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魂のため息

「梅の実」

2010年04月23日 | 詩・春
梅の実

庭先の
春を知らせた
梅の花は散り

ウグイスは何処へやら

ひとつの春の香りが終わる


青々と葉は茂り
キラキラと陽射しを反す
つかの間の青空

あっ雨の匂いがした

間もなく梅雨に入ります


降り続く雨
紫陽花、カタツムリ、蛙の声
にぎやかな傘の下

たまには雨に濡れたいときも・・・

虹を探しに行きませんか?


雨上がりの夕暮れ
みずみずしい青い梅の実が
赤く染まる

消え入りそうな虹を見つけた、

・・・切なさが胸を突く


青い梅の実は
毒があるというのを思い出した

涙の跡

2010年04月20日 | 詩・春
桜

涙を悟られないように
空を見上げた

やわらかな春の体温に
桜は別れを
まだわずかな葉を
木漏れ日をゆらしている

少し見惚れて
深呼吸する

「もう、大丈夫・・・」

うん、頷くようにまた歩き出す

ほんの少し悲しそうな微笑を
あなたは私の頬に手を伸ばす

「ごめん」

私の頬に花びらが一枚
隠したはずの
涙に跡が・・・

さようなら

海を渡る狼

2010年04月19日 | 詩・詞
粋

家畜を襲ったからと
虐げられた狼

ただ直向に生きていた

それだけなのに

追われて
逃れて
雪原を行く

悠久の進化

その果てに
凍てついた海を渡る

新天地

そこでも常に
生きるための争いは続く
何もかわってはいないのに

伝説は造られた

その地では
狼は神になった

夜空にシリウスが光る


幻冬

2010年04月18日 | 詩・春
粋

桜が咲いている
雪が降っている

慌しい季節の誤差によって
生まれた景色

降り積もっているのが
雪なのか
花びらなのか

そんなことはどうでも良いくらい
不思議で素敵な空間

そっと手をかざす
体温でとけてしまったのが桜

儚く通り過ぎていったのが冬

静けさに
雪を追いかけて

そこには まだ、冬がいて・・・

桜は散り際
名残は雪か、

あれは本当に雪だったのだろうか
春の日差しに冬はとけた