moonpool

魂のため息

「ひとりごと」

2011年02月28日 | 詩・詞
想像する

この世で私はひとりっきりで
見渡す限り何も無い空間で

私は何を話すのだろう

誰に向かって話すのだろう

たぶん最初のうちは
今の置かれた現状に
ぶつぶつ文句をいってみたり

気を紛らわせるために
歌ってみたり

あるいはただ
行動を実況したり

するかもしれない

いずれは自分の世界に埋没して
声すら発しない

こころの脳裏に声を導き
ふと襲い掛かる恐怖にだけ
声をあげるかもしれない



辞書

2011年02月25日 | 詩・詞
言語否定


僕は言葉を選びすぎてしまった・・・  

言葉は僕らを追い越して  
辞書は厚みを増してゆく

今まで
書いたり
しゃべったり
思ったりした言葉は
辞書では何ページ分にあたるのかな?

どれだけ言葉を使っても
まだまだ気持ちは伝わらない

きっと
僕の言葉は小さすぎるんだ 
 
この世で最初の辞書は  
いったいどれだけの言葉を
載せていたのだろう
  
たぶん今より少なくて  
たぶん今より通じ合えたのかもしれない

ただ見つめるだけで
重なり合うだけで
伝わることもある

思い過ごしかもしれないけど
ほら、微笑んだ・・・  


  僕らは言葉を作りすぎて

  僕らは言葉を選びすぎて

  僕らは言葉に頼りすぎた  


獣のように牙をむき  
獣のように尻尾を振ろう  

だけど涙だけは
今のように、泣きたい・・・  


言葉はどこにある?

人さらい

2011年02月24日 | 詩・詞
君の笑顔は 
人さらい

春の日差しに 
人違い

桜のもとは 
人いきれ

きっと僕は 
人見知り

人嫌いの 
人となり

人騒がせな 
ひとり言

等しくみんな 
人さらい

今日も誰かが 
人さらい

今日も誰かを 
人さらい

さらって 
さらわれ 
ひとりだけ

ひとりぼっちを 
ひとりじめ

さらうものなど もういない

照空燈

2011年02月22日 | 詩・詞
大気圏を越えて


街のどこからか
空をめがけて
サーチライトが照らしている

何もない空

照らし出されるものなんて
なかった
              
ただ、幽かに光の粒の柱が
空に伸びているのはわかった

空には星があった
    月もあった
    雲もあった

サーチライトの先に
星があったかもしれない

でも、届くのには幾億光年も先の話

サーチライトは
何を照らしているのだろう

導かれた視線の焦点距離は
大気圏を越えていない

空はどこまでも空
地球の明かりを全て消したら
大気圏を越えられる気がする

もう、まぶたを閉じなくても
夢が見られるかな?