<勘三郎さんのインタビューより>
先日の松竹大歌舞伎で、幕間に流れた勘三郎さんのインタビューの続きです。
やはり、ほんの少~ししか聞き取れてませんが、メモを勝手に補完しながら
まとめてみます。意味の通らない箇所もありますがおゆるしを。
昼の部
問:きょうは「身代座禅」の右京をやりますが、これも先代の当たり役ですねえ。
勘:「身代座禅」は祖父が初めてやって、父が右京を得意とした役です。「身代
(座禅)」は何もしないでやりたいと思います。
問:みどころは?
勘:花子のところから酔って帰ってくる時に振り返り振り返り、おこつくところ。
何回稽古したかなあ。大げさに言やあ1000回ぐらいやったね。ただ親父の真
似をやった。そういうところを見ておくようにと息子たちにも言ってんの。
ちっちゃいみどころだけどね。酔っぱらっておこつくのは難しい。ふわっと
した色気が出るのがいいの。わざとらしいのはだめなんだね。
問:あそこでは普通、笑わせようとしますね。
この「身代座禅」は前にもやりましたね。
勘:「身代(座禅)」は2回目ですね。前はうちの親父が奥方ですからね。照れま
したよ。不敬罪ですからね。いやだったねー。やっといま51歳で、何もしない
でこの役ができつつある。
問:(※質問不明。古い芝居小屋でやるんですね・・・のような質問。)
勘:「身代座禅」は金比羅でもやるの。いい感じだね。・・・・・・・・・・
同じような芝居小屋でやった時に、右京が浮気して帰ってきたら、客席から
おじさんが「おっ、帰ってきたよ」っなんて言うんだよ。それが小さい小屋の
よさだね。
※「身代座禅」
勘九郎さん時代に先代と共演した舞台というのは調べられませんでしたが、
サッカーワールカップの2002年にも「身代座禅」をやったという情報をネット
上で見つけました。正式な確認は全くとれていませんが、それによると・・・
右京役が勘九郎さん、太郎冠者役が橋之助さん。
奥方への言い訳は<ドイツ VS ブラジル戦を見に行った>だったそうです。
観劇された方はきっとメチャメチャ楽しかったでしょうね!
※古い芝居小屋での公演についての情報はここにありました。
夜の部
問:権太は楽しみですね。
勘:これは親父はよくやったけど、僕はあんまりやってないの。
それで、昔のものを調べてるの。昔のは誰も見たことがないんだから、文献で
調べていろいろ変えてやっています。これは僕の型にしたいと思ってます。
これ(※「すし屋」)は親父がすごいでしょ。ファザーコンプレックスじゃな
いけど、父親がこういう人間だからという思いが権太にはあると思う。
だから、最後、あの場面でみんなが周りに集まっている時に、とっつぁん、とっ
つぁん。親父さまー、親父さまー、って。男親に対する自分の引け目と、自分を
ゆるしてもらいたいという気持ちなんだね。
おとっつぁん、すごいでしょ!・・・・・・・・・・・・
最後は「お父さん、いてください」と言いたいわけです。「お父さん、僕の隣り
にいてください」と。これが僕の型です。
権太は本当はいい人間じゃないかと思えるんだけれど、ものを盗んだ人でしょう。
やっぱり、あれはいい人じゃない。
いい人じゃなくて、それで返しに来たという方が面白いでしょ。
ああいうすごいおとっつぁんがいて、血というか、どうしようもないものがある。
これは人間ドラマですから。
・・・・・・・・・・・・
※ 昨年のSmaSTATION。初代~十八代の中村勘三郎の歴史がWEB上で読めます。
ニッポンヲシロウ!
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