「梅の実」 2010年04月23日 | 詩・春 庭先の 春を知らせた 梅の花は散り ウグイスは何処へやら ひとつの春の香りが終わる 青々と葉は茂り キラキラと陽射しを反す つかの間の青空 あっ雨の匂いがした 間もなく梅雨に入ります 降り続く雨 紫陽花、カタツムリ、蛙の声 にぎやかな傘の下 たまには雨に濡れたいときも・・・ 虹を探しに行きませんか? 雨上がりの夕暮れ みずみずしい青い梅の実が 赤く染まる 消え入りそうな虹を見つけた、 ・・・切なさが胸を突く 青い梅の実は 毒があるというのを思い出した
酷雨 2010年04月21日 | 詩・春 冷たい雨が降る 今日降る雨は穀雨 のはずである が 農作物の価格が高騰している 異常気象である 思わず天を仰ぐ しかし 虚空であった 冷たい雨が降る 不安が募る 酷な雨である
涙の跡 2010年04月20日 | 詩・春 涙を悟られないように 空を見上げた やわらかな春の体温に 桜は別れを まだわずかな葉を 木漏れ日をゆらしている 少し見惚れて 深呼吸する 「もう、大丈夫・・・」 うん、頷くようにまた歩き出す ほんの少し悲しそうな微笑を あなたは私の頬に手を伸ばす 「ごめん」 私の頬に花びらが一枚 隠したはずの 涙に跡が・・・ さようなら
海を渡る狼 2010年04月19日 | 詩・詞 家畜を襲ったからと 虐げられた狼 ただ直向に生きていた それだけなのに 追われて 逃れて 雪原を行く 悠久の進化 その果てに 凍てついた海を渡る 新天地 そこでも常に 生きるための争いは続く 何もかわってはいないのに 伝説は造られた その地では 狼は神になった 夜空にシリウスが光る
幻冬 2010年04月18日 | 詩・春 桜が咲いている 雪が降っている 慌しい季節の誤差によって 生まれた景色 降り積もっているのが 雪なのか 花びらなのか そんなことはどうでも良いくらい 不思議で素敵な空間 そっと手をかざす 体温でとけてしまったのが桜 儚く通り過ぎていったのが冬 静けさに 雪を追いかけて そこには まだ、冬がいて・・・ 桜は散り際 名残は雪か、 あれは本当に雪だったのだろうか 春の日差しに冬はとけた