moonpool

魂のため息

椋鳥?

2012年07月29日 | 詩・夏
わいせつな愛!


まだまだ熱帯夜が続いている

それ以上に熱くなりそうな
君と僕

クーラーは欠かせない
だけど
今日はカーテンを閉めないでおこう
月が明るいから

髪を撫でて
キスをして
焦らしながら
求め合いながら
愛し合おう

「月がみてる・・・」
そんな君のメルヘンチックな言葉も
シャガールの絵画のような
僕たちの遊戯は卑猥で

悪戯な僕は
「69の逆は知ってる?」と
体を入れ替えて尋ねている

君はちょっと窮屈そうに
「椋鳥?」

思はぬ正解に
なぜ、そんなにも詳しいのか

僕は天を仰いで
「月が嘲笑ってる」

こころの中で呟いた

熱帯夜



てのひらこびと

2012年07月21日 | 詩・詞
心臓です


ちっぽけな私の脳内で
善悪が渦巻いて
たったひとつの傾きが
世界を決め付けている

誰が悪いわけでもない
いや、誰かが悪いんだ きっと

目の前の光景を疑って
触ってみる
多分この感触も偽り
そうさ
いかれちまっただけなのさ

世界が勝手に幕を下ろしただけなのさ
エンドロールはまだみたいだけど

私の手のひらの中で
恋人が息をひきとった

眠るように
静かに逝った

恋人を抱え上げてみた
確かな大きさ

でも、私の手のひらの中で
恋人が息をひきとった

嘘みたいだけど
君は小人だったのだろうか

冷たくなってゆく手を握って
頬であたためながら
泣いた

恋人の手のひらの中で
泣いた

プラネタリウム

2012年07月14日 | 詩・詞
今日の空を見ていたら

まるで映画館みたいだった

椅子に深く腰を下ろす
まわりからは話し声が聞こえる

部屋がほんの少し暗くなって
きれいで落ち着いた声のアナウンスが流れる

そうして、いっそうの暗がりが広がって
世界の壁がなくなり
嘘の夜が始まった

星がひとつ
またひとつ点灯して

係員が星の名前や逸話を説明している

古代の人は星の位置を
想像の線で結び
表情を描き
物語を綴った

その線がひかれた、この空間は
二十四時間365日を十数分で巡る

タイムマシーン

圧倒された意識はうずくまり
なんだか溺れてしまいそう

深海のような空間
溜息は気泡のように上っていったのかもしれない

深海魚も光を見ている
深海魚は発光体を持っている

アクアリウム

・・・星の振りをして巡るのか


物語は終わった

部屋が明るくなり外に出る

まだ太陽がある
空星は見えなかった、太陽意外は・・・

本当の夜まで数時間ある
早送りできない現在は常に一定?
想いは夜へとひとっ飛び

ああ、夕焼けだ・・・

映画がはじまる
無声映画のオルゴール

星のめぐりと銀の爪
風に揺られるプラネタリウム

星が瞬く



成長期

2012年07月12日 | 詩・夏
どうしてなんだろう


月がぼんやりと浮かんでいた

遠く響くのは
打ち上げ花火の音

夜空
明るく賑やかな
火の粒の残

近所
子どもたちの笑い声が届く


私は別世界で暮らしている

そんな気が確かにした

もうあのころには戻れない

そんな気が確かによぎった


美しいはずの情景に
ただ、胸が苦しくなった