余桃之罪、もしくは電光朝露

関西フィル、日本センチュリー、京都市交響楽団、大阪フィルの定期会員です。アイドルやら声優やら。妄想8割、信憑性皆無。

関西フィルハーモニー管弦楽団 第211回定期演奏会 [オリエンタリズム]

2009年05月21日 | 関西フィルハーモニー管弦楽団
09.5.21(木)19:00 ザ・シンフォニーホール
関西フィルハーモニー管弦楽団 第211回定期演奏会 [オリエンタリズム]
指揮/小松長生
ピアノ/河村尚子
コンマス/ゲオルギ・バブアゼ
曲目:(18:40より小松長生によるプレトーク)
貴志康一/大管弦楽のための「日本組曲」より「春雨」「祈り」「道頓堀」
ラヴェル/ピアノ協奏曲ト長調
フォーレ/8つの小品より即興曲嬰ハ短調op.84-5(アンコール)
バルトーク/バレエ「中国の不思議な役人」組曲 op.19
コダーイ/ガランタ舞曲

21.May.2009 7:00p.m.The Symphony Hall
Kansai Philharmonic Orchestra 211st SubscriptionConcert
Conductor/KOMATSU Chosei
Piano/KAWAMURA Hisako
Concertmaster/George Babadze Concertmaster of Kansai Philharmonic Orchestra
Program:
K.KISHI/from "Japanische Suite für Grosses Orchester"
M.Ravel/Piano Concerto G major
B.Bartók/The Miraculous Mandarin Op.19: Suite
Z.Kodály/Galántai táncok

新型インフルエンザの感染者が国内でも見つかり、大阪・兵庫がその中でも感染者が多いということで開催が危ぶまれた本定期。リハーサルはやってるらしいので多分やるだろうと連絡も何もせずにとりあえず会場へ。公式HPとかでアナウンスしてくれりゃ良かったんだが。
行ったらやってた。係員はホール側も関フィル事務局員も皆マスクしてるし、消毒用アルコールは置いてあるし、トイレには通常の石鹸に加えてキレイキレイが置いてある(まあホールの目の前ライオンだし・・・)。
チラシにも「咳エチケット」について書かれたものが挟まれている。
出来ることは全てやった、厳戒態勢ということで。
しかし客入りは悪かった。1階席7割、2階席5~6割だから全体では6割ちょっと。仕方ない。

プレトーク。
日本3大色黒指揮者の一人、小松長生(あとは現田茂夫、本名徹次。藤岡幸夫でも可)。いまは愛知やベネズエラで頑張っている。15年ほど前には関西フィルの正指揮者のポジションを持っていた。
久方ぶりの関フィル定期登場ということらしい。先ごろ結婚されたということで1階中央の関係者席には和服の奥方。
モーニング娘。のリーダー高橋愛(福井出身)もテッテケ喋るが小松さんも福井出身で訛りがそっくり。
各曲の聴き所よりはオケの見所を手で示して熱く語る。そうね、ライブなんだから目で見えるものを推してくるのはありだわな。

貴志。
ちょうど今、コステラネッツやカーメン・ドラゴンを聴き漁っているところなんだけど、この貴志の作品も日本風味のムード音楽みたいな部分はあるよね。
道頓堀の乱痴気騒ぎは好き。
関フィルの金管からいつになく張りのある響きがしていた。

ラヴェル。
小松さんがプレトークで美しい響きと凄いスピード感のある技術の持ち主だというようなことを力説していたが、ちょっと弾き飛ばすようなところがあったり暗譜が怪しく感じたり・・・。第2楽章は元から美しい作品だが響きをたっぷりと取りつつももたれぬようなテンポで、さすがに美しく演奏した。
アンコールは選曲含めて素晴らしいもの。ため息が出る。

休憩挟んでバルトーク。
指揮者の性質のためかオケの持ち前の明るさのためか、エロティック・バイオレント・ホラー作品にしてはいささか健康的な勢いに満ちてしまった。クラリネットが孤軍奮闘してエロスを醸していたが。終曲の異様な狂熱に衝き動かされる舞踏の迫力は、この指揮者ならでは。

コダーイ。
コダーイが一時期住んでいたスロヴァキアのガランタ地方の民謡に基づく作品。ブラームスのハンガリー舞曲を数曲、ポプーリ風にしたもの。ブラームスと違うのは愛国心のようなものが底流にあってなかなかに熱い音楽になっている。
わざわざ曲順を入れ替えてまでこの曲を最後にしただけあって、哀愁と情熱の狭間で大いにココロ揺れた。

ウイルスと音楽と、どちらも目に見えぬものに穏やかではない夜でしたとさ。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。