まるで映画館みたいだった
椅子に深く腰を下ろす
まわりからは話し声が聞こえる
部屋がほんの少し暗くなって
きれいで落ち着いた声のアナウンスが流れる
そうして、いっそうの暗がりが広がって
世界の壁がなくなり
嘘の夜が始まった
星がひとつ
またひとつ点灯して
係員が星の名前や逸話を説明している
古代の人は星の位置を
想像の線で結び
表情を描き
物語を綴った
その線がひかれた、この空間は
二十四時間365日を十数分で巡る
タイムマシーン
圧倒された意識はうずくまり
なんだか溺れてしまいそう
深海のような空間
溜息は気泡のように上っていったのかもしれない
深海魚も光を見ている
深海魚は発光体を持っている
アクアリウム
・・・星の振りをして巡るのか
物語は終わった
部屋が明るくなり外に出る
まだ太陽がある
空星は見えなかった、太陽意外は・・・
本当の夜まで数時間ある
早送りできない現在は常に一定?
想いは夜へとひとっ飛び
ああ、夕焼けだ・・・
映画がはじまる
無声映画のオルゴール
星のめぐりと銀の爪
風に揺られるプラネタリウム
星が瞬く