星月夜に逢えたら

[hoshizukiyo ni aetara] 古都散策や仏像、文楽、DEAN FUJIOKAさんのことなどを・・・。 

『宮城野』について語る毬谷友子さん@2008年ラジオ番組

2009-10-11 | 映画「宮城野」
きゃっ。宮城野3連発!(笑)
公式サイトにあった情報なので興味のある人は聞かれたと思いますが。
毬谷友子さんが、お父様である矢代静一さんと、その作品『宮城野』につい
て語られたラジオ番組。
とても心に残りましたので一部をかいつまんで書き出してみます。
私はこれでますます『宮城野』が早く見たい!と思うようになりました。
いちおう、ネタバレを気にされる方はご注意ください。

『ラジオ深夜便・ナイトエッセー』第四夜 より
 (NHK第一放送 2008年1月24日)


●『弥々』と『宮城野』について
宮城野という女性も女郎で、弥々ととても共通するところがある女性です。
魔性と聖性を兼ね備えた、でも童女のようにピュアな心を持った女性。
弥々はどんなに過酷な運命にあっても、笑い飛ばして逞しく生きていった
女性。でも宮城野っていうのは、好きな男のためにはいとも簡単にあっさり
と自分の心と命を差し上げてしまう、はかないピュアな女性なんです・・・。

●矢代静一が書いた『宮城野』について
父は私が子供の頃、俳優座という劇団でお芝居を書いたりしていました。
その後、三島由紀夫さんたちといっしょに文学座へ。それから三島さんと
NLTという劇団を作りましたが、思想の違いから三島さんにNLTを託して、
ひとりぼっちになってしまったんですね。
当時はプロデューサーシステムなどなくて、どこの劇団にも属していなけれ
ば戯曲の依頼はないわけですね。
そんな中、父は誰からも頼まれていないのにこの『宮城野』という戯曲を書
きました。たまたま神保町の古本屋さんで写楽が描いた「宮城野」という絵
を見て、書きたいと思ったそうです。
これは弥々とも共通する父の理想像、マグダラのマリアをイメージして書い
たと思われるんですが、この『宮城野』の中に、その時の父の心境がそのま
ま書かれた矢太郎の台詞を見まして、私は心を鷲掴みにされたように、その
時の父のことを思い、あっ、上演したいと思いました。
そこを読んでみたいと思います。

「俺は昼間だってのに雨戸を閉めた薄暗い部屋でニセ絵を描いてる・・・」
(戯曲なので以下、差し控えます。)

父はなんにも仕事がなくって、ただただこの戯曲を書いているとき、宮城野
のような女性に励ましてもらいたかったのかなあって。私はこの台詞を読ん
だ時に思いました。

(『宮城野』が映画になったいきさつについてはトークショーと重なるかも
しれませんのでこれも控えます。)

●映画が完成して
私が宮城野を演じ、相手の矢太郎というニセ絵師は歌舞伎の片岡愛之助さん
が演ってくださり、あと、女郎屋の女将を樹木希林さんが演ってくださいま
した。
毎日現場は本当に大変で、乗り越えないといけないことがいっぱいあったん
ですが。私はこの作品を棺桶に入れてもらって、天国に行って父と再会する
時にこれをお土産にしたい、その一心で撮影にのぞみました。
昨日、父のお墓参りに行ってきました。
「撮影中はいろいろあったけど、できあがった絵を見ればみんな納得してく
れるよ。よくがんばった」。そんな父の声が私の中に聞こえてきた気がして
とてもうれしかったです。

・・・・・・・・・・・・

メモ書きは以上。

お父様は晩年に、フランシスコ・ザビエルの生涯を書いた『生きた、愛した』
という小説を書かれ、それをハリウッドで映画化したいという夢を持ってお
られたそうです。
この『宮城野』という映画がどうか世界の人に見てもらえますように。
父の叶わなかった夢が叶うことができたら。それを願っています。
と毬谷さんは最後に結んでおられました。


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4 コメント

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いよいよ・・ですかね?! (しろう)
2009-10-11 21:42:15
ムンパリさま♪
あらま!
クランクアップからそろそろ2度目の秋よ・・の今日この頃、
驚きの『宮城野』ネタ3連発!
にわかに期待の念が湧き上がりましたよ~。
いよいよ地方にも上映の機会が広がっていくんではないかと。
『築城せよ!』もじわじわと全国展開になっていきましたもんね♪
『Beauty』『築城せよ!』地方にいても2本ともちゃんと観られたので、
コレだってきっと観られると信じてま~す♪

ラジオの聞き書き、ありがとうございます!
毬谷さんのお父さまと作品への思いに胸がきゅんとしました・・。
同じく、観たい気もちが数倍増です。
返信する
しろうさま♪ (ムンパリ)
2009-10-14 01:27:17
お父様が「ニセ絵師」を描いた裏にはそんなことがあったんだ
と思うと、それを愛之助さんはどのように演じているのか
早く見てみたいと思います。
この番組で毬谷さんがおっしゃってました。
「今年(2008年)の秋に公開をめざして・・・」と。
時期はズレましたけど、きっと地方でも見られるものと
私も信じてますよ~。
もしも今年中に見られたら、今年は愛ちゃん映画3本立て!(笑)
という記録に残るゴージャスな年になるんですが。
祈りましょう!(笑)
返信する
レポありがとうございました! (canna+)
2009-10-14 19:13:21
貴重なレポありがとうございました!
せめて来月の演舞場に重なっていれば観ることができたのに~。
私も今月は御園座に賭けていますので今月の上京は泣く泣くあきらめます。
関西での上映の日が近いうちにくるといいですね。
返信する
canna+さま♪ (ムンパリ)
2009-10-15 07:57:58
せっかく上映会があるのに見られないというのは
なかなかつらいものがありますね・・・。
「宮城野」についての愛之助さんのコメントも聞きたい
ですし、次回は山崎監督と毬谷さんとの3人の舞台挨拶付き
で上映会してもらえないかなあ~と(笑)。
ま、ここまで来ればひと安心。
いつかは関西でも見られると信じています!
返信する

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