余桃之罪、もしくは電光朝露

関西フィル、日本センチュリー、京都市交響楽団、大阪フィルの定期会員です。アイドルやら声優やら。妄想8割、信憑性皆無。

関西フィル いずみホールシリーズ Vol.16 [生誕200年 メンデルスゾーンの古典美]

2009年09月17日 | 関西フィルハーモニー管弦楽団
09.9.17(木)19:00 いずみホール
関西フィル いずみホールシリーズ Vol.16 [生誕200年 メンデルスゾーンの古典美]
指揮/飯守泰次郎
ヴァイオリン/オーギュスタン・デュメイ
曲目:(18:40より飯守泰次郎によるプレトークあり)
メンデルスゾーン/序曲「フィンガルの洞窟」op.26
メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲ホ短調op.64
メンデルスゾーン/交響曲第3番op.56「スコットランド」

先週に引き続いての関フィルさんによるメンデルスゾーン特集。
こちらはオールメンデルスゾーンプログラムですよ。
どこが漏らしたのかは分かりませんが、幾つかの新聞社がWEB速報のかたちでデュメイ音楽監督就任を報じてしまった。今日の時点ではプログラムにも公式HPにもまだ関フィルさんからのアナウンスは無し。契約完了ではないのでしょ。
プレトークは早熟の天才メンデルスゾーンについて相変わらず熱く語る飯守先生。このプレトークでも特に音楽監督については触れられなかった。
デュメイだからということなのか9割5分は埋まっております。

フィンガル。前プロだということで期待してなかったが、思いのほかスケール感のある演奏だった。B面(死語)でも手を抜かなくなってきてるというか、気が入っているというか。
協奏曲。やはり腰にきてるのか先日同様、椅子に腰掛けて弾くデュメイ。スコアにはそこまでしろとは書いていないんではないかと思われるところもあったが、それらが浮いて聞こえるどころか、デュメイのように弾くのが内容的にフィットしているかのような気持ちが起きる。しかも彼は指揮者とオケに気を配るような素振りをしながら、するすると自分のペースに持ち込んでいき、しまいには聴衆もそうだそうだこれだこれだ我々が聴きたかったメンデルスゾーンはこれだと幻惑され、やんやの喝采になった。

休憩を挟んでスコッチ。
メンデルスゾーンってR・シュトラウスばりに冒頭で勝ってる曲があるよな。このスコッチなんて始まった瞬間から古びたゴシックの教会を逡巡させられる。想像力が豊かでない人でもこれは綺麗な旋律だと思えるだろう。第2楽章とか金管吼えても良かったのに丸く抑えてた。第3楽章は先ほどのソリストのタマシイが関フィルさんに移ってきた予感がする。清純さと激しさが交錯してカッコいい。押さえていた金管が終楽章でようやく開放された。快速調になると緩むばかりだったかつての関フィルさんがウソのよう。ヴィオラ以下、低弦の皆様の奮闘をつらつらと眺めて時代は変わってきたんだなとおぢさんは感激です。
協賛のみずほコーポレート銀行さま、誠にありがとうございました。

帰り際の電車の中、流れゆく景色と窓に映る自分の瞳とを交互に見詰めているとあのヴァイオリンの音が耳をかすめてゆく。

関西フィルハーモニー管弦楽団 第214回定期演奏会 [現代の抒情詩人]

2009年09月11日 | 関西フィルハーモニー管弦楽団
09.9.11(金)19:00 ザ・シンフォニーホール
関西フィルハーモニー管弦楽団 第214回定期演奏会 [現代の抒情詩人]
指揮&ヴァイオリン/オーギュスタン・デュメイ
ピアノ/ヴァネッサ・ワーグナー
コンマス/岩谷祐之
ヴィオラ/大江のぞみ
チェロ/向井航
曲目:
メンデルスゾーン/ヴァイオリン,ピアノと弦楽のための協奏曲ニ短調
ショパン/アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ変ホ長調 op.22
ショパン/ワルツ第7番嬰ハ短調Op.64-2(アンコール)
シューマン/ピアノ五重奏曲より第1楽章
メンデルスゾーン/交響曲第4番イ長調op.90「イタリア」

9.Sertember.2009 19:00p.m.The Symphony Hall
Kansai Philharmonic Orchestra 214th SubscriptionConcert
Conductor/Augustin DumayPrincipal guest conductor of Kansai Philharmonic Orchestra
piano/Vanessa Wagner
Concertmaster/IWATANI Sukeyuki Concertmaster of Kansai Philharmonic Orchestra
Program:
F.Mendelssohn:Concerto for Violin,Piano and String Orchestra D minor
F.Chopin:Andante spianato et Grande Polonaise brillante E-flat major Op.22
R.Schumann:Piano Quintet in E flat major,Op.44 from First Movement Allegro Brillante
F.Mendelssohn:Symphony No.4 Amajor Op.90 "Italian"

首席客演指揮者としては定期初登場のデュメイ。客は8割ぐらい。どうも新型インフルの懸念でマスク姿などもあったりで外出を控えておられる方がいるような。
ホワイエに堂々とシューマンのピアノ五重奏から第1楽章を追加(するから楽しみにしてろ)と貼り紙あり。
どういうことやねん、と思いつつプレトーク・・・が無い。デュメイは演奏前のテンションを保ちたいのでプレトークしない繊細な人なのだった(他の人が鈍感だというわけではないですよ)。
やむなく「そんなわけですのでご了承下さい」と西濱さんだけで一人喋り。プログラムにも書いてたがデュメイの本拠、ベルギーはブリュッセルまで会いに行ってきたらしい。スポンサーの力だと感謝してた。ピアニストのワーグナーさんは素晴らしい才能なので紹介したいとデュメイご推薦で日本デビューを関西フィル定期でやることになったそうな。プログラムはメンデルスゾーン生誕200年を記念したものにして、もちろんデュメイのソロもやる。本来は後日に本拠地練習所オークホールで行われるコミュニティコンサート用にリハを積んできたシューマンの室内楽、第1楽章だけになるがデュメイの希望で今日ご来場の皆様にもお届けすることにした。

というわけで開演!
メンデルスゾーンの協奏曲はメンコンだけではない。他にも協奏曲と名の付く作品は7つぐらいはある、その中でも隠れファンが多い作品がこのヴァイオリン,ピアノと弦楽のための協奏曲ニ短調。劇的な両端楽章と白痴美的緩徐楽章の対比が素晴らしい。若書きの作品なので(14歳!)やや部分部分が長すぎたり(第1楽章)、繰り返しに工夫が無かったり(第3楽章)はするけど。デュメイは腰を悪くしているのか椅子あり。立って指揮して座って弾いて。滅多に聴く作品でもないので楽しく聴けました。
ショパン。ピアノ協奏曲ですらオケ部分がイマイチで楽しみ難いのに、この作品ときたら、独奏によるやたらと長い前奏にノリの悪いダンスミュージックみたいな主部の組み合わせで退屈するったらない。寝た。アンコールは自由奔放に情熱の赴くままに弾きまくりで興奮しただけにメインの協奏作品のショボさが悲しい。アンコールで魅せた熱さが生きる作品で呼んで下さい。

休憩挟んでシューマン。ラインの第1楽章のようにあまりにも能天気な冒頭の輝かしさが全体を包んでいる楽章。ピアノの縦横無尽の動きが楽しい。向井くん奏するチェロのメロディーはヤバいね。明るいのにどこか哀しくて泣ける。コミュニティコンサート行けたら良かったなあ・・・。
イタリア。
首席客演指揮者就任披露公演の田園もそうだったけど、デュメイ以外がやったらぶっ飛ばされるようなイタリア。速い!速過ぎだって。木管は漏れたり落ちかけたりで散々苦しめられました。中間2楽章では弦のたっぷりとした歌心。これはデュメイでないと引き出せない世界だ。終楽章は周辺の人に申し訳ないけどもガンガン踊っておいた。これはスタンディングで聴く音楽だよ。
聴衆も喜んだがオケはもっと熱狂した雰囲気で指揮者を称えていた。

会場を出ようとするとSOYJOYくれた。
今回もスポット協賛は大塚製薬株式会社様です。本当にありがとうございます。SOYJOYは行きつけのヨガスタジオでも絶賛です。

この人が来年も来てくれるのかー&来週はメンコン聴かせてくれるのかーなどとニコニコしながら帰宅したまでは良かったが・・・。
◆オーギュスタン・デュメイ 関西フィルハーモニー管弦楽団音楽監督に就任
おい待て(笑)
違う違う、早い!早すぎだって。

関西フィルハーモニー管弦楽団 Meet the Classic vol.19

2009年08月15日 | 関西フィルハーモニー管弦楽団
09.8.15(土)18:00 いずみホール
関西フィルハーモニー管弦楽団 Meet the Classic vol.19
指揮/藤岡幸夫
ナレーター/杉本なつみ
曲目:
アンダーソン/舞踏会の美女
冨田勲/子供のための交響詩「ジャングル大帝」
プロコフィエフ/バレエ「ロメオとジュリエット」よりモンタギュー家とキャピュレット家~マドリガル~ロメオとジュリエット~タイボルトの死~ジュリエットの墓の前のロメオ

ジャングル大帝・・・大丈夫かしら。

9割がた埋まってるっぽい。あれらしいですよ、ジャングル大帝効果。新聞紙面にも出てたし。
開演前、冨田勲御大が関係者席にむかうと御大の席には大阪のおばちゃんが堂々鎮座。自由席だと思ったみたい。おばちゃんは自分が占拠してた席がまさかあの冨田勲が座る予定の席だとは思わなかっただろう。てかおばちゃん明らかに誰だか分かって無かった・・・(笑)。
おなじみ舞踏会の美女に続いていつものトーク。お話の熱さからして今日のプログラムはジャングル大帝がメインなんだね。子供向けレコードとして制作された作品ながら手塚治虫書下ろしのイラスト付きで、作曲者はじめ制作陣入魂の出来だったらしい(初版LPは相当の高値・・・)。リメークと相成って藤岡&日本フィルで録音したが、今回はその舞台初演になる。いろいろと音楽の良さを語っていたが、母ライオン・エライザのモティーフを担当するのは独奏チェロの向井くん。「優しくたおやかな旋律を彼が・・・彼が・・・まああのルッキングはちょっと違いますが(どちらかといえば朝青龍的な・・・)、ホントに素晴らしいですから聴いてください」。プログラムには小さな2色刷りながらマニア垂涎の手塚治虫の挿絵あり。ちょっとコーフンした。
ナレーターに関西テレビから杉本なつみ。関フィルさんに近いMBSからではないのがなんとも不思議。なつみも好きよ、ぶったまも時々見てるし・・・。
いかにも子供向けなナレーションながら、音楽は30代半ばの冨田勲が全力を傾けただけあって変化に富んでいて聴き応え十分。
面白かったのでこれを聴いてください。
交響詩「ジャングル大帝」<2009年改訂版>~白いライオンの物語~(DVD付)
藤岡幸夫,日本フィルハーモニー交響楽団
コロムビアミュージックエンタテインメント

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ナレーションに綾戸智恵、というのが一抹の不安を誘うけども・・・。
終演後は冨田先生も壇上に招かれて多くの拍手を受けておられた。感激。
客の中にはこれのためにわざわざ関東から駆けつけた方もおられたそう。

休憩挟んでプロコフィエフ。
前半頑張りすぎたので管楽器が疲れてた。有名メロディも朗々と奏されたので聴衆は喜んだけど、中規模ながらも濃い目の2作品を連続するのは大変です。ジュリエットの墓の前のロメオが丁寧なバランスとテンポで溺れすぎず客観的すぎず大変上手いものだと感心しました。
アンコールがあった気がする。ビゼーの何かだった気がする。

セミの抜け殻そっとつまんで夏の川面に浮かべてみるの。

関西フィルハーモニー管弦楽団 第213回定期演奏会 [愛と生命力]

2009年07月15日 | 関西フィルハーモニー管弦楽団
09.7.15(水)19:00 ザ・シンフォニーホール
関西フィルハーモニー管弦楽団 第213回定期演奏会 [愛と生命力]
指揮/飯守泰次郎
コンマス/岩谷祐之
曲目:(18:40より飯守泰次郎によるプレトーク)
スメタナ/連作交響詩「わが祖国」全曲
「ヴィシェフラド」、「ヴルタヴァ」、「シャールカ」、「ボヘミアの森と草原から」、「ターボル」、「ブラニーク」

15.July.2009 19:00p.m.The Symphony Hall
Kansai Philharmonic Orchestra 213rd SubscriptionConcert
Conductor/IIMORI taijiroRegular permanent Conductor of Kansai Philharmonic Orchestra
Concertmaster/IWATANI Sukeyuki Concertmaster of Kansai Philharmonic Orchestra
Program:
B.Smetana/Ma Vlast~Vyšehrad,Vltava,Šárka,Z českých luhů a hájů,Tábor,Blaník

真夏に暑苦しい大作。3曲終わりで休憩かしら。あと、飯守先生と幸夫の肩書きの英訳は双方の公式HP的には同じになってるんすね。(上記はおぢさんが回避的に付けたもの)
それよりも会員向けに速報として送られた来季予定が怖い。復活と5番のマーラー責めにデュメイが2回登壇って。

というわけで行ってきた。
飯守センセのプレトークが熱いね。愛国心と郷土色満点の作品なので是非チェコのビールやソーセージなど今晩はそうしたものを頂いてくださいと。すかさず西濱事務局長が「その際のお買い物は阪急で・・・」と受けた。この日の協賛は阪急電鉄だからね。機会を捉えてすかさずスポンサー様にアピールするこの姿勢!見習おう。

やはり3曲ずつで前後半に分けた。一気に聞かせるほどに各作品が密接に関わっているわけではないので出来るやり方、結構多いらしい。
しかしこの曲はどうあがいても一度はモルダウで終わるでしょう。名曲過ぎる宿命ですわな。ああ終わったな、と気が緩んだ客席を殴りつけるかのようなシャールカの追い込みにめちゃくちゃシビれた。
録音で聴くぶんには繰り返し繰り返しで盛り上がる後半のターボル&ブラニークですけど、実演で聴くとクドいよね。隣にスメタナがいたらもう少し短くなさってはいかがですか?と言いたいね。恐れ多くて言えないけど。
実際ブラニークの途中で疲れた。金管もおぢさん同様に疲れていたが酷いところは出なかった。いや違う、随分なミスはあったが気にはしなかったんだ。木管が曲の熱の割りに薄い音で少し寂しい。

客席は大盛り上がりだったし、おぢさんも予習のために沢山のCDを聴いて楽しかった。明日はマルティヌーとドヴォルザーク。チェコ尽くしで楽しい。

阪急電鉄株式会社様ありがとうございました。

関西フィルハーモニー管弦楽団 第212回定期演奏会 [デモーニッシュ]

2009年06月26日 | 関西フィルハーモニー管弦楽団
09.6.26(金)19:00 ザ・シンフォニーホール
関西フィルハーモニー管弦楽団 第212回定期演奏会 [デモーニッシュ]
指揮/大山平一郎
ピアノ/横山幸雄
コンマス/ゲオルギ・バブアゼ
曲目:(18:40より大山平一郎によるプレトーク)
ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第3番ニ短調op.30
ショパン/12の練習曲op.12より第1番ハ長調(アンコール)
フランク/交響曲ニ短調

26.June.2009 7:00p.m.The Symphony Hall
Kansai Philharmonic Orchestra 212nd Subscription Concert
Conductor/OHYAMA Heiichiro
Piano/YOKOYAMA Yukio
Concertmaster/George Babadze Concertmaster of Kansai Philharmonic Orchestra
Program:
S.Rachmaninov/Piano Concerto No.3 D minor Op.30
C.Franck/Symphony D minor

ベスト・オブ・ニ短調ということですかな。
シューマンの第4交響曲とドヴォルザークの第7交響曲も捨てがたいけども。

梅雨空。なんかパッとせぬ天気ながら、ほぼ満員のお客様。今夜のソリスト、横山幸雄さんは今話題の辻井伸行の先生ということなのでそこのあたりの期待層かしら。

ラフマニノフ。満足に弾ける人を探すのが難しい作品ですが、横山さんの豪華絢爛なテクニックを持ってすれば余裕綽綽。隅から隅までみっちりはっきりと余すところ無く弾いてゆかれます。伴奏も大山さんらしい丁寧なアンサンブルで破綻無く好演。
凄まじいブラボー。あれやね、関西人は横山いう名前にまずやられてるね。

休憩挟んでフランク。
プレトークで関フィルの印象訊かれた時、大山さんは「オーケストラは個人の集まりだけど、各楽器のグループでもあるわけで、そこが合わさって音楽作りをするわけで・・・」と、ロスアンジェルス交響楽団の首席ヴィオラを長年張ってきたり人らしいオケ観を漏らしていた。このフランクも管楽器が少し放埓な出来だった(しかし高名さんのコーラングレに外れなし)が、弦楽器を主体とした合奏の組み立ての美しさが際立って聞かれた。

児玉さんが来てシンフォニカーが良くなったのではなく、この人のトレーナーとしての力量があったればこそではないか。

関西フィルハーモニー管弦楽団 第211回定期演奏会 [オリエンタリズム]

2009年05月21日 | 関西フィルハーモニー管弦楽団
09.5.21(木)19:00 ザ・シンフォニーホール
関西フィルハーモニー管弦楽団 第211回定期演奏会 [オリエンタリズム]
指揮/小松長生
ピアノ/河村尚子
コンマス/ゲオルギ・バブアゼ
曲目:(18:40より小松長生によるプレトーク)
貴志康一/大管弦楽のための「日本組曲」より「春雨」「祈り」「道頓堀」
ラヴェル/ピアノ協奏曲ト長調
フォーレ/8つの小品より即興曲嬰ハ短調op.84-5(アンコール)
バルトーク/バレエ「中国の不思議な役人」組曲 op.19
コダーイ/ガランタ舞曲

21.May.2009 7:00p.m.The Symphony Hall
Kansai Philharmonic Orchestra 211st SubscriptionConcert
Conductor/KOMATSU Chosei
Piano/KAWAMURA Hisako
Concertmaster/George Babadze Concertmaster of Kansai Philharmonic Orchestra
Program:
K.KISHI/from "Japanische Suite für Grosses Orchester"
M.Ravel/Piano Concerto G major
B.Bartók/The Miraculous Mandarin Op.19: Suite
Z.Kodály/Galántai táncok

新型インフルエンザの感染者が国内でも見つかり、大阪・兵庫がその中でも感染者が多いということで開催が危ぶまれた本定期。リハーサルはやってるらしいので多分やるだろうと連絡も何もせずにとりあえず会場へ。公式HPとかでアナウンスしてくれりゃ良かったんだが。
行ったらやってた。係員はホール側も関フィル事務局員も皆マスクしてるし、消毒用アルコールは置いてあるし、トイレには通常の石鹸に加えてキレイキレイが置いてある(まあホールの目の前ライオンだし・・・)。
チラシにも「咳エチケット」について書かれたものが挟まれている。
出来ることは全てやった、厳戒態勢ということで。
しかし客入りは悪かった。1階席7割、2階席5~6割だから全体では6割ちょっと。仕方ない。

プレトーク。
日本3大色黒指揮者の一人、小松長生(あとは現田茂夫、本名徹次。藤岡幸夫でも可)。いまは愛知やベネズエラで頑張っている。15年ほど前には関西フィルの正指揮者のポジションを持っていた。
久方ぶりの関フィル定期登場ということらしい。先ごろ結婚されたということで1階中央の関係者席には和服の奥方。
モーニング娘。のリーダー高橋愛(福井出身)もテッテケ喋るが小松さんも福井出身で訛りがそっくり。
各曲の聴き所よりはオケの見所を手で示して熱く語る。そうね、ライブなんだから目で見えるものを推してくるのはありだわな。

貴志。
ちょうど今、コステラネッツやカーメン・ドラゴンを聴き漁っているところなんだけど、この貴志の作品も日本風味のムード音楽みたいな部分はあるよね。
道頓堀の乱痴気騒ぎは好き。
関フィルの金管からいつになく張りのある響きがしていた。

ラヴェル。
小松さんがプレトークで美しい響きと凄いスピード感のある技術の持ち主だというようなことを力説していたが、ちょっと弾き飛ばすようなところがあったり暗譜が怪しく感じたり・・・。第2楽章は元から美しい作品だが響きをたっぷりと取りつつももたれぬようなテンポで、さすがに美しく演奏した。
アンコールは選曲含めて素晴らしいもの。ため息が出る。

休憩挟んでバルトーク。
指揮者の性質のためかオケの持ち前の明るさのためか、エロティック・バイオレント・ホラー作品にしてはいささか健康的な勢いに満ちてしまった。クラリネットが孤軍奮闘してエロスを醸していたが。終曲の異様な狂熱に衝き動かされる舞踏の迫力は、この指揮者ならでは。

コダーイ。
コダーイが一時期住んでいたスロヴァキアのガランタ地方の民謡に基づく作品。ブラームスのハンガリー舞曲を数曲、ポプーリ風にしたもの。ブラームスと違うのは愛国心のようなものが底流にあってなかなかに熱い音楽になっている。
わざわざ曲順を入れ替えてまでこの曲を最後にしただけあって、哀愁と情熱の狭間で大いにココロ揺れた。

ウイルスと音楽と、どちらも目に見えぬものに穏やかではない夜でしたとさ。

関西フィルハーモニー管弦楽団 第210回定期演奏会 [音の魔術師、降臨]

2009年04月29日 | 関西フィルハーモニー管弦楽団
09.4.29(水・祝)15:00 ザ・シンフォニーホール
関西フィルハーモニー管弦楽団 第210回定期演奏会 [音の魔術師、降臨]
指揮/藤岡幸夫
チェロ/堤 剛
曲目:(14:40より藤岡幸夫によるプレトーク)
サン=サーンス/死の舞踏 op.40
ラロ/チェロ協奏曲ニ短調
バッハ/無伴奏チェロ組曲第3番ハ長調BWV1009より第5曲ブーレ(アンコール)
ラヴェル/バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲
ラヴェル/舞踊音楽「ラ・ヴァルス」

29.April.2009 3:00p.m.The Symphony Hall
Kansai Philharmonic Orchestra 210th SubscriptionConcert
Conductor/FUJIOKA sachio Principal Conductor of Kansai Philharmonic Orchestra
Cello/TSUTSUMI Tsuyoshi
Concertmaster/IWATANI Sukeyuki Concertmaster of Kansai Philharmonic Orchestra
Program:
C.Saint-Saens/Danse Macabre op.40
E.Lalo/Cello Concerto in D minor
M.Ravel/Suite No.2 from "Daphnis et Chloé"
M.Ravel/La Valse,Poème choréographique pour orchestre

オレのGWはここから始まると言っても良い。毎年シアワセになる素晴らしい企画。
これを最後にGWはハロプロ三昧のアホになる。
早々にチケぴ等プレイガイドでは予定枚数終了の文字が出たほどの売れ具合。

プレトーク。
藤岡幸夫が毎年4月29日のコンサートを振るようになって10年目。毎年このコンサートで身が引き締まるという。堤先生と初共演で意気投合、ラロがやりたいとのことで関西フィルの聴衆に披露することにした。ラヴェルは当初の発表と曲順を入れ替えた。ダフクロが最後のほうが盛り上がること間違いなしだが、戦争に病み友人を亡くしたラヴェルの壊れた精神が出た曲なのでラ・ヴァルスを最後にした。

死の舞踏。さすが藤岡/関フィルと言うべきか。これなら踊れる、というぐらいリズミカルだった。これは東京公演でもやるそうな。レッツダンス。
ラロ。
堤先生は熱演で結構だったし、作品も意外に楽しく聴ける良作だった。オケがもう少し前に出てくれてればもっと良かったけど。アンコール終わりで首席Vcの向井君の切なげな表情。男の年輪を感じるよな。

休憩挟んでダフニス。
幸夫が4月のこの定期で取り上げるのは2回目?じゃないかな。あの時は勢いだけだったが、今回は全体のコントロールも冴えてきて眩いばかりの出来となった。冒頭の音量を抑えないほうがおぢさんは好き。印象派作品ではなくて、陽光降り注ぐギリシアを舞台としたバレエなんすから。
ラ・ヴァルス。あれこれプレトークで言った割りに酷い踏み外しはやらないところが正統派な幸夫らしい。オケがついてこれずにヤタケタにしか聴こえない終結だったのが残念。もう一回やりたいね。
お客様も湧いてたし楽しい演奏会でした。

協賛のNTTドコモ様、いつもありがとうございます。

「定額給付金給付事業」施行に伴う「The Discovery」からの3公演セット券の発売について

2009年04月08日 | 関西フィルハーモニー管弦楽団
「定額給付金給付事業」施行に伴う「The Discovery」からの3公演セット券の発売について

機敏!機を見るに敏ってこういうこと。
どれくらいの実効性があるかは分からんが、うまく話題になればマスコミの一つも食いつくかも知れぬ。
何もやらないよりは遥にマシですわな。
営業上がりの事務局長の気合を感じる。センチュリーさんも6月~9月定期のB席3公演12000円(ファンクラブ会員は10000円)とかやらはったら。

追記。
定額給付金で3回楽しんで 関フィルが企画チケット発売(asahi.com)
「定額給付金自体には疑問も感じるが、どうせもらうなら有意義に使ってほしいという提案。財政難で料金を値上げする楽団もあるが、不況の時こそ、お客さん目線の企画をつくりたい」と、関西フィルの西濱秀樹事務局長。
Discoveryシリーズ全体のチラシはこれ。

関西フィルハーモニー管弦楽団 大阪市中央公会堂 特別演奏会

2009年03月15日 | 関西フィルハーモニー管弦楽団
09.3.15(日)15:00 大阪市中央公会堂
関西フィルハーモニー管弦楽団 大阪市中央公会堂 特別演奏会 [古典の神髄]
指揮/藤岡幸夫
ヴァイオリン/松田理奈
コンマス/ゲオルギ・バブアゼ
聞き手/西濱秀樹(関西フィル理事・事務局長)
曲目:(14:40より藤岡幸夫によるプレトーク)
チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲ニ短調op.35
ブラームス/交響曲第4番ホ短調op.98
ブラームス/ハンガリー舞曲第1番(アンコール)

理奈たん!(笑)
後藤真希と生年月日が1週間しか違いません。

すっかり恒例になりました中央公会堂での特別演奏会。ここ数年は生きの良い若手を迎えての協奏曲と「古典の真髄」と銘打ったクラシックの王道的な作品を取り上げるスタイルで頑張っておるわけですが、今年は目下売出し中のヴァイオリニスト松田理奈さんとのチャイコンに中身はさておき聴いた感じがどっしり王道なブラームスの4番で皆様のご機嫌を伺います。
風も春めいてきましたしクラシック日和ですかな、柱で見えにくい2階サイド以外は満席でございます。

プレトークはほぼ藤岡幸夫ファンサイトに幸夫が寄せている内容を踏襲したもの。ブラームスを評価してなかったチャイコフスキーがブラームスと同宿になったときの和解のエピソードがお客様にヤケに受けていた。

チャイコ。理奈ちゃんと関フィルさんは以前にも松方で共演していたりするので4年ぶりの再会だそうです。ビクターが力を入れて売り出しております。その綺麗なお写真ばかりで見慣れていましたので、実物は丸顔で小柄、うつむきがちな大人しめの方でした。
第1楽章。先日のブラームス同様、オケが弱弱しいスタートです(笑)。ソロはルバートは速い楽句を毛羽立つぐらいに際立たせてから仕掛けたほうが良いような。第2楽章ではドレスのダークレッドに似た音色、くどくないけど流れすぎない好きなタイプのヴィヴラートが素晴らしい・・・んだけど、第1楽章でも団員の数人も気が付いていたようだけど何か低周波のようなウーハーのような音が会場外から聞こえてきてるよね?この会場は古い建築で防音も行き届かないし、周辺を道路に囲まれたり護岸工事だとか再開発だとかで作業音も多いんだけど今回は特に酷くないかい?それはさておき、終楽章も終盤ごろにようやくオケが充実した響きを出してきて大団円。行方は定かではないですが、やりたいことをイメージ出来てそれを何とか音にしようとする姿勢は清清しく楽しんで聴きました。
カーテンコールを3回受けたところで西濱さんが登場。驚く人もいるかもしれませんが中央公会堂ではこれなんすよ。久しぶりの大阪(理奈ちゃんの両親・親族は関西出身or在住の方)について、4年ぶり共演となった関西フィルの印象、これからの展望などを根掘り葉掘り。「ヴァイオリンも上手でしかもこの美貌・・・言うてるこっちが気恥ずかしくなってきた」「4年前とは違うんです!」「この駅なんでエレベーターがないの?」(エレベーターの話は練習所に行ったことがある人なら笑える)

休憩挟んでブラームス。
響かない中央公会堂だからこそナマに近い関フィルさんの音が聞こえてしまうし、メンバーも定期よりはやや落ちるので第1楽章などギスギスした雑な音がそこかしこに出てきた。金管は結構外しましたなー。内声に旋律にと役割が多すぎて大変ですから止むを得ないかもしれませんが・・・。第2楽章後半から旋律の受け渡しが自然で美しく、俺の好きな交響曲はホ短調の作品が多いんだと吼えた幸夫の気合が見えてきた。オーボエは少し苦しい。第4楽章は1918年に開場したホールの雰囲気に合った、暗い情熱と浪漫が溢れかえる音楽。第4変奏の弦楽は関フィルの真骨頂とも言うべき歌心があって感激した。
大きな拍手の中、正月のミート・ザ・クラシックに似たスピーチ。「不況だなんだとつらい世情ですが、関西フィルのコンサートだけは元気になって帰ってもらえるように精進して参ります!」アンコールはハンガリー舞曲第1番。これも濃く歌い抜いて終わり。
5時でもまだ外は明るい。春も近い。以上、2階席最後尾からお届けしました(笑)
協賛のNTT西日本様、ありがとうございました。

それはそうと、関西フィルハーモニー管弦楽団東京特別演奏会やて。トリフォニーでやってた地方オケフェスも縮小気味やし、自力で討ち入りですか。
カルメン幻想曲(初回限定盤)(DVD付)
松田理奈
ビクターエンタテインメント

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関西フィル いずみホールシリーズ Vol.14

2009年02月27日 | 関西フィルハーモニー管弦楽団
09.2.27(水)19:00 いずみホール
関西フィル いずみホールシリーズ Vol.14 [ベートーヴェンの森へ・・・]
指揮/飯守泰次郎
ヴァイオリン/梁 美沙
コンマス/ゲオルギ・バブアゼ
曲目:
ブラームス/ヴァイオリン協奏曲ニ長調op.77
ベートーヴェン/交響曲第3番変ホ長調op.55「英雄」

ピアノの出る幕の無いコンサートにも関わらず舞台中央に鎮座するピアノ。去年の京響と同じパターンで、先生自らピアノを弾いてプログラムの解説。聴き所や2作品の意外な相似点を次々と明らかにしてゆく。この手のプレトークは欧米では結構当たり前になりつつあるようなんだけれども、まだまだ日本のオケでは定番にはならないし、広上さんに言わせれば指揮者に不評らしい。まあ音楽を聴いてもらうのが全てなので、わざわざ言葉を付け加えるまでも無いといえばそれまでか。ところが飯守先生は聞き手の西濱事務局長が辟易するぐらい前のめりで、作品の素晴らしさを何とか分かってもらおう、これから聴くときにより楽しんでもらおうとする気合が漲っていてほほ笑ましかった。プレトークが終わるや大きな拍手とブラボーがかかり、西濱さんが「まるで演奏会が終わったような雰囲気ですが、これから始まりますので・・・」と苦笑する始末だった。おぢさんの前の列に座っていたご夫婦など「分かりやすかったね」「楽しみだね」と囁きあっていた。素晴らしい。
2階席にわずかに空席があるばかりの聴衆の期待は大きくなるばかり。

ブラームス。確か飯守先生がブル7をやった関フィル定期でブルッフをやったはずの梁美沙ちゃん。あの時は舞台度胸のある14歳だったのが今や21歳。おぢさんも年取るはずだわな。今はパリ在住で向こうを中心に頑張っているそうだ。
2分ほど続くオーケストラのみの開始は思ったよりも力無く不安がよぎるが、美沙ちゃんは気迫の登場から息詰まるテンションでオケを鼓舞し続けた。カデンツァが終わる頃には冒頭とは別物のように鋭く太く鳴るオケに大変身。第2楽章まで高いテンションで弾くので全曲終わる頃には聴き疲れがしましたが、若さ溢れる才能を堪能した心地よい疲れということにしておきましょ。

休憩挟んで英雄。当日のプログラムで小味淵さんが書いておられたが、飯守先生が関フィルに来られると決まった2000年からベートーヴェン・チクルスをやった。流行し始めたころのベーレンライター版スコアを用いて(東京シティとの全集あり)、関フィル新時代を大いにアピールしたものだった。東京シティpoなどでの最近の演奏では新しい楽譜を意識して用いるということはしなくなっているそうで、先年の7番でも新旧の版をブレンドしたようなやり方になっていた。
第2楽章ではヴァイオリンの深い嘆きが気品を伴って切実に聴こえたし、ティンパニの硬く打ち付けるような音色は聴衆の心に本物の痛みを感じさせるほどの強烈さだった。全曲通じて壮麗な響き、早すぎず遅すぎないテンポでじっくりと歩んでゆく良い演奏でした。
協賛のブラザー工業株式会社様ありがとうございました。
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関西フィルハーモニー管弦楽団 第208回定期演奏会

2009年02月05日 | 関西フィルハーモニー管弦楽団
09.2.5(木)19:00 ザ・シンフォニーホール
関西フィルハーモニー管弦楽団 第208回定期演奏会 [北欧の遺伝子]
指揮/藤岡幸夫
ピアノ/児玉 桃
曲目:
吉松 隆/鳥は静かに・・・op.72
チャイコフスキー/ピアノ協奏曲第1番変ロ長調op.23
ショパン/マズルカop.24-1(アンコール)
シベリウス/交響曲第1番ホ短調op.39

関フィルさんの09年シーズン開幕。結構な客入りで9割ぐらいはいるんじゃないすか。
プレトークは暑苦しいぐらいにシベ1の魅力を語る。

吉松。朱鷺に寄せる哀歌ほど耳に痛く無く聴ける。飽きるから何度も聴くものでもないが、たまにこうして聴いてみると非常に個性があって美しい作品しか書けない人だ。
チャイコフスキー。桃さんはフランス音楽だとかモーツァルトに妙味のある人、チャイコフスキーのように華麗だが力技の必要な作品だとタッチの軽さが耳につく。バレエ曲の一部のようなものに変わり果てていて、面白かったが人に薦める気にはなれない出来だった。

休憩挟んでシベリウス。
藤岡幸夫が関西フィルとともにシベ1を演奏するのは3回目。最初はライスターがクルーゼルのクラリネット協奏曲を吹きに来たついでに弟子の寺澤さん(急逝したが関フィルの首席だった)とともにシベ1まで参加してくれた。2回目はいずみで2年前にやった。これはイマイチだったがどうなりますか。
つい先ごろ大フィルさんで聴いたばかりの作品、大フィルと関フィル、技量はかなり差があるにもかかわらず、気心の知れた指揮者とオケが時間を掛けて何度も舞台に掛けることの素晴らしさを思い知らされる。オケは弱い、確かに弱いが作品に対する没入が段違い。冒頭のクラリネットからして深みに差がある。鮮烈な弦楽器の動き、峻厳で人を寄せ付けぬ金管の響き、第2楽章の可憐で清楚な木管、どこをとってもシベリウスの音がした。
素晴らしい。早くCD出ないかな。

藤岡幸夫&関西フィルMeet the Classic Vol.18

2009年01月07日 | 関西フィルハーモニー管弦楽団
09.1.7(水)19:00 いずみホール
藤岡幸夫(指揮) &関西フィル ~華麗なるニューイヤーコンサート~ Meet the Classic Vol.18
中国琵琶/エンキ
曲目:
ルロイ・アンダーソン/舞踏会の美女
エンキ(編曲:山下憲治)/龍
呉祖強/琵琶協奏曲「草原小姉妹」
ウイグル民謡/薔薇(アンコール)
ヨハン・シュトラウス2世/ワルツ「美しく青きドナウ」

ヨハン・シュトラウス2世/喜歌劇「こうもり」序曲
ヨハン・シュトラウス2世&ヨーゼフ・シュトラウス/ピチカート・ポルカ
ヨーゼフ・シュトラウス/ポルカ「憂いもなく」
ヨーゼフ・シュトラウス/ワルツ「天体の音楽」
ヨハン・シュトラウス2世/ポルカ「観光列車」
ヨハン・シュトラウス2世/皇帝円舞曲
ヨハン・シュトラウス1世/ラデツキー行進曲(アンコール)

9割入ったお客さまとともに。
プレトークによると幸夫がMeet the Classicでニューイヤーをやりたかったらしい。
演奏についてはイチイチ言いません。在関西オケで唯一、しゃべれる裏方と指揮者の脱力トークがたっぷり。ひっそりと売った結果、やっぱり売れてない09年カレンダーのセールストークや、エンキさんの熱演に思わず「プログラム(の組み方)間違えましたね」「やりにくいよな」と反省が始まったり、観光列車から開通したばかりの京阪中之島線に話がズレたりは当たり前です。アンコール前の指揮者スピーチ「不景気で色々と大変な時期になりますけど、関西フィルの演奏会だけは元気をもらってかえっていただけるようなものにしていきたい・・・皆様の今年一年をお祈りしております」と頭を下げるや間髪入れずに始まる小太鼓の小気味良さ。
必死です。この姿勢で挑んで初めて支援の声も上がってくるんです。
高砂熱学工業株式会社様本当にありがとうございますと、一聴衆として礼を申し上げる次第です(笑)。
琵琶山水~弦奏紀行VIII~

インディペンデントレーベル

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関西フィルハーモニー管弦楽団「第九」特別演奏会

2008年12月14日 | 関西フィルハーモニー管弦楽団
08.12.14(日)15:00 ザ・シンフォニーホール
関西フィルハーモニー管弦楽団「第九」特別演奏会 [不朽の名曲]
指揮/大友直人
ソプラノ/並河寿美
アルト/児玉祐子
テノール/福井 敬
バリトン/三原 剛
合唱/田辺第九合唱団
曲目:
ベートーヴェン/劇音楽「エグモント」序曲 op.84
ベートーヴェン/交響曲第9番ニ短調 op.125「合唱付き」

満員のお客さん。大友さんが大阪で第9をやるのが久しぶりということで結構な人が来ている。
演奏は通常の大友さんらしい、気品はあるが記憶に残らないものでその瞬間は楽しく過ごせた。
しかし大事なのはプレトーク。久々の客演ですが関西フィルはいかがですか、と切り出した西濱さんに対して「裏方のお一人として昔はあまり印象に残らなかった西濱さんが事務局長という重責を担われて、関西フィルのために尽力されている姿に驚きました。その努力が今の関西フィルの充実につながっているんだなと、感じ入る次第です」と返した。見事だよ。完璧だよ。100点以上の回答だよ。
1階席中央で聞いていたスポンサー陣が深くうなずいたのをみて、センチュリーさんもこういう光景を生み出せるようにしようねとおぢさんは思った。以上。

関西フィルハーモニー管弦楽団 第207回定期演奏会

2008年11月20日 | 関西フィルハーモニー管弦楽団
08.11.20(木)19:00 ザ・シンフォニーホール
関西フィルハーモニー管弦楽団 第207回定期演奏会 [エスプリが薫る]
指揮・オーボエ/ハンスイェルク・シェレンベルガー
曲目:
ラヴェル/クープランの墓
ミヨー/スタンフォード・セレナードop.430~オーボエと独奏楽器のための~
ブリテン/オヴィディウスによる6つのメタモルフォーゼNo.5「ナルシス」(アンコール)
ベルリオーズ/幻想交響曲~ひとりの芸術家の生涯のエピソードop.14

寒くなってきましたなあ。7割ぐらいの入り。
ドイツ語通訳の方を介してプレトーク。オケの若返りとレベルアップについてシェレ様は軽くほめてくれた。西濱さんは喜び過ぎだと思いますがいかがでしょうか(笑)

ラヴェル。軽やかで美しい曲で大好きなんですけども、難しい。オーボエは健闘してましたが、こういう曲やると関フィルの木管は薄いし弱いなあと・・・。

ミヨー。シェレ様も良い曲だがあんまし演奏したことないと言い、西濱さんも演奏に当たって楽団員がCDなど探したが見つからなかったと言う。もちろんRさんも音源は持ってない。持ってなくてもミヨーの作品にそこまでの違いなどないだろうと適当に考えてアテネ・アンサンブルのCDで室内楽を予習しておいた。
『独奏オーボエとフルート(ピッコロ持ち替え)、クラリネット、ファゴット、トランペット、ハープ、第1及び第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスに9種類の打楽器という11人のためのアンサンブル』の作品で、ミヨーらしい多調っぽい旋律と錯綜するリズムが新古典主義的なフォルムにぎゅっと詰め込んだ感じ。
面白かったけども、ミヨーを初めて聴いたお客様はしんどかったかも。
アンコールは一昨年前の定期でアンコールとしてご披露なされた作品の別の部分。前もってCDを買っておいたので一層有難く聴かせて頂ました。ぐふ。

幻想。小泉さんとは別の意味でカラヤンそっくり!シェレ様もドイツの指揮者なんすね、滑らかに歌わせるヴァイオリンに痙攣的な立ち上がりを見せる木管。終始バスを効かせようと指示を飛ばしてトドメはオケをマスクするほどの轟音で咆哮する金管と打楽器。第4楽章終わりで拍手が起きる。ああ初めての方々がおられる様子。是非ともこれから関西フィルを御贔屓に。さてさて、鐘が大きく鳴りすぎの終楽章でシェレ様ご自身が行方不明になるなど手に汗握る場面にも事欠かず。作品の中身そっちのけで身を乗り出して聴ける幻想なんて今や西日本のプロオケでは関西フィルでしかありえませんぜ。最高。何の曲だったかとかもうどうでもいいや(笑)

来年もシェレ様は来ます。

関西フィルハーモニー管弦楽団 第206回定期演奏会

2008年10月08日 | 関西フィルハーモニー管弦楽団
08.10.8(水)19:00 ザ・シンフォニーホール
関西フィルハーモニー管弦楽団 第206回定期演奏会 [モダニズム]
指揮/飯守泰次郎
ヴァイオリン/オーギュスタン・デュメイ
曲目:
シャブリエ/ポーランドの祭り~歌劇「いやいやながらの王様」より
ショーソン/詩曲~ヴァイオリンとオーケストラのための
ラヴェル/演奏会用狂詩曲「ツィガーヌ」
大澤壽人/交響曲第2番

嘘のようだが本当にデュメイが首席客演指揮者になった。今回の定期はソリストとして登場するが来年は弾き振りで現れるらしい。
そこも含めて大澤壽人の2番をNHKが収録しに来た。
昨年同様、プレトークは大澤に惚れ込む飯守先生の熱さが炸裂。聴く前に疲れた(笑)。

シャブリエ。この人の作品はどれもリズムが独創的で聴いていてとても楽しい。関フィルの演奏はわちゃわちゃしていてあまり良いものでは無かったけど。
ショーソン&ラヴェル。デュメイの本領とも言うべきフランス音楽。柔らかくも張り詰めたショーソンの美、自由闊達に弾いてゆくけれどもラヴェルの世界を損なうことの無いツィガーヌの見事な表現、正直ちょっと怖いよ。バックのオケが出す音とは格段の相違があって悲しい。しかしこの人から大いに学んでいって頂きたいものです。

休憩挟んで大澤。もうね、謝る。ごめんよ。
ダメだなあ。フレーズが短くコロコロ変わるわりにどれも印象に残らないものばかりでさっぱり分からなかった。去年も大澤作品で轟沈したんだよなあ。何でだろう。
とりあえずNHKの放送で再チャレンジしてみるよ。先生もオケも一生懸命だし、解説の片山さんも良いものを書いていたのに・・・ほんとごめんね。