余桃之罪、もしくは電光朝露

関西フィル、日本センチュリー、京都市交響楽団、大阪フィルの定期会員です。アイドルやら声優やら。妄想8割、信憑性皆無。

日本センチュリー交響楽団いずみ定期演奏会No.41~ハイドンマラソン

2019年05月24日 | 日本センチュリー交響楽団
指揮/飯森 範親
フルート/永江 真由子(日本センチュリー交響楽団首席奏者)
コンサートマスター/荒井英治(日本センチュリー交響楽団首席客演コンサートマスター)
曲目:
ハイドン/交響曲第23番 ト長調 Hob.I:23
ジョリヴェ/リノスの歌
ハイドン/交響曲第20番 ハ長調 Hob.I:20
ハイドン/交響曲第85番 変ロ長調 Hob.I:85 「王妃」

いずみホールの改修もあって昨年度は2回のみ、いわばハーフマラソンになったハイドンマラソンも今年度から例年通り年4回に戻る。
すでに全104曲の半分近く演奏したらしいのだがイマイチ達成感がない。
シール集めてないからかなw

あいにくとデュトワ&大阪フィルの定期二日目にあたっていて、ほんの僅かながら集客が減っている。
むしろ、こういう悪条件でも明らかな固定客がホールの半分を埋めるぐらいはいるのだと分かって嬉しい。

23番。22番「哲学者」の一つ前の番号だが21~24番はいずれも1764年の作品。
軽妙な作品だが最後はピッツィカートであっけなく終わる。
続くジョリヴェの作品は室内楽で、舞台転換に少し時間が要るということでノリチカが出てきてトークなど。

リノスの歌。フルート、ハープと弦楽三重奏のための作品で、パリ音楽院フルート科の卒業試験課題曲として書かれたもの。ピアノ伴奏でも演奏されることがある。
パリ音楽院の卒業試験課題曲って時々見かけるよね、メシアンとかボザとか・・・
リノスはオルフェウスの弟で、ヘラクレスに殴り殺されたという。

ジョリヴェは「リノスの歌は、古代文明における挽歌の変形、すなわち葬送の悲歌、叫びと踊りが交錯する哀歌である」(解説より)

ということで、フルート独奏の狂乱の嘆きが他の奏者の錯乱の叫びに挟まれたようにヌメヌメと進んでいく官能的な世界。
荒井さん率いる伴奏は実質センチュリージャズナイトのそれでアグレッシブにソロをもり立てる。
ハイドンには絶対にない感覚と世界観が繰り広げられて大変面白かった。

交響曲第20番。トランペットとティンパニが加えられた華やかな作品。
作曲の目的は定かでないらしいが、おそらく祝典的な機会か、それなりに聴衆の多い場所を想定したものだろう。
うちのトランペットは万全なので安心して聴ける。

交響曲第85番。エステルハージ家から離れたころに、パリの演奏団体「コンセール・ド・ラ・ロージュ・オランピック」からの依頼で書かれた、第82番から第87番までのいわゆる「パリ交響曲」を構成する六曲のうちのひとつ。
マリー・アントワネットが聴いたとか好いたとかということで「王妃」とニックネームが付いているが、そういう逸話がつくほどに作曲当時から人気作だったらしい。
一説によるとこのオケはヴァイオリンだけでも30~40人ほどを用意できたそうで、ヴァイオリンが10人もいないエステルハージ宮廷のオケとは格段の違いがあった。
そういう厚く輝かしいオケに合わせた華やかで身の詰まった筆致、ハイドンの全交響曲のなかでも指折りの充実度を持った作品。
もちろんセンチュリーもプルトを増やして壮麗に聴かせる。
歯切れのよいリズム、明暗強弱をキッチリつかんだノリチカの指揮も冴えていて良い出来だった。
正直なところ、これはシンフォニー定期に一度持っていってもらいたい。それだけの値打ちはある。

<ハイドン:交響曲集 Vol.8>交響曲 第60番「うっかり者」、第54番
ハイドン,飯森範親,日本センチュリー交響楽団
オクタヴィア・レコード


<ハイドン交響曲集Vol.7>第37番、第78番、第16番、第100番「軍隊」
ハイドン,飯森範親,日本センチュリー交響楽団
オクタヴィア・レコード





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