水田地帯、真っ赤に染まるヒガンバナと田園風景との調和がすばらしい。