ある晴れた空から
ゆっくりと落ちてきた二つのBoys
FATMAN
時代を焦がした熱波の脅威
影だけ残して消え去って
残りは瓦礫の山ばかり
LITTLEBOY
時代を切り裂く光の暴威
光音に消された慟哭の群れ
慈悲の恵みの雨さえも黒く澱んだ殺意に変わる
誰もが100年経っても
草木が生えてこないだろうと諦めていた
時は流れて
思いのほか早く草木が芽吹き
平和らしきものも根付いてきた
かに見えたが
そう、歴史は繰り返されてしまったらしい
姿を変えた二つのBoys
見えない何かが心に降りてきた
FATMAN
飽食と怠惰の時代
虚飾と過食を繰り返し
歯止めがきかぬ欲望の渦
LITTLEBOY
理由なき凶行の時代
ナイフを片手に漂う濃霧
霧が晴れてみれば幼い顔があるばかり
どこで狂いだしたのか
それともこれが本性なのか
人の心の核心の
質量はどれほど重たいのか
それは罪の重さか
心の広さか