飛鳥への旅

飛鳥万葉を軸に、
古代から近代へと時空を越えた旅をします。
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万葉アルバム(奈良):宇陀市、宇陀野

2009年10月26日 | 万葉アルバム(奈良)

日並(ひなみし)の皇子(みこ)の命(みこと)の馬並(な)めて
み狩(かり)立たしし 時は来(き)向(むか)ふ
   =巻1-49 柿本人麻呂=


天皇に並ぶ皇子の命が、馬を並べて猟をなさろうとした、その瞬間が今到来した。
日並皇子とは草壁皇子のことで、太陽と並ぶ皇子という皇太子の意味。
その日並皇子(草壁皇子)が馬を並べて出猟されたかつての時刻がもうすぐやって来る…
そして同じように今度はその子である軽皇子が出猟するのだ。という意味。


軽皇子(かるのみこ)、阿(あ)騎(き)の野に宿ります時に、柿本朝臣人麻呂が作る歌の一連の歌、巻1-45~49の中の最後の歌。
軽皇子が皇太子(草壁皇子)の生まれ変わりである天皇となるべき正当な後継者(皇太子)であると暗示しているのであろう。

歌碑は宇陀市大宇陀区迫間の区役場前庭に建つ。

写真は桜井出雲から狛峠を越えて宇陀野へ抜ける林間コース上の、半坂付近より宇陀野を望んだ風景である。この写真は20年程前に「万葉大和路を歩く会」に同行した時のもの。おそらく万葉時代もこのような情景の中を狩りに出掛けたことであろうか。