moonpool

魂のため息

雨粒のワルツ

2008年05月22日 | 詩・夏
降り続く雨に
花びらは散って流れてゆく
紫陽花は
にぎやかなアンブレラ
雨粒が叩いて
リズムを生んだ
ステップを踏もう
水溜りを飛び越えて
靴を鳴らして
傘の柄を握り締め
通り過ぎる車に
傘を向けて
跳ね返りをかわしながら
濡れた服なんて気にせず
楽しく踊ろうよ
お日様のような笑顔で
気分爽快
晴れたこころ
雨上がりの瞳の輝き
いつか晴れる明日を追い越そう

五月雨

2008年05月14日 | 詩・夏
降り続く雨は憂鬱に染めて
カタツムリは殻に閉じこもった

窓から見える景色には
色とりどりの傘が咲いて
無機質な街に色を添える

黒髪のようにつややかな道
水溜りは波紋の世界を広げ
閉じた部屋にも微かに響く蛙の声

にぎやかな雨音も
秒針の振動に紛れて
無意味な眠りへと誘う子守唄

刹那の時間の流れ
目は覚めて
窓の外を見れば
晴れ間が広がっている

虹は無かった
あなたはどこ?

偽物の光と影を借りにゆく

2008年05月13日 | 詩・詞
月を見つめていると

唄うように
吠えたくなる

全てを脱ぎ捨てて
細胞のひとつひとつに光を浴びて
影と一緒に踊る喪失感

身も心も震えだして

そして、わたしは笑ったんだ
開放感とともに

でもね


本当は月なんて
自ら光っていないのに・・・

この偽物の光は
わたしを自然の姿に照らし出してくれる
舞台装置

そんな気がして
今日も月を待っている

鯉のぼり

2008年05月09日 | 詩・春
五月晴れの空に
鯉のぼりは似合わない

あわただしい空が良い
雨が降って
あと
雷もあるといい

だって
鯉は滝をのぼると
龍になる

そんなわけは無いのだろうけど
雰囲気だけでも
と、思ってみる

ただ
捨てがたいのは
真夜中の月明かりに浮かぶ
鯉のぼり

限りなく
空が海に近づいた
そんな気が
たしかにした